「落ち込みすぎて意欲ゼロ」のときにやってはいけない3つのこと。立ち直る方法は意外とシンプルだった

「落ち込みすぎて意欲ゼロ」のときにやってはいけない3個のこと01

「落ち込むとうまく立ち直れない」
「意欲ゼロ状態になりやすい」

人間関係がうまくいかなくて自分を責めてしまったり、一生懸命やっているのに結果が出なくてやる気喪失してしまったり、同僚に言われた嫌味なひとことを引きずってしまったり………仕事や学業などに打ち込んでいれば、落ちこむことはいろいろとありますよね。

それでも切り替えて前に進んでいく人と、とことん落ち込んで意欲ゼロ状態になってしまう人とでは、いったい何が違うのでしょう。じつは、落ち込んだときにやってはいけないことが3つあるのです。あなたがしてしまっているものがないか確認してみてくださいね。

1. まったく行動しない

嫌なことを何度も繰り返し思い出しては、「自分なんてどうせ……」と不安や自己嫌悪に陥り、何をしても失敗しそうな気がして何ひとつ行動せずにいる、ということはありませんか? そんな状態を打破するための簡単な方法はじっとしていないで、とにかく動くこと。

精神科医で作家の樺沢紫苑氏によると、じっとしていると不安が増幅し続けるのだそう。その原因は、不安の脳科学的な仕組みにあります。

人が不安を覚えるとき、脳からノルアドレナリンという物質が分泌されています。これは「逃げるか戦うか」の選択を迫られたときに出るもの。原始人で言えば、肉食動物に出会い、走って逃げるべきか打ち負かすべきか決めなくてはならない――そんなピンチの際、瞬時にエネルギーを高めて動けるようにするための機能です。また、ノルアドレナリンとともにアドレナリンも分泌され、心拍数と血圧が上がり、「早く行動したい」と感じる状態が生まれるそう。

すなわち、不安をもたらすノルアドレナリンは本来、動き出すためのエネルギー物質。だからこそ、動くことで少しずつ不安が減っていくのだそう。

行動の内容は、いま落ち込んでいることとは直接関係なくてもかまいません。樺沢氏いわく、全力で何かに取り組むことが不安解消のカギになるとのこと。「外に出て100メートル全力疾走する」という例を樺沢氏は挙げていますが、近所の公園を散歩してみるなど、とにかくじっとしていないで動くことがポイント。

もちろん、すぐに悩みや嫌なことが解決するわけではありません。ですが、結果的に何にも挑戦できなくなる前に、まずは気分を切り替えるために一歩動き出すところから始めてみましょう。

「落ち込みすぎて意欲ゼロ」のときにやってはいけない3個のこと02

2. 自分の気持ちを無視する

落ち込むような出来事があってつらいときは、自分の気持ちを無視したくなるかもしれません。しかし、悔しい、悲しい、落胆などのネガティブな感情が「ないフリ」をすると、状況をむしろ悪化させてしまう可能性があります。

認可カウンセラーのハイジ・リゴウリ氏いわく、たとえ無視したくなるようなネガティブな気持ちでも「感じる」ことが大切。「つらいなんて思ってはならない」と考えるのではなく、自分自身に「どうしたの?」と問いかけてみるといいのだとか。長い目で見ると、そちらのほうが今後の幸福度に良い影響を与えると言います。

また、心理療法士のキャスリーン・ダーレン・デボス氏は「嫌な気分でいることは悪いことではない」と語ります。いま感じていることを「よいか悪いか」で判定せずにありのままに見つめる人のほうが、じつはつらいことを乗り越えやすいのだそう。

ありのままの感情を見つめることができるようになったら、次は「どういう感情で過ごしたいか」を自ら選択していく習慣をつけるのがおすすめ。リゴウリ氏によれば、何か落ち込みそうな出来事があったときは「これからどのような気分で過ごしたい? どうすれば気分がよくなる? 昼寝する? 友人に話を聞いてもらう?」と問いかけ、次の行動を決めるといいのだとか。

自分の気持ちをコントロールできるようになれば、落ち込みすぎて意欲ゼロになることはなくなるはずです。シンプルな方法ですが、試してみる価値はありそうですね。

「落ち込みすぎて意欲ゼロ」のときにやってはいけない3個のこと03

3. 自分を責めるばかりで学びに変えない

仕事で失敗をしたとき、時間をかけて「反省」する人は多いと思います。ですが、反省と称して自分を責めすぎるのは考えもの。12万部を超えるベストセラーシリーズ『プロフェッショナルサラリーマン』の著者である俣野成敏氏は、反省とは自分を責める行為であるためおすすめできない、と懐疑的です。

いくら反省とはいえ嫌なことを考え続けては、落ち込む一方。それよりも、失敗してしまった自分を受け入れ、次に失敗しないためにはどうすればいいのか考えることが大切だと言います。これは、嫌なことを思い返すのをやめるための「切り替え作業」でもあるのです。

俣野氏は、失敗を学びの機会ととらえて教訓を得るために、以下の3ステップで考えることをすすめています。

  1. 失敗を認めて受け入れ、気持ちを切り替える
  2. 「どうすれば同じ失敗をしないか」考え、教訓を得る
  3. その教訓を取り入れて行動する

プレゼンに失敗した場合であれば、

プレゼンを失敗してしまった。準備不足で、上司からの質問に答えることができなかった(失敗を認める)。でも次は失敗したくない(切り替える)。今後は、余裕をもって準備をして事前に想定質問を洗い出し、どう突っ込まれても大丈夫なように万全で挑もう(教訓)。

という具合でしょうか。

また、教訓は紙に書き出すといいのだそう。ポイントは、失敗を「忘れるために」紙に書くという感覚をもつこと。教訓を頭のなかだけで覚えておこうとすると、嫌な記憶まで一緒に覚えてしまうためです。大切な教訓は、メモを見返せば忘れてしまうことはありません。

「嫌なことは忘れていい」と自分に言い聞かせながら、教訓だけはしっかりと書き残す。こうすれば、落ち込みすぎても意欲ゼロになることなく、立ち直れるはずです。

***
仕事にストレスはつきものであり、落ち込まない人などいません。しかし、嫌なことをいつまでも引きずって意欲を低下させてしまってはもったいないもの。自分の気持ちを受け止め、上手に対処することで、落ち込みから回復し、今後の成長にもつなげていきましょう。

(参考)
ダイヤモンド・オンライン|不安を感じるとき、脳の中で何が起こっているのか
Huffpost|9 Things Therapists Do When They Want To Feel Happier
プレジデントオンライン|茂木健一郎「バカな脳がピンとくる脳に変わる」科学【3】
リクナビNEXTジャーナル|デキる人は「失敗し落ち込む自分」からどう回復しているのか?

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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