「ビジネス書が好き」なのに「仕事はデキない」人がやっている、5つの残念な読み方

「ビジネス書好き」なのに「仕事がデキない」人の残念な読み方01

ビジネス書をたくさん読んでいるのに、仕事に活きてこない……
本を読んだ直後はモチベーションが上がるけれど、時間が経つと結局いつも通り……。

ビジネス書が好きで、多くの本を読んでいるみなさんほど、こんな悩みを抱える瞬間があるのではないでしょうか。もしかしたら原因は、読み方にあるかもしれません。今回は、ビジネス書を読むときのよくない習慣と、その改善方法を見ていきましょう。

よくない習慣1:スラスラと本を読んでいる

本が好きな人のなかには、文字をスラスラ読めてすぐに1冊読みきれる方も多いと思います。しかし、じつはスラスラ読める人ほど、脳科学的にはよくない読み方をしている可能性があるのです。

脳科学者の加藤俊徳氏によると、人間は本を読むとき左脳で文字を追い、右脳で文字を映像化します。このうち、読書時の理解力や記憶力アップに重要なのは、右脳の働きのほう。ところが、読書慣れしている人ほど左脳だけで本を読み進めてしまい、右脳を使わないため、本の内容が記憶に残らないことが多いそうなのです。

せっかく本を読んでも内容を覚えていなければ、その知識が仕事で必要になったときにまた同じ本を読み直さなければなりません。これでは時間を無駄に消費してしまいますよね。

右脳を刺激する読書法として加藤氏が提案するのは、ゆっくり読むこと。これで偏りなく脳を使えるそうです。本をスラスラ読める人でも、ときには意識的にゆっくり読んでみてはいかがでしょうか。本で読んだ知識をしっかり記憶して、いつでも引き出せるようにしておけば、企画書をスムーズに作成したり、アイデアを発想したりするのに役立つはずですよ。

「ビジネス書好き」なのに「仕事がデキない」人の残念な読み方02

よくない習慣2:アウトプットに時間を割いていない

本の内容を仕事に活かせない人は、アウトプットに割く時間が足りていないのかもしれません。「読んだら読みっぱなし」になりがちな人は、要注意です。

精神科医の樺沢紫苑氏は、人間はいくら「本を読む」というインプットを重ねても、「話す」「書く」といったアウトプットをしなければ、読んだ内容を記憶に定着させられないと言います。具体的にはインプット:アウトプット=3:7の時間配分が最もよいのだそう。もし月10冊の本を読んでいるとしたら、読むのを3冊にして、今まで7冊読むのにかけていた時間をアウトプットにまわす、というだけでも効果が見込めます。

効果的なアウトプットの方法として、樺沢氏は、読んだ本の内容を第三者に話すことをすすめています。その際に「自分の意見」や「自分の気づき」をひとつでも盛り込むことがポイントだとか。

たとえば、上司や同僚との話のなかで、自分の気づきを交えながら最近読んだ本の話をするといったことなら、気軽に実行できそうですよね。本の内容を記憶に定着させられるだけでなく、コミュニケーションスキルのアップにもつなげられて、一石二鳥かもしれません。「3:7」を意識して、読書後のアウトプットを増やしていきましょう!

「ビジネス書好き」なのに「仕事がデキない」人の残念な読み方03

よくない習慣3:自分の専門分野の本ばかり読んでいる

専門的な知識を深めたいがために同じジャンルの本ばかり読んでしまうのも、よくない習慣です。経営コンサルタントのムーギー・キム氏は、偏った読書は視野を狭めさせてしまう危険があると言います。

たとえば、自分がしている仕事の本しか読まなければ、その分野しか知らない人になってしまいます。そうなれば当然、視野は広がらず、思考も偏るもの。他人の意見をなかなか聞き入れられなくなり、成長が止まってしまうかもしれません。

キム氏は、自分の価値観や意見とは相いれない情報源で視野を広げることも大切だと言います。一流の人ほど、多様なジャンルの本を読んでいるものなのだそう。実際、読書家で知られるマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が、自身のブログで挙げた「2020年夏に読むべき本のリスト」を見ると、ビジネス書から、映画原作のSF小説や瞑想の本、パンデミックに関するドキュメンタリーまで、多種多様なラインナップになっています。

ビジネス書が好きな人ほど、小説や詩集など、違ったジャンルの本に手を出すことも意識してみましょう。視野が広がるだけでなく、さまざまな意見を取り入れる柔軟性も身につくのではないでしょうか。

「ビジネス書好き」なのに「仕事がデキない」人の残念な読み方04

よくない習慣4:ビジネス書をきれいなまま読んでいる

「本はきれいなまま読みたい」と考える読書家の方もいることでしょう。しかしその読み方では、もしかしたら十分に脳を働かせられていないかもしれません。

前出の樺沢氏によると、「読む」「考える」「書く」といった行動は、それぞれ脳内で別々の領域を刺激するのだとか。本に書き込みをしながら読むと、「考える」ことと「書く」ことによりふたつの領域を同時に刺激できるため、脳がより活性化した状態で読書ができるそうなのです。

それに、本への書き込みは考えを深めるのにも役立ちます。実際、ビル・ゲイツ氏も、ページの余白に自分の考えを書き込み、本の内容について熟考しているそう。ただ本で字面を追っているだけでは、知識は増やせても自分の意見までは形成できない恐れがあります。そんな読書を続けていても、会議での提案やアイデアの発想に活きてくるはずがありませんよね。

もし、本に文字を書き込むことに抵抗がある場合には、まずは線を引くことから始めてはどうでしょう。KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授の三谷宏治氏は、次のようにすすめています。

  • 1ページあたり1、2ヶ所くらいに線を引く
  • 大事そうな「数字」「キーワード」「事例」など、特に気になるところには丸をつける
  • 鉛筆・ボールペン・万年筆、黒・赤・青、どれでもOK

こうすることで、あとで読み返すべき重要部分がわかりやすくなりますよ。

「きれいなまま読む」というこだわりをときには捨て、書き込みをしながら自分の意見を増やす読書を実行してみませんか?

「ビジネス書好き」なのに「仕事がデキない」人の残念な読み方05

よくない習慣5:ビジネス書に「処方箋」を求めている

「本で読んだ知識を仕事で試そうとしてもうまくいかない」というあなた。もしかしたら、本に書かれている方法をそのまま使おうとしているのではないでしょうか。

立教大学教授の香山リカ氏は、ビジネス書に書かれている「読者は具体的にどうしたらいいのか」という「処方箋」に頼ってばかりでは、自分で考えることを放棄することになると言います。自分で考えずして成功できないのは、言ってみれば当然のこと。

たとえば、新しい企画を立ち上げるとき、「とある本に書かれていた方法」ばかりを頼りにしても、うまくいくとは限りませんよね。メンバーの能力もクライアントの好みもターゲットも違う固有の状況に本の内容を当てはめようとしては、企画の本質を見落としてしまう危険があります。

では、「処方箋」を求めないのであれば、なんのためにビジネス書を読めばいいのでしょうか? 株式会社AND CREATE代表取締役で人材育成コンサルタントの清水久三子氏は、ビジネス書から以下のふたつを知ることが大切だと言います。

  • 共通見解=いつの時代の誰に聞いても、意見が一致する考え方
  • 相違見解=意見が分かれる考え方

これらがわかれば「本当に大事なことは何か」という本質が見えてくるそう。そのためには、多くの見解に触れる=多読する必要があるとのこと。どんな仕事にも柔軟に対応できる力を身につけるには、1冊の名著だけではなく多くの本に触れることが大切なのかもしれません。

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今回紹介した方法を一度にすべて実行するのは難しいと思いますが、ぜひ自分に合っていると思うものだけでも、実践してみてください。

(参考)
AERA dot.|せっかくの読書がムダに!? 「残念な読書」になっている3つのケース
樺沢紫苑 (2018), 『学びを結果に変えるアウトプット大全』, サンクチュアリ出版.
ダイヤモンド・オンライン|学びを結果に変えるための「アウトプット」ノウハウ
東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点
Gates Notes|5 summer books and other things to do at home
プレジデントオンライン|ビジネス書好きなのに仕事が非効率な人に欠けている本の読み方
YouTube|How Bill Gates reads books
ダイヤモンド・オンライン|本に書かれた「処方箋」に頼ることで自分の知らない世界を理解する力が身につけられるか
東洋経済オンライン|ビジネス書の「残念すぎる読み方」3パターン

【ライタープロフィール】
月島修平
早稲田大学文化構想学部卒。大学時代は映画や演劇をはじめとした表現の研究を行った。好きなものは路地裏、螺旋階段、筋肉少女帯、BiSH、丸尾末広、鴨居玲、フェリーニ。

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