本を「3倍」速く読む方法。「心のなかで音読してしまうクセ」どうすればなくせるか

速読のための2つの方法01

「本を読む時間をなかなか確保できない……」
「1冊の本を読むのに時間がかかってしまう……」
そんな悩みを抱える人にとって、「速読」は憧れでしょう。日本人の平均読書スピードは、1分あたり500~700文字。それを凌駕するスピードで本を読めるようになったら、学びの効率が高まりそうですよね。

そこで、今回のテーマは「速読」。しかし、じつはひとくちに速読と言っても、大きく2種類に分けることができます。ひとつは、自分の知識で補いながら飛ばし読みして内容を把握していく手法。もうひとつは、文字を読み飛ばさず高速で処理していく手法。それぞれについて詳しく説明していきましょう。

“もっている知識” をベースに飛ばし読みをしよう

 日米でベストセラーになった『フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』という本をご存じでしょうか。この350ページもの本を、『年収が10倍になる速読トレーニング』等の著書をもつ認知科学者の苫米地英人氏は、わずか5分ほどで読んでしまったそうです。というのも、フリーにまつわる知識をすでにもっていたから。

ここまで極端ではなくても、みなさんにも似たような経験はあるのではないでしょうか。「得意ジャンルの本だと速く読める」「背景知識がある分野の本だとスムーズに読書できる」など。

これは、すでにもち合わせている知識が、いわばパズルのピースを埋める役割を果たしているから。一語一語を精緻に追わなくても、見出しや太字などの断片的な情報から、内容をある程度推測しつつ読めているのです。つまり、私たちがもともともっている知識が速読を可能にしてくれていると言えます。

しかし裏を返せば、知識を十分にもち合わせていない分野に関する本だと、この方法は使えません。たとえば、まったく知らない分野についてゼロから学びたいといった場合は不適当ですね。とはいえ、ある程度の知識をもち合わせている分野について、知識の枝をもっと広げていきたい場合は、この方法で読書の効率を上げていくことができるでしょう。

速読のための2つの方法02

これに関連して、メンタリストDaiGo氏は「スキミング」という手法を提案しています。スキミングは、欲しい知識を手に入れることに特化した本の読み方。本を読む前に「この本から得たい知識や情報」を明確にしたうえで、表紙や目次、本文全体に目を通していくのです。

この方法のメリットは、「読み飛ばしてもいい(あるいは、さらっと読んでもいい)部分」(=すでに知っている内容が書かれた箇所 / 熟読する必要がない箇所)と「熟読するべき部分」(=新しく手に入れたい知識や情報が書かれた箇所)で、読み方にメリハリをつけられるという点。DaiGo氏はこう述べています。

基礎知識を十分に身に付けていると、本の中の「読むべき場所」を判断できるようになり、そこに書いてある内容を予測できるようになります。結果、本を速く読むことができるわけです。

(引用元:東洋経済オンライン|「速読しないで多読する人」の超合理的なやり方

知識がすでにあることが前提となってしまいますが、既知の分野の学習を深めるうえでは効率的な読書法と言えそうです。

速読のための2つの方法03

“無意識の音声化” をなくして高速処理しよう

NBS日本速読教育連盟理事長であり、『即効! 成果が上がる 速読の技術』等の著書をもつ佐々木豊文氏によれば、多くの人は「文字を見る→音声化する→理解する」という流れで本の内容を理解しているのだそう。つまり、目で読んだ文字を心のなかで声に出しているということ。心当たりのある方が大部分でしょう。

ところが、読むスピードが特別に速い人は、音声化せずに「文字を見る→理解する」というフローになっているとのこと。脳科学的に言えば、ブローカ野(言語を発する機能を担う)やウェルニッケ野(聞いた言語を理解する機能を担う)の活動が減るそうです。心のなかで音読しないので、読むスピードが格段に速くなります。

また、目の動きにも特徴が。(縦書きの場合)普通の人は上から下へ文字を追っているのに対し、読むスピードが速い人は上下方向の動きがほとんどなく右から左へ動いていくのだそう。読書する際の有効視野は一般的に4~5文字と言われていますが、速読できる人は1行ごとにとらえていっているのです。

『速読日本一が教える すごい読書術――短時間で記憶に残る最強メソッド』の著者である角田和将氏は、これらの感覚をつかむための教材として新聞を推奨しています。新聞は1行あたり11~13文字くらいになっているため、文字ひとつひとつを目で追わずに「1行ごとに見て理解する」という癖づけをしやすいとのこと。

加えて、前出の佐々木氏によれば「メトロノーム」を使うのも有効とのこと。ない場合でも、一定間隔でテンポを刻んでくれるスマートフォンアプリ等で代用可能です。たとえば、1分間に打つ音のテンポを60に設定すると、1秒間に1回音が鳴りますよね。1行ずつ、その音に合わせて読んでいくのです。

冒頭でお伝えしたとおり、日本人の平均読書スピードは1分あたり500~700文字です。仮に本の1行あたりの文字数を35文字とすると、60行で2,100文字。つまり、1秒で1行読むことができたら、日本人の平均のおよそ3倍速で読めていると考えられますね。十分な知識がなく飛ばし読みが難しい本は、ぜひこの方法を試してみては?

***

  • すでにもっている知識をベースにさくさくと。
  • 心のなかで音声化せず1行をひとめで読み取る。

これらの作戦で、読書スピードは大きく変わってくることでしょう。忙しいなかで効率よく本を読むためにも、ぜひ挑戦してみてください。

(参考)
苫米地英人(2013),『年収が10倍になる速読トレーニング』, コグニティブリサーチラボ株式会社.
東洋経済オンライン|「速読しないで多読する人」の超合理的なやり方
佐々木豊文(2018),『即効! 成果が上がる 速読の技術』, 明日香出版社.
国立研究開発法人 情報通信研究機構|速読の脳活動
ダイヤモンド・オンライン|読書において、なぜ「音読の癖を捨てる」必要があるのか?

【ライタープロフィール】
SHOICHI
大学院修了後、一般企業に就職。現在は会社を辞め、執筆活動をしている。読書、音楽、YouTubeが好き。

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