「一流」になるための3つの条件――“エビデンスを重視する人”が二流どまりなワケ

里岡美津奈さんインタビュー「一流になるための3つの条件」01

「あの人はやっぱり一流だ」といったように、普段なにげなく使っている「一流」という言葉。でも、そもそも一流とはどんな人間を指し、どうすれば一流に少しでも近づけるのでしょうか。お話を聞いたのは、ANAの元CAである里岡美津奈(さとおか・みつな)さん。里岡さんは、ANA時代に15年間にわたってVIP特別機を担当し、各国国家元首などそれこそ一流と呼ばれる人に数多く接してきた元トップCAです。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

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「この人みたいにはなれないな」と思わせる存在

ひとことで「一流」と言っても、その解釈は人それぞれでしょう。私のなかでも、一流に対していくつもの解釈があります。たとえば、「高い能力があって、かつ努力もできる人」もそのひとつ。世の中には、天才と呼ばれるような高い能力をもって生まれた人がいます。でも、そんな天才であっても、やはり努力ができなければ二流に留まってしまうのではないでしょうか。

さまざまな解釈があるなか、私は、「本物」だとか「唯一無二」と言われるような人が一流なのだと思います。直接的に面識があるかどうかは別として、みなさんそれぞれに、「自分ではその域には達することができないだろう」とか「この人に代わる存在はないな」と思うような特別な人がいるはずです。

そういう人たちは、「この人みたいになりたいな」と思わせる以上の存在です。まわりに「この人みたいになりたいな」と思わせる人は、一流ではなくすごくいい「ロールモデル」といったところでしょう。一流は、「この人みたいになりたいな」を超えて、むしろ「この人みたいにはなれないな」と思わせるくらいの存在なのです。

でも、そういった人の存在はとても大切。私も含めて一般の人間にとっては、「この人みたいにはなれないな」と思いながらも、その人のなにかしらの息吹を浴びることで、たとえ一流にはなれなくとも周囲のロールモデルになりうる人間には近づけるかもしれないからです。もしも直接面識があり、一緒に仕事をしている人のなかにそんな一流の人がいるなら、こんなにラッキーなことはありません。

里岡美津奈さんインタビュー「一流になるための3つの条件」03

仕事における一流は、「できる人であり、できた人」

では、ビジネスにおいて「この人みたいにはなれないな」と思わせる人とは、どんな人でしょうか? 私は、できる人であり、できた人なのだと考えています。

「できる人」とは、仕事ができる人のこと。「できた人」とは、人間性がいい人のことです。どちらかだけというのは、やはり一流とは呼べません。「あの人、仕事はできるんだけど人間的にちょっとね……」とか「人はいいんだけど仕事はいまいち……」と言われる人は、「この人みたいにはなれないな」とは思われないですよね。

そして、「できる人であり、できた人」になるためには次の3つのポイントがあるというのが私の考えです。

「できる人であり、できた人」になるための3つのポイント

  1. あらゆることに依存しない
  2. バランス感覚を高める
  3. 勘を磨く

まず大切になるのが、人やものなどあらゆることに依存しないこと。ひとつのスキルに秀でていることはもちろんすばらしいのですが、それだけに頼るのはやはり危険をともないます。ひとつの太いクライアントの仕事に収入の大半を頼るようなケースにも同じことが言えるでしょう。

依存しない対象には、地位も含まれます。一流と言われる人は、高いポジションにあることが多いものです。でも、自分にとって必要だと思えば、そのポジションをあっさり手放すということもあります。そうして、地位に依存しないことが、自分自身をさらに高いステージに押し上げてくれるのです。

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3つのポイントを意識しながら、一流の人に接する

「できる人であり、できた人」になるための2つめのポイントがバランス感覚を高めること。「できる人」になるという面で言えば、仕事で成果を挙げるには、その仕事に関わるあらゆる分野のことをバランスよく理解しておく必要があります。また、人間性がいい「できた人」というのは、周囲の人たちそれぞれの思いや置かれている状況を汲み取ることができる、それこそバランサーと呼ばれるような人であるはずです。

そして、最後に大切にしてほしいのが、勘を磨くこと。私たち人間も動物ですから、本来なら野性的勘と呼ばれるものを備えていたはずです。でも、ほかの動物とまったく異なり、さまざまな知識や情報に頼って暮らすなかで、勘はどんどん鈍っていったのではないでしょうか。

ところが、なかにはとにかく勘がいい人がいます。みなさんの周囲にも、時代の流れのようなものを敏感に察知する、「嗅覚がいいな」と思わせる人がいるのではないでしょうか。しかも、そういう人は、なんらかのデータがあるといったエビデンスをそれほど気にしません。自分の勘を信じて、なおかつ成果につなげられるのです。しかも、その人が察知した「時代の流れ」のようなものには大半の人が気づいていないのですから、突出した成果を挙げるということにもなるでしょう。

先にお伝えしたように、周囲に「この人みたいにはなれないな」と思わせられる人がいることはとてもラッキーです。もしそういう状況であるなら、「あらゆることに依存しない」「バランス感覚を高める」「勘を磨く」ことを意識しながら、その人の立ち居振る舞いを観察してみてください。なにも意識することなくただその人と接するのと比べれば、あなたの成長曲線は大きく上向くのではないでしょうか。

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【プロフィール】
里岡美津奈(さとおか・みつな)
1965年2月12日生まれ、愛知県出身。24年間にわたり国内線、国際線のチーフパーサーとしてANAに勤務。そのうち15年間は、現在の天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下、当時の英国首相マーガレット・サッチャーをはじめとする各国国家元首のVIP特別機の担当として活躍。2010年にANAを退職後、それまでの経験を生かし、企業や医療法人における人材育成コンサルタントとして「コミュニケーションの素晴らしい世界」を提案。また、個人のクライアント向けに、「パーソナルクオリティーコンサルタント」として、個人の持つ能力、魅力をさまざまな分野において遺憾なく発揮するための指導も行っている。『幸せをつかむ女と逃す女の習慣』(明日香出版社)、『いつもご機嫌な女でいるためのちょっとしたコツ』(主婦と生活社)、『3%の女性しか知らない 幸せな女の働き方』(大和書房)、『伝説のCAの心に響いた 超一流のさりげないひと言』(青春出版社)、『ファーストクラスのすごい成功習慣』(PHP研究所)、『ビジネスで使える 超一流 おもてなしの心・技・体』(朝日新聞出版)、『いつもうまくいく人の感情の整理術』(三笠書房)、『伝説のトップCAが明かす 一流になれる人、なれない人の見分け方』(PHP研究所)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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