マッキンゼーのエリートをエリートたらしめる、たったひとつのシンプルな習慣。

大嶋祥誉さんインタビュー「マッキンゼーのエリートたちの特徴」01

有名な外資系企業に勤める、いわゆるビジネスエリートの人たちは、どんな特徴をもっているでしょうか。一般の人からすると、「激務をこなしながらも折れない強さがある」「徹底的に無駄を省く」「クオリティーとスピードを両立できる」といった、これぞまさにというエリート像があるかもしれません。

マッキンゼー・アンド・カンパニー勤務を経ていまはエグゼクティブコーチとして活躍する大嶋祥誉(おおしま・さちよ)さんが、実際のところを明かしてくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

徹底的に探求する「オタク力」に長けている

以前に私が勤めていたマッキンゼーの社員たちは、とても個性的で多様性に富んでいたと思いますので、その特徴をひとことで語れるものではありません。ただ、多くの社員に共通して「『オタク力』に長けている」という特徴があったように思います。

私が言うオタク力とは、徹底的に探求していく力のこと。たとえば、普通の人であれば「まあ、これくらいでいいか」と思うところでも、「本当にこれでいいのか」「なにが本質的な問題か」などと、事実(ファクト)で証明できるまで、自分で納得がいくまで食らいついて、データをかき集めて分析するといった地味な作業もいとわずに探求し続ける力です。

私は、仕事とは「思考による自分との格闘」でもあると考えています。「まあ、これくらいでいいか」と途中で投げ出してしまった思考から生まれるアウトプットと、強い探究心をもって何度も何度も重ねた思考から生まれるアウトプットでは、後者のほうがよいものになる可能性は高まると思います。だからこそ、いい仕事をするために欠かせないもののひとつがオタク力なのです。

ただ、この力は一朝一夕で身につくものでもないと思います。当時、マッキンゼーの社員たちは、中学生や高校生の頃から自分の関心のあることを徹底的に探求する経験や、遊びたい気持ちを抑えて勉強をする経験を積み重ねてきた人が多いと感じていました。その結果、オタク力が素地として培われたと思います。

みなさん自身に、オタク力はありますか? なかなか結論が出ない会議の場で、「もう、上司の案でいいや」なんて思っていないでしょうか。心から納得しているならともかく、そうでないのならやはり納得いくまで1歩でも2歩でも思考を重ねていくべきです。「1歩、2歩」というとちょっとした差に思えるかもしれませんが、結果には大きな差が生まれるのです。

大嶋祥誉さんインタビュー「マッキンゼーのエリートたちの特徴」02

自分で決めたルーティンをきっちり守る

また、マッキンゼーの社員に共通して見られたもうひとつの特徴に、「自分で決めたルーティンを守る」ということも挙げられます。

みなさんのなかにも、仕事で成果を挙げたり自身が成長したりするための長期的な目標を見据えて、「1日、1週間、1か月をこんなふうに過ごしたい」と考えている人もいるでしょう。しかし、忙しく仕事に追われるうちに思うようにいかなくなり、理想とはかけ離れたルーティンで毎日を過ごしているケースも少なくないかもしれません。

ところが、マッキンゼーの多くの社員は、自分で決めたルーティンを守ります。特に私の印象に残っている先輩社員のルーティンを少しだけ紹介しましょう。

その先輩は、学卒(大学の学部卒業者)でした。大学院を修了して入社した社員や社会経験があって転職した社員より、「自分は知識量で劣っている」と思ったそうです。そのため、金曜日には仕事の予定をいっさい入れずに、さまざまな本を読んだり経営学を学んだりと、自分の勉強にあてると決めていたのです。

しかも、その先輩は夜になると片頭痛がひどくなるということで、18時以降は仕事ができません。そのため、金曜日の勉強時間を確保するために、その他の平日には朝早くから出社して18時までしっかり仕事をこなすというルーティンをいっさい崩しませんでした。その結果、社内での評価が高まっただけでなく、いまでは独立して起業し、成功を収めています。

私も偉そうなことは言えません。時として「この仕事はそんなに急ぎでもないし、明日すればいいか」とついダラダラしたくなるときもありますが、その先輩を含め、マッキンゼーの多くの社員にはそういうことが少なかったと思います。

大嶋祥誉さんインタビュー「マッキンゼーのエリートたちの特徴」03

社内外でいいメンターを見つけて、模倣する

ここまで、「オタク力に長けている」「自分で決めたルーティンを守る」という、マッキンゼー社員の多くに共通している特徴についてお伝えしてきました。では、オタク力を身につけて自分で決めたルーティンをしっかり守れるようになるにはどうすればいいのでしょうか。

その答えとなると、いいメンターを見つけることに尽きるのだと思います。

私にとっては先に例に挙げた先輩もそんなひとりですが、いい指導をしてくれる上司や先輩の下にいれば、彼ら彼女らの仕事に対する姿勢を自然に模倣しようとするものです。先に「オタク力は一朝一夕で身につくものではない」と言いましたが、いいメンターの仕事に対する姿勢を模倣するうちに、それらが「習慣」となってしまえばこちらのものです。一朝一夕に身につかないオタク力だって、いずれは自分のものにすることができるでしょう。

もし、みなさんの所属部署に、メンターにしたいような上司や先輩がいないのなら、所属外の部署で探してもいいでしょう。社外で見つけることもできると思います。SNSを活用して自分のロールモデルになる人を探すこともできます。SNSならば、自分が憧れている人にも接触しやすいでしょう。自分のロールモデルを複数もつことも可能になります。

大嶋祥誉さんインタビュー「マッキンゼーのエリートたちの特徴」04

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【プロフィール】
大嶋祥誉(おおしま・さちよ)
エグゼクティブコーチ、作家、TM瞑想教師、センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。米国デューク大学MBA取得。シカゴ大学大学院修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ワトソンワイアットなどの外資系コンサルティング会社を経て独立。現在、経営者やビジネスリーダーを対象にエグゼクティブコーチング、ビジネススキル研修のほか、人材開発コンサルティングを行う。また、TM瞑想や生産性を上げる効果的な休息法なども指導。自分らしい働き方を探究するオンラインコミュニティ『ギフト』主催。『マッキンゼーで学んだ「段取り」の技法』(三笠書房)、『マッキンゼーで学んだ速い仕事術』(学研プラス)、『マッキンゼーで叩き込まれた超速フレームワーク』(三笠書房)、『マッキンゼーで学んだ感情コントロールの技術』(青春出版社)、など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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