「勉強を先延ばしにしない人」になるための3つの基本。やる気に頼らず勉強する方法とは?

勉強している男性

「勉強をしなくちゃいけないのはわかっている。でも、忙しくて……」
「毎日疲れているので、つい勉強を先延ばしにしてしまう」

やろうと思ってはいるものの、何かと理由をつけて勉強を後回しにしてしまう人は多いのではないのでしょうか。

そこで、今回は “先延ばしにしない” ための勉強術をご紹介します。勉強を習慣化させるために、本記事を参考にして勉強への取り組み方を改善しましょう。

目標設定を「低く」する

「忙しくて勉強を後回しにし続けている……」

そんな方も、もともとは「勉強して成果を挙げるぞ!」という意欲があったはずです。誰でも最初は意気込みが強いもの。意欲が高いと、実現するのが難しい目標を設定しがちですが、そうした高すぎる目標は先延ばしの原因になることがあります。

仕事の忙しさは変わらない。でも、どうにかして勉強に取り組みたい――そう思うのなら、まず目標を下げましょう

行動分析学が専門で明星大学心理学部教授の竹内康二氏は、「忙しいから、いまは勉強できない」という言い訳をしがちな人には、「なによりもやるべき勉強や仕事の1単位を小さく設定することが有効」だと語ります。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|専門家が解説「先延ばしせず勉強できる人」になるための強力な方法。大切なのは「○○の振り返り」

もし多忙にもかかわらず、「問題集を3冊こなす」や「1日2時間勉強する」などと高すぎる目標を設定してしまえば、「今日は忙しいからできない」と、いつまでも勉強を先延ばしにしつづけてしまいます。せっかく意欲があっても、これではもったいないですよね。

そんな状況を解消するには、目標設定を低くすることが必要。たとえば以下のようにして、高すぎる目標を低く設定し直してみましょう。

  • 毎日3時間勉強する ⇒ 1日20分だけ勉強する
  • 毎日1冊読書する ⇒ 1日3行だけ読む
  • 毎日2時間オーディオブックを聴く ⇒ 移動・休憩中の10分間だけオーディオブックを聴く

ポイントは、「こんなに簡単でいいのかな?」と感じる程度の目標にすること。

1日あたりの勉強時間を減らしたり、教材の難易度を下げたりするだけでなく、「できるときにやる」といった目標の立て方でも、勉強のハードルは低くできます。これなら、たとえ毎日勉強できなくても、できるときに1日分の内容をクリアすれば成功体験を積み重ねられますね。挫折することなく、勉強を続けられるでしょう。

目標を達成できずに自信をなくすよりも、低めに設定した目標を確実に達成して自信を深めるほうが、勉強を習慣化しやすくなるはずですよ。

着実に目標を達成しているビジネスパーソン

「ルーティン化」する

「帰宅後に勉強をしようと思ったのに、ついダラダラして時間が過ぎてしまった」

そんなことがよくある人は、勉強をルーティン化してみては? 洗顔や歯磨きのように、勉強もほぼ無意識で行なう毎日の習慣としてしまえば、時間を無駄にすることなく、即座に取り組めようになるはずです。

ルーティン化には、まず行動のキッカケをつくるのが大切です。

京都大学出身の『偏差値95の勉強法 頭のいい人が知っている「学びを自動化する技術」』著者で、教育系事業を手がける粂原圭太郎氏は、以下のように述べています。

科学的に習慣化との相関関係が高いのは、「if-thenプランニング」「何時になったらこれをやる」といった、簡単な約束事を決めることですね。

つまり、条件をつけてやること。(中略)「歯磨きをしたら〇〇」「お風呂に入ったら△△」と決めておくことです。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|勉強をルーティン化する簡単な方法 ※太字は編集部が施した)

やるべき行動取り組むタイミング(時間・場所・状況)を具体的に決めておけば、行動が仕組み化され、考えずとも行動を起こせるようになります。つまり、モチベーションややる気に左右されることなく、勉強できるのです。

たとえば、日常のなかに勉強習慣を取り入れたい場合。

It-Thenプランニングの具体例

このように、トリガーとなる行動やシチュエーションを細かく決めることが成功の秘訣です。その際、前述したような高すぎる目標設定はしないように注意してくださいね。

このif-thenプランニングという習慣化テクニックを使って勉強をルーティン化できれば、きっと先延ばし癖が解消できるはずですよ。

「とりあえず」行動する

「勉強しようとは思っても、やる気が出ない……」

と 、“やる気” を言い訳に先延ばしにしてしまう人は多いことでしょう。しかし、体調や仕事の忙しさによって、モチベーションは日々ジェットコースターのように変化します。やる気にばかり頼っていては、いつまで経っても行動に移せない可能性も。

東京大学薬学部教授で脳研究者の池谷裕二氏は、そもそも「『やる気』自体が存在しないもの」であり、「人間は、行動を起こすから『やる気』が出てくる生き物」なのだと語ります。(カギカッコ内引用元:新R25|「簡単にやる気を出す方法を教えてください!」→脳研究者「やる気なんて存在しない

私たちは「行動してみて、気分が乗ってきた状態」を「やる気が出ている」と後づけで考えているに過ぎません。ということは、“とりあえずやってみる” ことさえできれば、先延ばしにしないで行動でき、モチベーションも上げられるわけです。

『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』の著者で、メンタルコーチの大平信孝氏も、「仮決め・仮行動でとりあえずやってみる」ようすすめています。

すぐ行動できるようになるためには、「量」→「質」という順番を意識することが大切。第一に、「行動量」を増やすこと。その後に「行動の質」を上げることがポイントです。

(カギカッコ内および枠内引用元:東洋経済オンライン|意志の力は不要!「すぐやる人」になるコツ2つ

つまり、「まだ勉強計画を立てられていないし、今日はやめておこうかな」「いま勉強を始めても集中できないだろうし……」などと、勉強の質にこだわって先延ばしにするのはNG。まずは行動を起こし、勉強の量を増やすことから始めましょう。

ここでもやはり重要なのが、目標を下げること。大平氏も「最初の一歩のハードルを極限まで下げ」ることをすすめます(カギカッコ内引用元:同上)。いくら仮とはいえ、高すぎる目標設定をしてしまうと、勉強の習慣化はうまくいきません。

以下のように、少し目標が低すぎると感じる程度の仮行動をたくさんこなしましょう。

  • 本を開き、1行だけ読む
  • 単語帳を開き、英単語をひとつだけ覚える
  • 問題集の問題文だけ読む

ちょっとでも時間が空くたびに、本を1行だけ読んだり、英単語をひとつだけ覚えたり、問題を解かずに問題文だけ読んだり。そんな、小さな行動を何度もしてみてください。

行動さえ起こせば、おのずとやる気が出てくるもの。気持ちが乗れば、そのまま勉強を続けられるはずです。

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ポイントは、「やる気やモチベーションに頼らないこと」と「目標を小さくすること」です。勉強の先延ばしをしないために、ぜひ実践してみてくださいね。

【ライタープロフィール】
橋本麻理香

大学では経営学を専攻。13年間の演劇経験から非言語コミュニケーションの知見があり、仕事での信頼関係の構築に役立てている。思考法や勉強法への関心が高く、最近はシステム思考を取り入れ、多角的な視点で仕事や勉強における課題を根本から解決している。

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