人間はマルチタスクに向いてない。一点集中術「パーキングロット思考」で脳は本来の力を発揮できる

マルチタスクからシングルタスクに変える01

あまりに多くのタスクが降ってきて、全然手が回らない……。頑張ってこなそうと同時並行で進めてみるが、かえって混乱するばかり……。仕事でこのような状態になっている人もいることでしょう。

この「マルチタスク」、一見すると仕事が速く進みそうに感じますが……それはただの幻想。脳には相応の負荷がかかっているため、マルチタスク状態の仕事スタイルは今すぐ改めなければなりません

今回は、仕事の効率を格段にアップさせる「シングルタスク思考」への変換術を紹介します。

本来、人間はマルチタスクに向いていない

なんらかの物事をこなす際、ひとつに対して取り組むことを「シングルタスク」、複数を同時にこなすことを「マルチタスク」と呼びます。

現代は、デバイスや情報ツールが多様化したことなどもあり、仕事がマルチタスクに陥りがちであるということは多くの人が経験しているはず。パソコンで書類を作成しているときにメールが届いたため、そちらの対応に時間を割いてしまう……複数の案件を同時に抱えているため、ブラウザのタブを行ったり来たり……など。

しかし、精神科医で禅僧でもある川野泰周氏は、本来、人間はマルチタスクに向いていないと語ります。なぜならば、脳が一度に注意を向けられる総量には限りがあるから。これを心理学用語で「注意資源」と呼びます。つまり、あれもこれもと意識を分散させると、注意資源が枯渇するということ。結果、脳が疲弊してしまうのです。

そこで川野氏は、マルチタスクを「シングルタスクの集合体」としてとらえ直すことを推奨しています。

同時に少しずつ仕事を進めるのではなく、一つの仕事をある程度終わらせてから、次の仕事に手をつけましょう。 

そうすれば、結果的に脳の負担を減らしながら、仕事をいくつもこなすことができます。何度もシングルタスクに集中し直すことで、全体の生産性を上げていくのです。

 (引用元:THE21オンライン|「シングルタスク」に集中すれば、 脳にゆとりが生まれる ※太字は筆者が施した)

微々たる違いのように思えるかもしれませんが、「複数のタスクを少しずつ同時並行で進める」よりも、「終わったら次、終わったら次」と切り替えていくスタイルのほうが、脳にもいいのですね。

では、どうすれば、この「シングルタスク思考」へ上手に転換できるのでしょうか?

マルチタスクからシングルタスクに変える02

「パーキングロット思考」で、いったん “脇に置く” 習慣をつくろう

米コーネル大学の客員教授を務めるデボラ・ザック氏が手がけた『SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』(ダイヤモンド社)には、「パーキングロット思考」が紹介されています。

パーキングロットとは「駐車場」という意味。あるタスクをこなしているときに、余計な考えが頭に浮かんだり、別の要件に関するメールが来たりしてしまうこと、ありますよね。そんなとき、それらを脇(パーキングロット)にいったん置いて、目の前のタスクに集中できるようにするのです。

やり方は非常にシンプル。あらかじめメモ帳などを用意しておき、タスクと関係ない事柄が発生したら、逐一そこに書きとどめていくだけ。

たとえば、パソコンで資料作成中に別件のメールが届いたら、「要メール返信」などとメモ書きしたうえで、ふたたび資料作成に戻ります。くれぐれも、メールの返信内容を考えるなど “深入り” しすぎないように。資料作成が完了したタイミングで取りかかればいいのです。

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一点集中には「空白の時間」をつくるのも大事

 スケジュールを埋めすぎて焦りが生じているのも、マルチタスクに陥りがちな原因のひとつかもしれません。

ロングセラー手帳『「超」整理手帳』を考案したことでも知られる経済学者の野口悠紀雄氏は、「スケジュールに白い部分がなければ、重要な仕事はできない」と説きます。大きな成果をあげたいと考えているときこそ、スケジュールの中に空白の時間を組み込むのが大切なのです。

たしかに、過密なスケジュールの合間をぬった “継ぎはぎ時間” で重要な仕事に取り組むのは難しい話。それこそ一種のマルチタスク状態ですし、そういった合間の時間が来ると、私たちは往々にして些細なタスクに手を伸ばしてしまいます。それでは重要な仕事が後回しになりますよね。

スケジュールを立てる際、野口氏は、蛇腹式に折りたたんだ紙を利用して8週間分を一気に書き込むそうです。その期間中に達成しなければならない事柄のための時間をどう確保すべきかが、長期的な視点を持つことで明らかになるとのこと。その際は「(スケジュール帳を)いかに白くするか」を意識するそうです。

もちろん、「8週間だと長すぎる」という人は、もっと短いスパンでもいいのでしょうが、重要なのは「一点集中のためのまとまった時間をつくる」ということ。スケジュールの立て方を工夫するだけでも、マルチタスクの癖から脱することはできるのです。

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乱雑な部屋も、物を順番にひとつひとつ片付けていけば整理されます。「シングルタスク思考」に変えて、タスクをスムーズにこなしていきましょう。 

(参考)
THE21オンライン|「シングルタスク」に集中すれば、 脳にゆとりが生まれる
デボラ・ザック(2017),『SINGLE TASK 一点集中術 「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』, ダイヤモンド社.
リクナビNEXTジャーナル|生産性10倍に?!「シングルタスク」に切り替える方法
Sankei Biz|超デキる人になるために「スケジュールをあける」 時間の空白で何がデキるのか

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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