本当に仕事効率が上がる「ToDoリスト」のうまい使い方。タスクだけでなく○○も書くのがコツ

ToDoメモの最高にうまい使い方、残念な使い方01

「ToDoリストに書いたタスクが一向に減らない……」
「ToDoリストでタスクを管理しても、時間の節約にならない……」

こうしたお悩みを抱えている人は、ToDoリストをまだ十分に活用しきれていないのかもしれません。今回は、ToDoリストの「残念な使い方」と、仕事効率が上がる「最高にうまい使い方」について、識者がすすめる方法を3つずつご紹介します。

ぜひ、ご自分のToDoリストの使い方を見直して、最適な活用法へとアップデートさせましょう。

1. △「タスクを詰め込む」、◎「タスクを仕分ける」

「今日のタスクは、データ入力に、企画書作成、書類チェック……」とToDoリストをつくり、「よし!」と気合を入れたはずが、なかなか順調に進まない――こうなってしまうのは、ToDoリストにあれこれとタスクを詰め込みすぎることが原因。

社員研修事業などを手がける株式会社コンパス代表取締役の鈴木進介氏は、以下のことを指摘しています。

  • 「人間のモチベーションはTODOリストを書き出し、やるべきことが見える化されたときに」最も高まる。
  • そのため、「心が熱くなって冷静にやるべきことの見極めができなくなることには注意が必要」だ。

(カギカッコ内引用元:プレジデントオンライン|なぜ「やることリスト」が山積みになるのか…段取り下手にこそ勧めたい"すごいノート術"

やるべきことをリストにずらっと書き並べて「よし!」と思うだけでは、不十分だということ。無計画にさまざまなタスクへ手をつけても、中途半端になり、未消化の仕事がたまるだけで逆効果なのです。

そんな問題を解決するため、鈴木氏は、タスクを仕分けることをすすめています。具体的なやり方は、次のとおり。ノートに線を引いて欄を設けながら進めます。

(以下枠内のカギカッコは「プレジデントオンライン」より引用。ほか手順は同資料を参照してまとめた。例は筆者が作成)

  1. いつもと同じやり方でToDoリストをつくる:
    「頭の中にあるやるべきことを全てリストアップ」する

  2. ToDoリストのなかから、以下の3分類に当てはまるものを仕分けする:
    「先延ばし」……「必ずしも今優先的にやる必要はない」タスク
    「たたき台」……「必ずしも当日中に100%の精度が求められていない」タスク
    「お任せ」……「他人に任せられるか、もしくは他人の協力を得て行う」タスク

  3. 上の3つに当てはまらなかったタスクに、赤丸などで印をつける:
    ⇒印のついたタスクが、「『今』『自分が』『100%』やらなければいけないこと」

鈴木氏は、先延ばし・たたき台・お任せの欄を、いま集中すべきタスク以外を捨てる「ゴミ置き場」であると表現します。ゴミ置き場行きにならなかったタスクこそが、“いま、本当にやるべきこと”

たとえば、こんな具合になります。

ToDoメモの最高にうまい使い方、残念な使い方02

このように仕分ければ、ToDoリストの詰め込みすぎを防げます。本当に大事なタスクから順に、確実に片づけられるはずですよ。

ToDoメモの最高にうまい使い方、残念な使い方03

2. △「タスクだけを書く」、◎「期限と所要時間も書く」

あなたのToDoリストは、「タスク名だけ」が書かれたものになっていませんか?

マーケティングコンサルタントの理央周氏は、著書『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』のなかで、「『やるべきこと』しか書いていないToDoリストでは不十分」だと述べています。

理央氏が、ToDoリストにタスクと一緒に書くべきだと言うのが、「期限」と「所要時間」

なぜなら、やることを書いただけで締め切りがわからないと、その仕事を「どうしても後回しにしてしまう」から。加えて、時間を見積もっておかなければ「ダラダラなんとなく仕事をする」ことになり、効率が落ちるからです。こうした進め方では、締め切りに間に合わなくなった……なんてことになりかねません。

また、実業家でタスク管理ツール開発者の大橋悦夫氏も、所要時間までToDoリストに入れることをすすめるひとり。全タスクの所要時間を足し合わせれば「その日の作業を終えるのに必要な合計時間が割り出せ」ると語る大橋氏は、そのメリットについてこう述べています。

タスクを書き出して、所要時間を入れることで、その日の退社時刻が分かるようになりますから、終電間際になって「結局、今日も終わらなかった」ということを早い段階で防げるはずです。

(引用元:ITmedia エンタープライズ|朝のうちに「スタメンタスク」と「ベンチ入りタスク」を決めるのだ

たとえば、「資料作成(締め切り1/10・45分)」といったように、タスク名の横に、期限と所要時間を明記するようにしてみてください。

そして、所要時間の合計が15時間になったとしましょう。9時に仕事を開始したとしても、24時までかかることになります。24時まで仕事をするのは現実的ではないので、終業時刻までに完了できるよう、ToDoリストを見直す必要があるとわかりますね。締め切りの近いものから優先的に選ぶとよさそうでしょうか。

なお、理央氏いわく「毎日1時間ぐらいの予備時間をとって」おくと「突発的な仕事にも対応できる」とのこと(『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』より引用)。ゆとりをもたせておけば、タスクを終えるのに予想以上に時間がかかってもうまく調整できそうですね。

ToDoメモの最高にうまい使い方、残念な使い方04

3. △「タスクを消す快感を重視」、◎「あくまでも備忘録として使う」

タスクが完了したら、ToDoリストに横線を引いたり、チェックを入れたり。そうしてタスクを消すと、達成感や爽快感がありますよね。ですが、その感覚を味わいたいがために、簡単なタスクにばかり先に手をつけて、重めのタスクが処理しきれずに残ってしまう……ということはありませんか?

時間管理セミナーなどを提供する、株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役の平野友朗氏は、終わったタスクを消して快感を得るスタイルで仕事をする人について、こう問題点を指摘しています。

その快感を味わうため、「電話する」「メールを送る」など、着手しやすいものから対応する傾向があります。その結果「リサーチする」「施策を考える」「プランを練る」など、時間がかかるTODOや抽象的なTODOはなかなか処理されません。

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|私は仕事の「優先順位」はつけない。だってやるべきことは…アイ・コミュニケーション代表取締役 平野友朗氏の仕事論

このようなことを、平野氏は、ToDoリストの「致命的な弱み」であり「落とし穴」だと述べています。

では、ToDoリストを役立てるにはどうしたらよいのでしょうか。平野氏が推奨するのは、ToDoリストを備忘録」として使うこと。

スケジュール帳に記入するまでもない、数分で終わるような細かなタスクをToDoリストにメモしておき、手が空いたときにこなす――そんなスタイルがいいのだそう。

たとえば、重めのタスク(例:A市場のリサーチ、商品Bの販促施策検討……)をこなしつつ、手が空いたときにToDoリストを見て、細かなタスク(例:Cさんに電話、Dさんにメール、E社訪問時の交通費申請、会議室Fの予約……)を処理していくようなイメージだと、やりやすいのではないでしょうか。これなら、重めのタスクを後回しにすることにはなりませんね。こういう進め方であれば、もちろん、タスクを消して快感を覚えるのはアリでしょう。

時間のかかる仕事がToDoリストに残り続けてしまう……という人は、ぜひお試しください。

***
ToDoリストのうまい使い方を3通りご紹介しました。ご自身にとって、実践しやすそうなものはありましたか?

ToDoリストの使い方を少し工夫するだけで、仕事の効率が一気にアップするはずです。仕事がなかなか終わらなくて悩んでいる人は、ぜひ試してみてください。

(参考)
プレジデントオンライン|なぜ「やることリスト」が山積みになるのか…段取り下手にこそ勧めたい"すごいノート術"
リクナビNEXTジャーナル|私は仕事の「優先順位」はつけない。だってやるべきことは…アイ・コミュニケーション代表取締役 平野友朗氏の仕事論
理央周 (2016), 『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』, 日本実業出版社.
ITmedia エンタープライズ|朝のうちに「スタメンタスク」と「ベンチ入りタスク」を決めるのだ

【ライタープロフィール】
藤真 唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいてわかりやすく伝えることを得意とする。

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