あなたの成長が止まっているかもしれない3つのサイン

成長が停滞しているかもしれない3つのサイン01

みなさんは、自分が成長していると感じる機会は多いほうでしょうか、それとも少ないほうでしょうか。もし、成長をなかなか実感できずにいる方は、これから挙げる3つのことに該当していないか注意して見てみてください

1. 多数決を無条件に信用していませんか?

「大勢の人が言っているのだから正しいのだろう」
もし、日頃からそんなふうに考えている人は、気をつけたほうがよさそうです。多数決に絶対の信頼を置いているのならば、それはあなたの成長が停滞しつつあるサインかもしれません

作家の橘玲(たちばな・あきら)氏は、「大人数で議論すればするほど、無能の考えに引っ張られる割合が増える」と指摘します。これは、私たちが何らかの話し合いに参加する際、参加者がみな同程度の能力を持っていることを暗黙のうちに前提としてしまうがゆえに起こる現象。つまり、たとえ “あまりデキない人” の発言であったとしても、ただ「声が大きい」というだけで、そちらに引っ張られてしまう可能性が高いのです。そこに集団の力がさらに加われば、「大勢の人が言っているのだから正しいのだろう」と思ってしまうのも無理はありませんよね。

では、どうすれば多数派意見に流されないようになれるのでしょうか。精神科医の樺沢紫苑氏は、ある物事に対する複数の立場(たとえば「肯定」と「否定」など)からの意見を自分の中で用意しておく「ディベート思考を身につけるべきだと述べています。

そして、そのためには「自分の考えに合わない本」を読むのがいいとのこと。政治的な本のほか、たとえば「仕事の価値は速さだ」と思っている人が「仕事は遅くてもかまわない」ということを説いている本を読む、といった感じでもよいでしょう。

流されるのは、自分なりの意見を持ち合わせていないのも原因のひとつ。自分とは異なる意見がどんなロジックから生まれているのかも理解することで、多角的な視野で物事をとらえる癖が身につきます。そうすれば、安易に多数派意見に流される回数も減るのではないでしょうか。

成長が停滞しているかもしれない3つのサイン02

2. なんでもかんでも前倒ししていませんか?

優秀なビジネスパーソンは、仕事をとにかくどんどん前に進めているイメージがありますよね。でも、それをまねしてなんでもかんでも前倒ししていくのは危険かも。仕事の精度の問題もありますが、クリエイティビティの観点から見ても、本格的に動き出す前に少し立ち止まるのは大事なようです。

ペンシルベニア大学で組織心理学を教えるアダム・グラント教授によると、最も独創的な成果を出せるのは、仕事を前倒しする人でもなく、最後に慌ただしく終える人でもなく、その中間にあたる人物とのこと。つまり、仕事を手わたされてすぐに手をつけるのではなく、少し寝かせたほうがいいらしいのです(もちろん、スケジュールに間に合う範囲で!)。

こういった先延ばしは、生産性の観点では少々不利かもしれませんが、創造性に関しては非常に有益なこと。グラント教授が実施した研究によると、タスクを行なう前にマインスイーパーを5~10分するだけで、創造性が16%も向上したのだそう。ゲームをしながらも “無意識化で” タスクについて考えているため、それが創造性アップに寄与したと考えられます

スピード重視で前のめりに仕事をするのもいいですが……特にアイデア力が重視されるようなタスクの場合は、いったん手を止めて、寝かせる時間を取ったほうが賢明かもしれません。

成長が停滞しているかもしれない3つのサイン03

3. 去年の手帳と今年の手帳、変化はありますか?

手帳にスケジュールや日記を書く習慣のある人は、いま使っている手帳と、昨年使っていた手帳とを比べてみてください。なぜ? 経営コンサルタント・大前研一氏が、「成長のない人は、手帳の書き込みが去年と変わっていない」と指摘しているからです。

ウォルト・ディズニーや松下幸之助は、「現状維持は後退である」という言葉を残しています。時間の使い方、会った人々、足を運んだ場所――以前と大きな違いはあるでしょうか? 手帳の書き込みが変わっていないという現状維持は、すなわちあなた自身が後退している証拠かもしれませんよ

大前氏は、自分をいい方向に変えるには、まず「時間配分を変える」のが重要だと述べています。特に大前氏がすすめているのが「漠然と過ごす時間」を減らすこと。なぜならば、それは結局、あなた自身が無駄に浪費してしまっている時間だからです。

たとえば、付き合いでなんとなく参加した食事会はありませんでしたか。行く必要性は特段感じなかったのに参加した会合はありませんでしたか。そういったものに費やしていた時間を少しずつ減らし、意義のある時間を取り戻していきましょう。

そして、もうひとつ重要なのは「付き合う人を変える」こと。なぜならば、いつも同じような人や気の合う友人とばかり過ごしているだけでは、新しい発見や刺激を得るのは難しいからです。

大前氏がすすめるのが、あえて気が合わない人や社内でいつもぶつかる人とコミュニケーションをとること。自分とはまったく違った発想をする人と付き合うことによって、あなたの凝り固まった考え方に新しい視点が与えられるからです。

たとえば、あなたがバリバリの営業職の人であれば、普段なかなか関わる機会のない、社内の技術部門の人と交流をしてみるのはどうでしょう。営業と技術者、仕事の性質はまったく正反対ですが、もしかしたら技術者目線で営業をかけに行くといった新しいアプローチが得られるかもしれません。

いつもの快適な空気感を飛び出し、自分を成長させてくれそうな、まったく新しい人との約束を手帳に取りつけましょう。

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指摘した3つ、当てはまるものはありましたか?

成長を停滞させているかもしれない行動を取り除き、自分自身を成長のサイクルへと乗せていきましょう!

(参考)
海外投資の歩き方|「みんなで話し合う」と無能な者にひきずられる【橘玲の日々刻々】
Forbes|組織の活性化を妨げる「同調性」はどう乗り越える?
プレジデント・オンライン|だまされない人間になるための6つのコツ
Ted|独創的な人の驚くべき習慣
プレジデント・オンライン|大前流「自分を変革する」3つの方法

【ライタープロフィール】
渡部泰弘
大阪桐蔭高校出身。テンプル大学で経済学を専攻。外出時は常にPodcastとradikoを愛用するヘビーリスナー。

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