「些細なことでイライラする。自分はいつもストレスだらけだ……」と、お悩みではありませんか? もしかしたら、あなたは「人一倍ストレスを感じやすい人」なのかもしれません。ストレスを感じやすい人ほど、抱えるストレスの量は多くなるものです。
今回の記事では、そんなストレスだらけの人に欠けている3つのことについて解説します。ストレスでお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
【1】ストレスだらけの人には「ゆとり」が欠けている
産業カウンセラーの大美賀直子氏によると、ストレスを感じやすい人には「気長になれない」という特徴があるそうです。たとえばあなたは、仕事を誰よりも早く終わらせたいとスピード重視で頑張ったり、部下の仕事のペースが遅くてイライラしたりすることはありませんか? そのように時間にゆとりがもてないでいると、気持ちにもゆとりがなくなり、ストレスを感じがちになります。
大美賀氏いわく、気長になれない人はせっかちで競争心が強いとのこと。「負けたくない、勝たなくてはいけない」という焦りや不安があり、スピードや効率を思うように上げられないと、すぐにイライラしてしまうのです。
こうしたゆとりのなさを改善するために、仕事や日常生活のなかで次のことを実践し、スピードばかり追い求めないことを意識していきましょう。
ToDoリストを作成する
スピード重視で仕事をしがちな人に、心理カウンセラーの高見綾氏がすすめるのは、紙にやるべきことを書き出して優先順位をつけること。ToDoリストを客観的に見れば、早く終わらせるべき仕事とそうでない仕事を仕分けることができ、すべての仕事を急いで進めなくてもいいことに気づけるそうですよ。
周囲の人と時間ルールを共有する
ビジネス書作家でコラムニストの後田良輔氏によると、部下の仕事の遅さにイライラすることが多い場合は、「私たちの時間ルール」を部下と一緒に設定するといいそうです。特に、遅刻や納期破りが多い時間にルーズな部下とは、「私たちのこの仕事の納期は〇月〇日〇時まで」というような共通ルールを細かく決めることが有効。イライラの原因となる、時間に対する認識のずれをなくすことができます。
会話や食事中、相手とペースを合わせる
高見氏によると、日常生活で周りの人のペースに合わせることを心がけるのも有効だとのこと。相手の話を最後まで落ち着いて聞きながら会話をしたり、食事のペースや歩く速さを一緒にいる人と合わせたりするといいそうです。焦らないで行動することに少しずつ慣れていけるでしょう。
以上のことを実践して、時間のゆとり、気持ちのゆとりを持てるようになれば、イライラやストレスを感じることは少なくなるはずです。
【2】ストレスだらけの人には「素直さ」が欠けている
前出の大美賀氏によると、ストレスを感じやすい人には「自分の気持ちを正直に言わない」という特徴もあるそうです。たとえばあなたは、本当は忙しくてこれ以上の仕事をするのはつらいときでも、その気持ちを抑えてまで、頼まれた仕事をすべて引き受けてしまうことはありませんか?
心理カウンセラーの飯塚和美氏いわく、自己主張せずに感情を心にため込むことは、自分の気持ちを否定するのと同じこと。自分自身を傷つけているのと一緒だとまで言います。このようにして我慢をし続ければ、どんどんつらくなりストレスになるのは当然のことなのです。
そんな、自分の気持ちを素直に言えない癖を克服するために、「アサーティブ・コミュニケーション」を実践してみましょう。
産業カウンセラーの岩舩展子氏によると、アサーティブ・コミュニケーションとは、自分の気持ちを率直に表現しつつ、相手のことも大切にするコミュニケーションのこと。いくつかあるポイントのなかから、特に実践しやすいものを3つ紹介します。
- 相手が理解しやすいように具体的な言葉で伝える
- 「私」を主語にする
- ポジティブな表現をする
たとえば、たくさん仕事を抱えていて忙しいなか、さらに別の仕事を頼まれてしまった場合で考えてみます。よくないのは「あ、えっと……わかりました(本当は忙しいのに……)」と答え、素直な気持ちを伝えないこと。望ましいのは、こんな受け答えです。
「私にはいまやるべき仕事が3つあるので、すぐにお引き受けするのは厳しいです。3時間後でしたら、お引き受けできると思います」
「私」を主語にして、具体的に。そして「できない」というネガティブな表現ではなく「3時間後ならできる」というポジティブな表現を添えます。そして、相手に理解してもらえたら、「すみません」と謝るよりも、「ご理解いただきありがとうございます」と、ポジティブな言葉をさらにプラスしましょう。
言葉を選びながら自分の気持ちを素直に伝えることができるようになれば、我慢によるストレスはきっとたまらなくなるはずです。人の意見にばかり合わせ、ありのままの自分を抑え込むのはもうやめましょう。
【3】ストレスだらけの人には「自分への許し」が欠けている
山王病院心療内科部長の村上正人氏によると、ストレスを感じやすい人は「不完全なことを認められない」という特徴があるのだそう。仕事の資料は、どんなものでも常に細部まで完璧につくらないと気がすまない、というような完璧主義タイプの人は要注意です。
村上氏いわく、常に目標が高く、目標を達成できない自分を許せないというのが完璧主義者の傾向。さらに、自分はストレスに強いという思い込みもあり、完璧さを求めるあまりつい無理をしすぎてしまうのだと言います。
このような、不完全な自分のことを許せない完璧主義な人は、次の2つのことを実践してみてください。
「いい加減」力を鍛える
村上氏がすすめるのは、全力で頑張らない程度の「ちょうどいい加減」を見つけること。どんな資料も常に完璧に仕上げないと気がすまない人は、たとえ細部までつくり込むことができなくても、大事なポイントが伝わればいいと考えるようにしましょう。目標のレベルを適度に下げることが大切です。
「まっ、いいか!」と言う
また、精神科医の樺沢紫苑氏によると、物事を完璧にこなせないことで落ち込みそうになったときは「まっ、いいか!」と言うのが有効だとのこと。ミスをするなどして完璧にできなかった自分のことを悔やみ続けると、悪いイメージが頭から離れなくなり、またミスをしてしまう可能性が高まるそうです。「まっ、いいか!」と口に出せば、ネガティブな気分を忘れられて、気持ちが軽くなると言います。
このようにして不完全な自分を許せるようになれば、ストレスを軽減でき、きっとより生きやすくなるはずですよ。
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ストレスは、考え方や行動を変えることで軽減できます。ストレスが多くて毎日イライラしてしまうという方は、ぜひ、今回ご紹介したことを意識して過ごしてみてください。
(参考)
NIKKEI STYLE|日頃の行動パターンで分かる ストレスを感じやすい人、感じにくい人
ヤクルト|Stress magazine|なぜかストレスを感じやすい…その原因は性格だった!?
マイナビウーマン|せっかちな人に共通する特徴とは!? 治し方はあるの?
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マイベストプロ埼玉|我慢の癖はストレスがたまり悪影響、やる気もなくなってしまいます
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【ライタープロフィール】
YUKA
大学ではフランス語を専攻。高校では一年間オーストラリアへ留学。海外への一人旅も経験し、夢は海外移住。趣味は音楽鑑賞・グルメ巡り・旅行など。