【科学的根拠あり】チャートですぐわかる、あなたに最適な「夜の過ごし方」

チャートでわかる、あなたに最適な夜習慣01

「夜はダラダラとSNSばかり見て過ごしてしまう……」
「夜時間をもっと有意義に使いたいが、何をすればいいのかわからない……」
こんなふうに、夜の過ごし方について悩んでいませんか?

もし、自分に本当に合った習慣がわかったら、時間を有効に使えるのはもちろん、毎日の継続も期待できそうですよね。そこで、試しに以下のチャートをやってみてください。

チャートでわかる、あなたに最適な夜習慣02

たどり着いた先が、あなたに合った夜の過ごし方です! 詳しく見ていきましょう。

【1】暗記系の勉強をする

「夜は机に向かいたくて」「勉強する気はある」という人には、特に暗記系の勉強がおすすめです。脳科学者の池谷裕二氏は、就寝前の1時間を「記憶のゴールデンタイム」と呼び、夜の暗記学習を推奨しています。その理由は「睡眠」にあるようです。

独リューベック大学の研究者らが実施した研究で、記憶を定着させるには「覚えたあとにすぐ眠るのがよい」という事実が判明しています。

覚えたての記憶は、通常ならばすぐには定着せず、ひとまず海馬に留まります。その後、大脳新皮質という部位に移って初めて、長期記憶として定着されるのだそう。ところが、何かを覚えたあとに新しいことを次々に覚えると “記憶の妨害” が起こり、この記憶定着が妨げられるのだとか。

しかし、先述の研究で、睡眠後わずか数分で記憶が大脳新皮質へ移動することが判明。つまり、知識をインプットしてから睡眠をとると、長期記憶として定着しやすくなるのです。脳科学的に見ても、寝る前の暗記は効率がよいのですね。

ただし池谷氏は、寝る前の勉強の注意点として「睡眠時間を削らない」ことを挙げています。就寝前の短時間を勉強にあて、あとは充分な睡眠をとることを心がけましょう。

チャートでわかる、あなたに最適な夜習慣03

【2】よかったことをノートに3つ書き出す

「夜は机に向かいたいが」「勉強はちょっと……」という人は、その日にあったよかったことをノートに3つ書き出してみてください

米ペンシルバニア大学教授で心理学者のマーティン・セリグマン氏は、うつの改善に役立つ「スリー・グッド・シングス」というプログラムを提唱しました。これは、就寝前に、その日のよかったことや嬉しかったことを3つ書き出すというシンプルなもの。実際に被験者にやらせてみたところ、うつスコアが減少し幸福度が高まったという結果が得られたのだそう。

「スリー・グッド・シングス」には、よかったことや嬉しかったことに意識を向けさせ、認知をポジティブな方向に変えていく効果があります。さらに、文字として書き出すことで客観化されるため、心にしっかりと残すことができるのです。

書き出す内容は些細なものでかまいません。たとえば、「ベランダの植木鉢に花が咲いた!」「本を10ページ読み進められた」など。物事のネガティブな側面に目が向きがちな人には特におすすめですよ。

チャートでわかる、あなたに最適な夜習慣04

【3】ぼーっとする(※注意点あり!)

「夜はできれば机には向かいたくなくて」「寝つきに問題はない」という人は、思いきってぼーっとしましょう

ぼーっとすると聞くと、「それになんの意味があるの?」と疑問に思うかもしれませんね。じつは、あえてぼーっとすることで、脳を「ひらめきやすい状態」にさせることができるのです。

これは「デフォルト・モード・ネットワーク(=DMN)」が関係しています。DMNとは、何もしていないときに働く脳部位のこと。脳科学者の茂木健一郎氏は、ぼーっとするとこの部位が働き出し、記憶の整理が始まると述べます。それにより、記憶と記憶が結びつき、ずっと思い出せなかったことが不意に思い起こされたり、いいアイデアがひらめいたりしやすくなるのだとか。

このDMNを有効に活用するためにも、夜はぼーっとダラダラしながらリラックスするのが重要。とはいえ、スマートフォンでネットサーフィンやゲームするといったダラダラは、脳に負担をかけてしまうため効果はありません。お風呂にゆっくり浸かったり、お気に入りの音楽をかけたり、ホットドリンクを飲んだりしながら、意識的にぼーっとしてみましょう。

チャートでわかる、あなたに最適な夜習慣05

【4】マインドフルネス瞑想に取り組む

「夜はできれば机には向かいたくなくて」「寝つきに問題あり」という人は、マインドフルネス瞑想に取り組んでください

「いま、この瞬間」に意識を向けるマインドフルネス瞑想には、集中力アップのほか、感情を安定させる・自律神経を整える・睡眠の質を改善させるといった効果があります。しかし、瞑想と聞いて、「すぐに雑念が浮かんできそうで長く続けられないのでは……」「習慣化しづらいのでは……」と抵抗を持たれる人もいるかもしれません。

そこで、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代表理事の吉田昌生氏が提案する「1分間瞑想法」をご紹介しましょう。吉田氏によれば、たった1分でも、毎日継続して行なえば、通常の瞑想と同様の効果を実感できるとのこと。1分なのでハードルも低く、手軽に取り組めそうですよね。ポイントは以下です。

  • 鼻呼吸が基本。緊張を抜いて、ゆっくり息を吐くことを意識する
  • 呼吸の感覚に意識を向け、お腹が膨らんだり縮んだりするのを観察していく

「同じ時間に」「同じ場所で」というルールを設けると習慣化しやすいそうですよ。たとえば「夜寝る直前に」「寝室で」などと決めて、実践してみてはいかがでしょうか。

***
夜は1日を締めくくる大事な時間。気分よく明日につなげるためにも、ぜひ自分にぴったりの夜の過ごし方を試してみてくださいね。

(参考)
プレジデント・オンライン|「寝る前1時間」は勉強のゴールデンアワー
AFP BB NEWS|記憶定着には「すぐ睡眠」が効果的、独研究
プレジデント・オンライン|悲観症克服:就寝前の「3つのよいこと」メモ習慣
プレジデント・オンライン|毎日心地よく暮らす人の脳は危険な状態にある
新R25|【再掲】スマホを触るのが一番ダメ。精神科医が教えてくれた、脳に効く「いいダラダラ」
ダイヤモンド・オンライン|毎日たった1分の瞑想が心身にもたらす効果とは

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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