職場で「格段に好かれやすくなる」言葉の使い方。いい関係は「○○と言わない」ことでつくれる

職場で圧倒的に好かれるビジネスパーソン

「落ち込んだ同僚を励ますつもりが、逆に傷つけてしまった」
「自分の言葉が意図とは違う伝わり方をして、嫌われてしまった……」

仕事をスムーズに進めるうえで、良好な人間関係は必要不可欠。相手といい関係を築こう、好かれるようなコミュニケーションをしよう、と頑張ったつもりが裏目に出てしまった……そんな経験はありませんか?

そうした失敗をなくすには、言葉の選び方に気をつけるといいかもしれません。職場で好かれやすい人は、コミュニケーションにおける言葉選びを慎重にしているものなのです。

本記事では、周囲といい関係を築きながらスムーズに仕事をしていきたいあなたのために、シチュエーション別に “使うべき言葉” と “避けるべき言葉” を紹介していきます。

ぜひ本記事を参考にして、職場で「圧倒的に好かれる人」の仲間入りを果たしましょう!

1. 相談に乗るときは「なんでも言って」ではなく「こう」言う

部下や同僚が落ち込んでいるように見えたら、力になりたいと思いますよね。そんなとき、こんな声かけをしてしまっていませんか?

  • 「悩み事があるなら話を聞くよ。なんでも言って!」
  • いつでも相談に乗るよ」

相手からすると、「なんでも」と言われても、考えがまとまっていない場合には話しにくいものです。また、「いつでも」と言われても、「社交辞令かもしれない。本当に相談したら迷惑に思われるのでは......」と余計に悩んでしまいますよね。

このような漠然とした声かけは、相手を「なにをどんなふうに相談していいかわからない」という気持ちにさせかねない――こう話すのは、日本メンタルアップ支援機構 代表理事で公認心理師、産業カウンセラーの大野萌子氏。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|部下や家族が話しやすくなる「言葉選び」のコツ

そこで、困っている人があなたに相談しやすくなるよう、下記のように具体的な声かけをしてみるのはいかがでしょうか。

  • 「もしかして、〇〇の案件で悩んでいる? 相談に乗るよ」
  • 今日の昼休みに時間がとれるけど、話を聞こうか?」

こう言われれば、相手がもし別の案件で悩んでいたとしても、「いいえ、じつは別の案件で悩んでまして……」と話しやすくなりますよね。また、相談できるタイミングを具体的に示されると、「本当に相談してもいいんだ」と思えて、悩みを打ち明けやすくなるはずです。

大野氏も、下記のように述べています。

悩んでいそうな相手に声をかけるときは、具体的な問題に焦点を当ててみると、相手も相談がしやすくなります。

(中略)もうひとつ、相談に対応できる時間を伝えるのもポイントです。

(引用元:同上 ※太字は編集部が施した)

誰かの相談に乗るときは、相手の立場に立って具体的に声かけをし、打ち明けやすい状況をつくるのが大切。こうして「相談しよう」と思ってもらえるような関係性を築ければ、その相手とは仕事でも協力し合っていけるでしょう。

具体的に声をかけて相談しやすい空気の上司と部下

2. 雑談するときは「いきなり質問」せず「こう」言う

同僚と出勤時に偶然会ったり休憩室で一緒になったりしたとき、「いろいろ話して仲よくなろう!」と、立て続けに質問していませんか?

たしかに、雑談はコミュニケーションを通してよりよい関係を築く絶好の機会。ですが、ここぞとばかりに話を広げようと、相手の話の流れを把握する前に一方的に質問すると、相手が本来話したかったことから、雑談の中身がそれてしまうかもしれません。

たとえば、次のような状況です。

相手:「先週末、○○のイベントに行ったんですよ」
あなた:「へー、どこでやってたの? 楽しかった?」
相手:(イベントで○○に会ったことや、そこでのグルメの話をしたかったのに……)

このように、相手には話したいことが別にあったのに、あなたが話の流れをそらしたことで、相手の話したい気持ちが削がれてしまう……ということになりかねないのです。

コミュニケーション研修などを行なう、イントランスHRMソリューションズ株式会社 代表取締役社長の竹村孝宏氏も、聞き手からの質問には「相手の話を引き出す効果」があるものの、「相手の言いたいことを遮って、話の道筋をそらしてしまう」弊害もあると述べています。(カギカッコ内引用元:日経クロステック|職場で好かれる人の5つの特徴とは?

つまり、雑談では相手の言いたいことを把握することが先決。自分から質問しよう・話そうとするより、相手の話を聞くほうが大切なのです。

その具体的コツとして、竹村氏は、「いきなり質問するのではなく、最初はまず、『いいね!』とあいづちを打って、相手から次の言葉が出て来るのを待ってみ」るようにすすめています。(カギカッコ内引用元:同上)

たとえば、下記のように相づちを打つのはどうでしょうか。

  • 不安を打ち明けられたとき
    ⇒「それは心配ですね」「困りましたね」と共感を示し、次の言葉を待つ
  • 楽しい話題のとき
    ⇒「いいね!」「それは楽しそう!」と、話を一緒に楽しむ姿勢をもつ

ここで気をつけたい言葉が、「なるほど」「たしかに」です。これらには相手を評価するようなニュアンスが含まれるため、避けるのが無難。コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀氏も、「上から目線の相づちなので要注意」だと述べています。(カギカッコ内引用元:プレジデントオンライン|「なるほど」「たしかに」は使わないほうがいい…ビジネスシーンでは避けるべき“NGな相づち”とは

「なるほど」「たしかに」を使い慣れていて、どうしても言いたくなるという人は、下記のように言い換えることを意識してはいかがでしょうか。

  • 「なるほど」⇒「そうだね」「私もそう思ってた」
  • 「たしかに」⇒「間違いないね」「そのほうが確実だね」

(参考:同上)

もしうっかり「なるほど」「たしかに」と言ってしまった場合は、次のように「言い換え言葉を付け足す」といいと、松橋氏は述べています。(カギカッコ内引用元:同上)

  • 「なるほど、そうだね
  • 「たしかに! 間違いないね

コミュニケーションを通して相手の心をつかみたいならば、ぜひ相づちをうまく活用し、相手が気持ちよく話せる空気をつくってみてくださいね。そうすれば、あなたを好きになる人が増えるはず。いい関係性のなかで仕事をスムーズに進められるでしょう。

雑談中にいいねと相づちを打つチーム

3. ミスを指摘するときは「責める」のではなく「こう」言う

後輩や部下のミスを指摘するとき、「なぜ、ミスばかりするんだ!」と感情的になったり、「どうして、あなたはいつもそうなの?」と人格を否定するようなことを言ったりしていませんか?

感情的に相手を責めてばかりだと、「あなただって、この前ミスしてたじゃないですか」と反発心を抱かれてしまうかもしれません。また、人格を否定する叱り方をすれば、「自分は信頼されていないんだ」と相手に感じさせるおそれが。これでは、相手はあなたに心を閉ざしてしまうでしょう。

とはいえ、仕事上必要な指摘をしないでいるわけにもいきませんよね。「嫌われるのは嫌だけど、指摘はしなくちゃ……」と指摘の仕方に悩むなら、“希望を伝える” 言葉を選んでみてはどうでしょうか。

経営層向けコーチングや研修講師塾を営む、らーのろじー株式会社代表取締役の本間正人氏は、下記のように話します。

どうしてミスばかりするのかと批判をするよりも、誰でもミスはあるものだということを前提にして、相手に対する希望や期待を伝えるほうが、より前向きに問題解決に取り組むことができるでしょう。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|いざ「部下を叱る」場面での基本的な心得【前編】 ※太字は編集部が施した)

相手を責めず自らの希望を部下に伝える上司

たとえば、注意するときは下記のようにしてみるのはどうでしょうか。

  • 「なぜ、ミスばかりするんだ!」
    ⇒「ここでミスをしてしまうと、この後の工程すべてで修正が必要になって大変なんだ。事前確認をしっかりするようにしてほしい

  • 「どうして、あなたはいつもそうなの?」
    ⇒「もしミスにつながる困り事があるなら、力になりたいから相談してほしい

指摘は “ミスそのもの” に留め、「こうしてほしかった」という “あなた自身の気持ち” を伝えるのがポイントです。

ミスを指摘することは、相手が成長するうえで必要なこと。あなたの気持ちを添えたうえでの指摘なら、「自分のために言ってくれている」と相手にきちんと伝わるはずです。

日頃からこうしたコミュニケーションを心がけていれば、「自分を成長させてくれる人」として部下や後輩から信頼されるでしょう。

***
周囲といい関係を築きながら仕事を円滑に運ぶための、有効な言葉の使い方を見てきました。紹介したフレーズに共通しているのは、“相手の立場に立って考え、思いやる気持ち” です。

前出の竹村氏は、好かれる人と嫌われる人の差は「普段のコミュニケーションの中にあ」ると述べています(カギカッコ内引用元:前出の「日経クロステック」記事)。あなたも、職場での日頃のコミュニケーションのなかで、ぜひ本記事の内容を実践してみてくださいね。

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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