「英会話メイン」の英語研修だと英語力は伸びない! 原因は「◯◯◯◯◯不足」にあった

企業の英語研修の様子

「会社で英会話中心の英語研修を導入しているが、研修参加者の英語力が思ったように伸びていない……」このようなお悩みをもっていませんか?

じつは、英会話メインで英語を学んでも英語力がなかなか伸びないのには、はっきりとした理由があるのです。

この記事では「英会話だけでは英語力が伸びない要因」を詳らかにし、「どのような学習を組み合わせていけば、効果的に英語力を伸ばせるか」についても解説しています。

いま英会話メインで学習している方にとってもヒントになる記事ですので、気になった方はぜひ続きをお読みください。

【この記事はこんな方におすすめ】

  • 「英会話メインの英語研修」で社員の成果が出ていないと感じている企業の担当者さま
  • 新しく「英語研修の導入」を検討している企業の担当者さま
  • 「英会話メインで英語学習してきたけれど、いまいち伸びが実感できない」と感じている個人の方

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

「英会話」のふたつの効果

英会話メインの英語研修には明確な利点がありますが、同時に限界もあります。まずは、英会話の効果について解説しましょう。

英会話には、大きくふたつの効果があるといわれています。

  1. 自分ができないことへの「気づき」
    英会話は、「自身の言語能力に関する自己認識」を高めるのに役立ちます。アウトプットを通じて、「自分が何を言えるか・何を言えないか」が明確になりますよね。自分の知識のギャップを認識することで、「自分の弱点とそれを改善するための具体的な方向性」を見いだせるのです。

  2. 知識の自動化
    英会話の練習は、「学習した知識をすばやく取り出し、使いこなす能力」を高めます。繰り返しの練習を通じて、学習者は意識的に努力することなく知識を活用できるようになり、「自動化」という段階に到達します。これは特に、“場面に応じた反応” が求められる実際のコミュニケーションシーンで非常に役立ちます。

以上のような効果が、英会話にはあります。しかし、英会話の練習だけで英語力が劇的に伸びることはありません。それはなぜでしょうか?

理由は、英会話の主な焦点が「アウトプット」——つまり話す練習にあるため。“言語習得に必要なそのほかの重要な要素” が見落とされているのです。

たしかに、自分の言語能力についての自覚を深め、知識の自動化を促進する点では、英会話練習は非常に有効です。しかし、言語習得には「インプット(聞く・読む)」も同じくらい重要であり、このバランスがとれていないと、英語力の全面的な向上は難しいのです。

では次のセクションでは、インプットの重要性についてより詳しく見ていきましょう。

英会話メインの英語研修を行なっている様子

言語習得における「インプット」の重要性

効果的な英語研修を実施するには、言語習得の過程を理解することが重要です。

先述のように、言語習得にはインプット学習が不可欠。第二言語習得研究では、言語の習得には「インプット(聞く・読む)」が最低条件として研究者のあいだで広く合意されています。

つまり私たちは、「聞く」ことと「読む」ことを通じて、新しい言語の構造、語彙、文法などを学習するということです。

たとえば、日本語を母語とする私たちは、幼少期に周囲の大人やメディアから多くの日本語のインプットを受けてきました。この過程で、言葉の意味、文の構造、そして文化的なニュアンスを無意識のうちに学習し、自然と言語能力を身につけていったのです。

同様に、英語習得においても、インプットは不可欠です。英語のリスニングやリーディング学習を通じて、言語のパターンを認識し、語彙や文法の知識を構築していきます。このインプットの過程がなければ、言語を効果的に使いこなすための基礎が築けません。

以上のように、語彙や文法といった基本的な知識を構築するためには、十分なインプットが不可欠です。英語を話すためには、まず英語を理解する必要があり、これは多くのインプットを通じて達成されます。

インプットを通して学習しているイメージ

「英会話偏重」になることの問題点

英語学習におけるインプットの重要性について理解できましたね。では、そのインプットが不足したまま英会話メインの英語研修を実施してしまうと、英語習得においてどのような問題が起きるのか、詳しく掘り下げていきます。

英会話メインの研修では、しばしば「アウトプット(話す・書く)」に重点が置かれます。このアプローチは、実際の会話能力を向上させるのに役立つ一方で、学習者が必要とするインプットを不足させてしまうという側面も。

インプットが不足していると、新しい語彙や文法構造を十分に吸収できません。その結果、言語の深い理解に欠け、効果的なコミュニケーションが困難になります。単に話す練習を繰り返すだけでは、言語の多様な側面や複雑な文脈をとらえる能力が育ちにくいのです。

しかし十分なインプットがあったうえで英会話に取り組めば、言語への理解を深めると同時に、実際に言語を適切に使いこなす能力を養うことができます。

このように、インプットとアウトプットのバランスを適切にとることで、英会話の練習だけでは達成できない “英語力の全面的な向上” を目指せるのです。その結果、より自信をもって英語を使用し、さまざまな状況でのコミュニケーションに対応できるようになるでしょう。

インプットとアウトプットのバランスをとって学習している女性

課題に応じた「インプットとアウトプットの学習」が大切

言語習得の最低条件は「インプット(聞く・読む)」であることを、先ほどから繰り返しお伝えしてきました。(それだけ見逃してはいけないポイントということです!)

英会話メインの研修プログラムを実施しても、参加者の英語力が伸び悩んでしまう理由は、「インプット不足」にあります。

効果的な言語習得のためには、その「インプット(聞く・読む)」と「アウトプット(話す・書く)」を組み合わせることが重要。加えて、 “学習者それぞれの課題” に応じ、学習内容を選定することも大切です。

企業で英語研修の導入を担当している方は、研修参加者が英語力をたしかに上げていけるよう、ぜひ以上のことを知っておいてくださいね。

***
本記事では「英会話だけでは英語力が上がらない」ことを解説しました。「効果的な英語研修のためのアプローチ」に重要なポイントを振り返ってみましょう。

【効果的な英語研修のための重要なポイント】

  1. 言語習得には「インプット(聞く・読む)」の学習が不可欠。
  2. 英会話メインの学習では、英語力は伸びづらい。
  3. インプットとアウトプットは、学習者のそれぞれの課題に応じて行なう必要がある。

ENGLISH COMPANY for biz では、ひとりひとりの英語学習の課題に応じて適切な解決策を提供することで、受講生の英語力を伸ばしています。英会話メインの英語研修で成果が出なかった企業のご担当者さまで、新しい研修プログラムをお探しの方は、お気軽にお問合せください。

■ 英語研修を効果的に導入するノウハウについて、ほかの記事でも詳しくご紹介しています。
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