社会人は「1日48分」を “◯◯” の勉強にあてよ。超多忙でも時間を確保する工夫とは

猪俣武範先生インタビュー「社会人が1日48分で学ぶべきこと」01n

ただでさえ多忙なビジネスパーソンが働きながら勉強をしようと思うと、大きく立ちはだかるのが「どうやって勉強時間を確保するか」という問題です。

そこでアドバイスをお願いしたのは、医師として働きながらハーバード大学へ留学し、並行してボストン大学でMBAを取得した眼科医の猪俣武範(いのまた・たけのり)先生。まさに、多忙を極めるなかで勉強を続けた猪俣先生の「勉強時間捻出法」を教えてもらいました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹

「先に勉強時間を確保する」ことが基本中の基本

勉強をするうえで最も大切なことが「勉強に対する考え方」「環境づくり」であることは、前回の記事でお伝えしました(『医師をしながらハーバード大&ボストン大で学んだ眼科医が語る「勉強で最も大切なこと」』参照)。とはいえ、ビジネスパーソンが働きながらしっかり勉強するには、勉強時間を捻出する方法を知っておく必要もあります。ここでは、私が実践していた方法をお伝えしましょう。

まず、基本中の基本ですが、先に勉強時間を確保するということ。どんなに願っても、1日は24時間以上に増えることはありません。ですから、その限られた24時間のスケジュールのなかに優先して勉強時間を組み込むのです。

私の場合、ハーバード大学で研究をしながら英語の勉強やビジネススクールでの勉強をする必要がありました。ただ、研究の場合はやろうと思えば無限に時間が必要になってしまいます。そのため、研究時間ではなく勉強時間を先に確保するようにしていたのです。

そうはいっても、勉強時間も好きなだけ確保することはできません。そこで、勉強の内容によって使う時間を変えるようにしていました。具体的に言うと、先に確保した時間は、ある程度まとまった時間が必要でクリエイティブな勉強にあてるようにしていたのです。たとえば、論文執筆などがそれにあたります。論文執筆は短時間でささっとできるものではありませんからね。

猪俣武範先生インタビュー「社会人が1日48分で学ぶべきこと」02

暗記作業はスキマ時間を徹底的に活用する

そういった勉強とは異なり、いわゆるスキマ時間にできる勉強もある。たとえば、英単語や数式を覚えるといった暗記作業は、同じ勉強でもまとまった長い時間が必要なものではありません。そこで、それらの勉強は、移動時間のほか、それこそエレベーターを待っているあいだにもするようにしていました。

しかも、これには無駄な時間を減らして隙間時間を活用できること以外にもメリットがあります。暗記の場合、まとまった時間に続けて何度も復習するより、ある程度の時間をおいた複数の隙間時間で復習するほうが記憶への定着度が高まるのです。

そして、そういうふうにして勉強内容によって時間を使い分けるには、目標管理こそが大切になると考えています。「いつまでにどんな勉強の成果を出すのか」という目標が見えていなければ、そのために必要な勉強も、それをいつやるべきなのかといったことも見えてこないからです。

例え話をしてみましょう。マップツールを使って移動するとき、本来向かうべき場所をしっかりと見据えないままで「だいたいこのあたり」なんて曖昧な目的地を設定してしまえば、向かうべき場所のまわりをうろうろするばかりで時間を無駄にしてしまいますよね。でも、向かうべき場所をきちんと目的地に設定すれば、最初から最短ルートをとり、最短時間で向かうべき場所にたどり着くことができます。そういう目標管理の意識が、限られた時間のなかで成果を出すためにとても大切だということです。

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「1日48分」の新たな学びが自分の可能性を広げてくれる

また、勉強時間の捻出法とは異なりますが、時間の使い方に関してお伝えしておきたいことがあります。それは、勤務時間の10%、1日48分を本業以外の新しい分野を学ぶことにあててほしいということ。

Googleが掲げる「20%ルール」については知っている人も多いでしょう。勤務時間のうち20%を新規事業立案など普段の業務とは異なる業務にあてていいという制度です。これにより、GoogleはGmailやGoogleマップなど数多くの画期的なサービスを生み出しました。

しかし、Googleのような制度がない会社に勤めている場合、1日の勤務時間が8時間だとしてその20%にあたる96分もの時間を、本業以外の新しい分野を学ぶことに使うのはなかなか難しいのが実情です。

でも、48分ならなんとかなりそうではないですか? 昼休みのうちの10分間、移動時間、それこそ私の例ではありませんがエレベーターを待っている時間などを組み合わせればなんとか確保できるはずです。

そして、その48分を使って新しい分野について学んでみてください。学ぶ分野はあなた自身が興味をもっていることでもいいですが、私からおすすめするのは、普段から業種や職種にとらわれず人脈を広げておき、そのなかでシナジーをもてそうな人が携わっている分野の勉強をするということ。そうすれば、自分の可能性をどんどん広げられ、かつ人脈を生かした新たなビジネスを生むことにもつながるはずです。

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【猪俣武範先生 ほかのインタビュー記事はこちら】
医師をしながらハーバード大&ボストン大で学んだ眼科医が語る「勉強で最も大切なこと」
“医学博士×ハーバード留学×MBA取得” を実現。勉強の達人が教える「集中力持続法」

【プロフィール】
猪俣武範(いのまた・たけのり)
1981年5月21日、千葉県生まれ。眼科医。2006年、順天堂大学医学部医学科卒業。2008年、東京大学附属東大病院初期臨床研修医修了。2012年、順天堂大学大学院医学研究科眼科学にて医学博士号取得。2012年からハーバード大学医学部眼科スケペンス眼研究所へ留学。留学中にはボストン大学経営学部Questrom School of BusinessでMBA取得。2015年から順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科准教授。2020年5月からは順天堂大学大学院デジタル医療講座准教授を兼任し、臨床、研究、教育、経営に携わる。2016年より一般社団法人IoMT学会を設立。代表理事に就任し、医療とIoTの発展をリードする。2017年から2019年まで厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」の構成員も務めた。主な著書に『医者と弁護士が知っている 日本の病院 7つのなぜ』(クロスメディア・パブリッシング)、『限られた時間で最大の成果をあげる 最強の勉強法』、『医師が実行している 最強の休息法』、『ハーバード☓MBA☓医師 働く人のための 最強の休息法』、『ハーバード☓MBA☓医師 目標を次々に達成する人の 最強の勉強法』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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