キャリアアップを目指す中で、「どうすれば評価が上がるのか」「同期に遅れをとっている」といった悩みを抱えていませんか? 多くの人が、単に業務をこなすだけでなく、自身の価値を効果的にアピールし、より高い評価を得たいと考えています。
企業には様々な評価基準があり、それぞれの社員はこの基準に基づいて評価されます。しかし、その仕組みを理解し、効果的に活用することは容易ではありません。
本記事では、社内で高い評価を得るための3つの重要な要素について詳しく解説します。これらの要素を理解し実践することで、あなたのキャリアアップの可能性が大きく広がるでしょう。
1. 評価システムを理解する
社内で評価されるためには、会社がどのような基準で社員を評価しているかを理解することが大切です。企業には様々な評価制度がありますが、代表的なものに360°評価やコンピテンシー評価などがあります。*1
評価制度は、社員の業績を測るための客観的な基準を提供し、企業の目標達成に貢献するために個人が何をすべきかを明確にします。そのため、自分の会社がどのような評価制度を使っているか、しっかりと確認しましょう。
たとえば、営業職であれば売上金額が評価指標として設定されていることが多く、その達成度によって評価が左右されます。
売上額のように数字が明確に出ているものであればわかりやすいですが、プロジェクトマネジメントや開発職であれば、プロジェクトの進行具合やチーム全体の成果など、直接数値では出しにくい指標が用いられているかもしれません。
その場合、「進捗はどのツールや情報から確認をしているのか?」「追加の修正業務など、突発的な業務は評価に入っているのか?」などについても、さらに確認が必要です。
このような評価基準を把握し、自分がどのポイントで評価されているのかを理解することで、自分のどこが評価に足りないのか、今後の改善策を考えることができるようになります。
2. 昇進した社員を観察する
社内の評価制度の仕組みを確認したあとは、その制度を踏まえ、優秀な社員がどのように成功しているのか、情報を集めていきましょう。評価につながったポイントを把握することで、自分もその立場に近づける可能性が高まります。
具体的には、高く評価されている上司や同僚を観察したり、直接相談をしたりして、どのような点が評価につながったのかを考えていきましょう。
さらに、自分と性格や経歴が近い社員だと、より参考にしやすいでしょう。
たとえば、保険の営業職で、売り上げの数値が評価につながる職種であれば
- 顧客とのコミュニケーション方法は?
- どのような問題解決のアプローチをとっているか?
- 売り上げに悩んだときはどうしているか?
などが参考になります。
職業がプログラミングエンジニアであり、評価指標が業務の進捗にあるのであれば、
- どのようなプロジェクトに関わっていたか?
- 進捗を管理するために使っている方法やツールは?
- 遅れが出そうなときはどう対処しているか?
などが参考になるでしょう。
このように、上司や同僚の仕事の様子を観察して、昇進につながった行動や思考を分析していきます。
また、直接評価に関係がないものであっても、仕事に対する姿勢やモチベーション管理の方法などを聞くと、より理解が深まるでしょう。
もし、周囲に参考になるような社員がいなければ、社内で行なわれている勉強会などの活用が効果的です。積極的に参加し、普段は会えないようなトップパフォーマーの発言や事例から学んでみましょう。
3. 周囲とコミュニケーションをとる
昇進をするのにはコミュニケーション能力も必要です。
エン・ジャパン株式会社が転職コンサルタントを対象に実施をした「管理職に出世する人・しない人」についてのアンケートによると、「出世する人に共通する人柄についてうかがったところ、もっとも多い回答は『周囲を巻き込むコミュニケーション能力』(74%)」だったといいます。*2
直接的な仕事の能力よりも、コミュニケーション能力が重要視されているのは意外なことかもしれません。
しかし、出世する人は必ずと言っていいほど周囲との信頼関係を築いています。上司や同僚、部下から信頼されることは、職場でのパフォーマンスを引き出すための重要な要素です。信頼を得るためには、まず自分から誠実な行動を心がけ、他者を尊重する姿勢をもつことが必要です。
ここで、信頼構築のポイントとして、有効なコミュニケーション術をご紹介しましょう。
聞き上手を目指す
コミュニケーションにおいては、「話す」ことよりも「聞く」力が重要です。出世する人は、他者の意見や考えをしっかりと聞き、理解しようと努めています。上司や同僚の意見を尊重し、真剣に耳を傾けることで、彼らの信頼を得ることができます。
チーム内での意見交換を促す
チームとしての成果は、あなたの評価に直結します。チームプロジェクトにはさまざまな問題が発生しますが、問題を解決するためには多様な視点が必要です。チームメンバーに意見を求め、それぞれの視点を尊重することで、より効果的な解決策が見つかることが多いのです。
また、どんなに優れた解決策でも、一度で完璧に実行できることは稀です。状況に応じて計画を修正したり、フィードバックをもとに新たなアプローチを取り入れたりする柔軟性をもちましょう。
上司と効果的なコミュニケーションをとる
昇進を目指す上で、上司との関係構築は非常に重要です。上司に自分の能力や実績をアピールしつつ、上司の期待や目標に沿った行動をとることが求められます。特に、上司が何を求めているのかを理解し、その期待に応えることで、評価が向上します。
ここで、「アピールをしすぎると、不快に思われるのではないか?」という心配もあるでしょう。まだ上司との仲が深まっていない状態で過剰なアピールをしてしまうと、関係が悪くなる可能性もあります。そんなときは、まずは上司への日ごろの感謝をほかの人へ伝えるようにしてみてください。
人事評価コンサルタントの岡田洋介氏は、こうすることで上司からの信頼が上がると述べています。
経営層や上司の上長と話す機会に、あなたの直属の上司への感謝を伝えてみてください。(中略)上司はそれを経営者に言ってくれたあなたに対して感謝を示すようになります。*3
まずは上司の評価を上げるよう行動することで、結果的に自分の信頼も上がるのです。
***
今回は社内評価を上げる方法についてご紹介しました。本記事が、社内での評価に悩む方の一助になれば幸いです。
*1 Talent Management Lab|評価制度にはどんなものがある? よく使われる評価制度の種類4個
*2 PR TIMES|「出世する人、しない人」調査。出世の分かれ目は、「コミュニケーション能力」と「問題解決能力」
*3 THE OWNER|昇進のチャンスは意外なところに? たった一言で上司の評価を高める方法
髙橋瞳
大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。