「ToDoリスト」は寝る前に書く。寝つきの悪い筆者がすんなり眠れたシンプルな習慣

寝る前のやることリスト01

「翌日、仕事があるのになかなか寝つけない……」
「ベッドに入っても、ついつい考え事をして目が覚めてしまう……」
このように、不安が原因で寝つきが悪いと困っている人も多いのではないでしょうか?

今回は、寝つきが良くなるという研究結果が出ている「就寝前のToDoリスト」の実践方法をご紹介します。なかなか寝つけないという悩みを持っている人は、ぜひチェックしてみてください。

寝る前の「ToDoリスト」で入眠が早くなる

ベッドに入ってもなかなか寝つけないという人は、寝る前に翌日のToDoリストを書き出すことをおすすめします。頭の中に保持されている「明日やること」が、書き出すことによって解放され、眠りにつきやすくなるのです。これを証明するのが、Journal of Experimental Psychologyに掲載されたベイラー大学の研究。

被験者となった18〜30歳の健康な若者らは、平日の夜に研究室で眠ることを命じられ、寝る5分前に

  1. 数日以内に自分がやらなければならないことを書き出すグループ
  2. ここ数日間で自分が成し遂げたことを書き出すグループ

の2つに分けられた。

被験者らは全員22時半にベッドに入るよう指導され、入眠のスピードを比較した。その結果、数日以内に自分がやらなければならないことを書き出すグループのほうが、ベッドに入ってから眠りにつくまでの平均時間が短かった。

研究に携わったマイケル・スカリン氏によると、従来の研究からも「不安について書き出すこと」で、眠りにつきやすくなる傾向があるとわかっていたそう。今回の実験ではさらに、より具体的な「ToDoリストを寝る前に書くこと」で入眠スピードが上がることが判明しました。

寝る前のやることリスト02

書くことがなぜ良いのか

社会心理学者でバージニア大学教授のティモシー・ウィルソン氏によると、書くという行為には、ネガティブな考えのサイクルをポジティブな考えのサイクルへと変化させる効果があるのだそう。

私たちは、日々考えることが多すぎて、イライラやもやもやがたまりがち。それらの感情を処理しきれないでいると、頭の容量がいっぱいになってしまいます。しかし、書くことによって、抱えていたもやもやを手放し、感情を好転させることができるのです。

スタンフォード大学の研究者らは、大学になじめず苦労しているアフリカ系アメリカ人の大学生に着目し、調査を行ないました。何人かの学生に「未来の学生のために、大学生活に関するエッセイやビデオを作成してほしい」と依頼します。すると、数ヶ月後、それらを作成した学生たちは、何もしなかった学生よりも良い成績を獲得したそう。

書くことによって自分の悩みを客観視できるようになり、それまで持っていなかった視点を得ることができ、考え方が再構築されたようです。書くことには、精神面にあらゆるメリットがあるということですね。

寝る前のやることリスト03

就寝前にTo Doリストを書いてみた

実際に、筆者も就寝前にTo Doリストを書いてみました。そのときのリストがこちらです。

やることリストの写真

気をつけたのは、なるべく具体的に書くことです。たとえば、資格の勉強は1日に5ページをノルマとして設定しました。また、日々のやるべきことに加えて、頭の片隅にあったけれど放置していたもの(書類の整理や、クッションカバーの洗濯など)も書き出しています。

実際にやってみて感じたのは、書くという行為自体に、リラックスする効果があるということです。頭の中にあるものが可視化されることで、日々の忙しさから来る焦りが軽減されました。また、明日以降にやらなければならない事柄を書くことで、自然と「今日1日が終了してこれから休むんだ」というモードになれたようにも思います。

加えて、普段はなかなか寝つけないことが多いのですが、入眠に時間がかかりませんでした。ToDoリストを書き出したことで、考え事が減って気が楽になったことが理由だと思います。また、書くこと自体が寝る前の儀式のようになって、自然と体が眠る準備に入っていったようにも感じました。これからも、継続して行なうつもりです!

***
寝つきに時間がかかると、ストレスになりますよね。次の日のパフォーマンスに響くと思うと、余計に焦ってしまうもの。筆者自身もベッドに入ってからなかなか寝つけないほうなのですが、「就寝前のTo Doリスト」は効果がありました。寝つきに悩む人は、ぜひ試してみてくださいね。

(参考)
The New York Times|Writing Your Way to Happiness
東洋経済Online|「感情を紙に書く」習慣でストレスは減らせる 1日20分、その日思ったことを書き出すだけ
HEALTH PRESS|明日の「やることメモ」を書くとぐっすり眠れる~寝る前のTo-Doリストが不安を減らす
American Psychological Association|The effects of bedtime writing on difficulty falling asleep: A polysomnographic study comparing to-do lists and completed activity lists
Forbes|Writing A To-Do List May Help You Fall Asleep Faster
Baylor University|Can Writing Your ‘To-Do’s’ Help You to Doze? Baylor Study Suggests Jotting Down Tasks Can Speed the Trip to Dreamland

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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