傷つきやすく折れやすい “心の弱い人” が、今度こそ「強いメンタル」を手にする方法

星渉さん「強いメンタルを手にする方法」01

「注意されるとすぐ落ち込む」「自分は心が弱いのでは……」。そんな心の悩みを抱える人も多いと思います。では、「強いメンタル」を手に入れるにはどうすればいいのでしょうか? 

2021年1月に『神メンタル〜365日ストレスフリーで生きる方法~』(プレジデント社)を出版した作家・ビジネスコンサルタントの星渉(ほし・わたる)さんは、「メンタルは自分で自分をどんな人だと思っているかで決まり、その自己評価は誰にでも磨くことができる」と言います。星さんが編み出した、「心を科学的に鍛える」メソッドを聞きました。

構成/岩川悟、辻本圭介 写真/櫻井健司

メンタルは、「攻撃力」「防御力」「回復力」でできている

私は、メンタルは次の3つの要素から成り立っていると考えています。

  1. 攻撃力
  2. 防御力
  3. 回復力

1は、いわば行動力です。メンタルが強くなると、「これをやってみよう!」「あの場所に行ってみよう!」と、自分の気持ちをどんどん行動に変えることができます。要は、チャレンジ体質になれるわけです。

2は、なにがあってもブレない力。毎日生きるなかで、さまざまなストレスや困難を抱えてしまっても、自分を見失わずに向き合える力です。この防御力があれば、他人から悪口を言われるといった人間関係のトラブルや、それこそ新型コロナウイルス感染症のような不測の事態にも、冷静に対処できるでしょう。

それでもときには傷つくこともあるし、心身が疲れてしまうこともあります。普段なら平気なことでへこんでしまうのは誰にでもありますが、たとえそんなときでも、3の回復力があれば気を取り直して「またがんばろう!」と思うことができます。

これらメンタルを構成する3つの力をどのように鍛えていくかが、メンタルを強くしていくうえでの軸になります。

星渉さん「強いメンタルを手にする方法」02

強いメンタルは、「攻撃力」「防御力」「回復力」が三位一体で高まっている

メンタルを構成する3つの力は、互いに影響しています。

心が強く、自分の思い通りに行動できる「攻撃力」がある人は、いろいろなことにチャレンジできるので、自然とまわりが気にならなくなって「防御力」が高まります。

また、いろいろなことができる自分を知っているので、ピンチになっても、「くよくよ迷っている場合じゃない!」と思える「回復力」も高まるでしょう。

同じように、「防御力」が高くなると、誰かにネガティブな言葉を言われても気にしなくなり、自分と他人を比べることもなくなります。すると、「私はこれがやりたいんだ」と、自然と行動に移す力に影響します。

さらに、「回復力」が高くなれば、嫌な出来事が起こっても、「まあ、いいか」とすぐに気持ちを切り替えられるので、次の行動へと移りやすくなるでしょう。

このように3つの力は連動しているため、まずは自分がいちばん得意とする力、自分に合っている力から、意識して磨いてみましょう。「攻撃力」「防御力」「回復力」が三位一体で高まっていると、メンタルはとてもいい状態と言えます。

星渉さん「強いメンタルを手にする方法」03メンタルがいい状態にあるときは、「攻撃力」「防御力」「回復力」が三位一体で高まっている

メンタルは「自己評価」で決まる

では、メンタルを構成する3要素である「攻撃力」「防御力」「回復力」は、どのように磨けばいいのでしょうか?

まず、そもそもメンタルとはなんなのでしょうか? ひとことで言うと、メンタルとは、自己評価です。自己評価とは、文字通り、自分で自分をどんな人だと評価しているかということ。つまり、メンタルは、自分に対してどんな自己評価をしているかで変わり、メンタルの3要素が高まる自己評価をもっていれば、強いメンタルをつくりあげることができるわけです。強いメンタルをつくる自己評価の例を挙げると、

「私は、いつだって行動できる人間だ」
「私は、他人の目などいっさい気にしない」
「私は、最後まで諦めない人間だ」

こんな自己評価をもっているかどうかが、強いメンタルをつくる鍵となります。

ただ、このように自己評価を明確にしている人は、ほとんどいないのが現実とも言えます。ほとんどの人は、生まれ育つなかでいろいろな経験を経て、「自分ってこんな人」というなんとなくのイメージを抱えて生きています。

文章で表せるほど自己評価を明確にしている人は、ほとんどいません。だから、メンタルが強い人も多くはないのです。しかし、繰り返しになりますが、メンタルは自己評価によって決まります。

自己評価を明確にすることが、自分の思い通りの人生を生きるための、すべてのスタートになるのです。

星渉さん「強いメンタルを手にする方法」04

メンタルを強くするには、ハードルの低い目標が効果的

強いメンタルをつくるにあたり、どのように鍛えていくかトレーニングメニューを考える必要があります。しかし、安心してください。トレーニングメニューは、ハードルが低ければ低いほど効果があるからです。

たとえば、自分が望む自己評価が、「イライラしない自分」だとします。すると、その新しい自己評価を定着させるために、どんなトレーニングをすればいいでしょうか? いきなり、「毎日イライラしないように過ごす」ではダメです。なぜなら、それは筋トレに例えると、いきなりベンチプレスで100kgを上げようとするようなものだから。

最初は、できる範囲。もっと言うと、できる範囲どころか、楽勝すぎるくらいの負荷が効果的です。なぜハードルの低いトレーニングがいいかと言うと、目標を達成することで、次への行動意欲がつくられるからです。

ですから、たとえば、負荷が低いトレーニングとして、毎日ではなく、「毎週水曜日は怒らないで過ごす」というのはどうでしょうか? まったくイライラしないのは生理学的に無理なので、「毎週水曜日だけは、なにがあっても怒りの感情を外に出さない」と決めます。そして、朝家を出る時間にスマホのリマインダーを設定して、「水曜日はノー怒りデー」と意識しながら、1日を過ごすのです。毎日は難しくても、水曜日だけならできそうだと感じませんか?

そして、無事に3週間ほど続けられたら、曜日をひとつ増やす。まさに、筋トレのように、少しずつ負荷を上げていけばいいだけなのです。このようにして、自分をパーソナルトレーニングする感じで「ハードルの低い計画」を設定し、コツコツとその行動を続けていく——

それが、メンタルを強くする王道なのです。

星渉さん「強いメンタルを手にする方法」05

※今コラムは、星渉 著『神メンタル 365日ストレスフリーで生きる方法』(プレジデント社)をアレンジしたものです。

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【プロフィール】
星渉(ほし・わたる)
1983年生まれ、宮城県出身。株式会社Rising Star代表取締役。大手企業で働いていたが、東日本大震災を岩手県で被災。生死を問われる経験を経て「もう自分の人生の時間はすべて好きなことに費やす」と決め2011年に独立起業し、心理療法やNLP、認知心理学、脳科学を学びはじめる。それが原点となり、個人の起業家を対象に「心を科学的に鍛える」を中心に置いた独自のビジネス手法を構築。わずか5年間で、講演会、勉強会には7200人以上が参加し、手がけたビジネスプロデュース事例、育成した起業家は623人にのぼる。ゼロの状態から起業する経営者の月収を、半年以内に最低100万円以上にする成功確率は、日本ナンバーワンの91.3%。数千人規模の講演会を実施し、海外でも大規模なイベントを行うなど、グローバルに「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」ための活動をしている。著書には、『神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り』『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』、前野隆司氏との共著『99.9%は幸せの素人』(すべてKADOKAWA)などがある。

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