読書が続かない人には “この3つ” が欠けている! 本を読み始める前に◯◯を決めなさい

読書を続ける方法01

「流行っている本を友人にすすめられて買ってはみたものの、読みきる自信がない」
「シリーズの初巻だけは頑張って読み終えたが、次へ続かない」
読書において、こうした悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。一説には、書籍1冊の平均文字数は、およそ10万文字とも言われています。数字で見ると、たしかに大変そうに感じますよね。

ただ、本を読みきれるかどうかは、じつは本を開く前から決まっているのです。今回は、読書が続かない人に足りないものを3つ指摘しましょう。

【読書が続かない人に足りないもの1】並列読書の習慣

読書をする際、「この本を読みきるまでは、違う本に手を出してはいけない」と考えていませんか。1冊の本を集中して読んでいるように思えるかもしれませんが、じつは、この思い込みこそが、読書の習慣化を妨げています。

そんな「1冊集中読み」を打破するのが、「並列読書」と呼ばれる読書術。読んで字のごとく、「複数の書籍を同じ期間に読むこと」を指します。フリーランスライターで書評家のSadie Trombetta氏によれば、1冊だけを読む読書の仕方はマンネリの原因となるそう。意外にも、複数の本を並行して読むほうが読書は進むと伝えています。

並列読書をするための本を選ぶコツは、「似た内容の、違う著者が書いた本を選ぶこと」。似たタイトルの本を選ぶと、内容も似通りがちですよね。しかし、著者の数だけ視点があるように、似た内容であってもニュアンスや認識の違いは必ずあります。

こうした相違点を見つけながら読書をすれば、一度に複数の視点を学べる楽しさ、さらにそれらの視点を比較・検討するおもしろさを感じられるでしょう。この醍醐味は、1冊集中読みにはない特別なもの。

「読書が続かないから、並列読書ができない」と思っている人も、じつは「並列読書ができれば、読書が習慣化する」かもしれませんよ。

読書を続ける方法02

【読書が続かない人に足りないもの2】読書の目的の設定

普段から読書の習慣が続かない人の原因として、その本を読む目的を事前に設定していないということも考えられます。

『習慣が10割』の吉井雅之氏によれば、目的がないものは長続きしないそう。また同氏は、「なんのために」が明確であれば、行動はあとからついてくるものであり、習慣を継続する大きな原動力になると伝えています。

たとえば、コミュニケーションに関する本を読むとしても、目的を決めずにただ本のページをめくるだけでは、モチベーションも途中で下がってしまうでしょう。「同僚や知人とのコミュニケーションを円滑にしたい」「雑談力をつけて商談の成功につなげたい」といった具体的な目的意識を事前に決めておくことが大切なのです。

この目的意識は、「読書を続ける動機づけ」の役割を担ってくれます。最初に考えた目的を忘れないように、メモに書いて本の表紙などに貼っておくと、本を読み進めるたびに確認できますよ。

読書を続ける方法03

【読書が続かない人に足りないもの3】スキマ時間を使った読書の習慣

神経質な人ほど、時間をきっかり決めて読書をしようとしてしまいがちです。しかし、前の用事が押したり急用で時間がとれなくなったりして、その予定が崩れてしまうとどうでしょうか。読書をする気が失せてしまいかねませんよね。発想を変えて、「スキマ時間を有効活用して読書をする」ようにしてみてはいかがでしょうか。

脳科学に精通しており、月に30冊もの本を読む樺沢紫苑氏は、読書のための時間を確保しない代わりとして、「15分間読書」をすすめています。

例えば、スキマ時間5分で本が10ページ読めるとします。その5分のスキマ時間が3回あれば、30ページが読めます。しかし、連続した「15分」があれば、30ページではなく40ページは読めるのです。

(引用元:樺沢紫苑(2015),『読んだら忘れない読書術』, サンマーク出版.)

15分という時間は、通学・通勤時間や授業の空いた時間、仕事の休憩中などでスマートフォンを眺めている時間とほぼ変わりません。その時間をもし読書に充てられたら、教養は格段に高まるでしょう。

「読書時間」を最初から決めておくのではなく、ふとしたスキマ時間に本を読むように心がけると、気持ちも楽に読破できますよ。

***
今回紹介したテクニックを少し意識するだけで、読書の仕方が変わってくるはずです。みなさんもぜひ実践してみてください。

(参考)
西沢書店.com|本を出版するには、何文字の原稿が必要?
Bustle|Reading More Than One Book At A Time Actually Has Some Pretty Incredible Benefits
西岡壱誠(2018),『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』, 東洋経済新報社.
Yuka Sasaki, Takeo Watanabe(2017), "Neuroscience: When Peceotual Learning Occurs", Nature Human Behavior, Vol. 1, No. 2.
吉井雅之(2018),『習慣が10割』, すばる舎.
樺沢紫苑(2015),『読んだら忘れない読書術』, サンマーク出版.

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

会社案内・運営事業

  • 株式会社スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
    >>株式会社スタディーハッカー公式サイト

  • ENGLISH COMPANY

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >>ENGLISH COMPANY公式サイト

  • STRAIL

    ENGLISH COMPANYで培ったメソッドを生かして提供している自習型英語学習コンサルティングサービス。専門家による週1回のコンサルティングにより、英語学習の効果と生産性を最大化する。
    >>STRAIL公式サイト