「仕事してなさそう」なのになぜか「成果を出している」人がやっている3つのこと

仕事していなさそうなのに成果を出している人の特徴01

自分のほうががむしゃらに働いているはずなのに、あまり仕事していなさそうに見えるあの人のほうが結果を残している……こんな状況に悩んでいる人はいませんか?

もしかしたら、あなたの “頑張りすぎな仕事スタイル” が、無駄を生んだり生産性を下げたりしているのかもしれませんよ。今回は、あまり仕事していなさそうなのに成果を出している人がやっている3つのことをご紹介しましょう。

【1】積極的に他人の協力を得ている

「仕事は自分ひとりで責任をもって進めるものだ」「人を頼るなんて申し訳ない」――こういった考えはたしかに大切でしょう。しかし度が過ぎて、キャパオーバーになるまで仕事を抱え込んでしまうのも考えもの。「忙しすぎて期日に間に合わない」「焦りすぎてミスだらけ」という事態を生むばかりか、あなたが心身を壊して仕事もままならなくなればチームにも迷惑がかかってしまいます。

『もう「いい人」になるのはやめなさい!』著者の潮凪洋介氏いわく、優秀と言われる人ほど「適当」に仕事をこなしているとのこと。ただし、ここでの「適当」は「いいかげん」という意味ではありません。自分よりもスキルの高い人に協力を求め、仕事を上手に分散させているということです。

自分よりも精緻な分析が得意な人、資料作成が上手な人、文章を書くのが抜群にうまい人――同じ職場で仕事を続けていたら、周囲の誰がどんな得意分野をもっているか、おおよそ把握できますよね。デキる人はそういった人たちの援助を借りながら仕事を進め、頑張りすぎることなく成果を上げているのです。

潮凪氏は、仕事をひとりでやろうとする人は「自分ひとりで30kgの物を担ごうとして腰を痛める」一方で、デキる人は「5人の力を借りて100kgの物を軽々と持ち上げる」と述べています。よほど切羽詰まっていないかぎり、協力を求められたら相手は素直に応じてくれるはず。「自分ひとりで頑張らなければ」という過剰な責任感は捨てましょう。もっと人に協力を求めたっていいのです

仕事していなさそうなのに成果を出している人の特徴02

【2】まずはスピードを重視する

頑張っているのに結果が出ないのは、「完璧主義」が原因で仕事が肥大化していることにも原因があるかもしれません。

ハーバード・ビジネス・スクール経営学教授のトーマス・J・デロング氏は、完璧主義者について「時間を適切に配分するのが下手」と指摘します。つまり、本来は80点でいい場面で90点を目指そうとし、そのわずか10点のために必要以上の時間をかけすぎてしまうということ。たとえば、社内向け資料なのにデザインを気にしすぎる、など。

そしてこの癖は、最初から些末な部分にこだわるあまり「肝心の中身がおろそかになる」という危険性もはらんでいます。見た目は立派なのに中身がすっからかんで突き返される――これでは意味がありませんよね。

一方で、要領がいい人は完璧を目指すということはしません。代わりに彼らが重視するのが「スピード」。つまり、たとえ50点や60点の段階でもまずは周囲に確認を仰ぎ、おおまかな方向性に問題がないか確認をとります。こうすることで、のちのちの大きな軌道修正を未然に防ぐようにしているのです。

実業家の大城太氏は次のように述べています。

例えば、あなたが10年目の中堅社員だとして、新人が「完璧に仕上げてきました」という企画書を見て、果たしてそれを完璧な企画書と思うでしょうか? そういうことです。完全、完璧というものは最初から存在せず、それを目指すのはただ自分からストレス地獄に首を突っ込んでいくようなものなのです。

(引用元:日経ビジネス|華僑と沖縄の人に学ぶ、実は要領がいい70点主義

最初から完璧を目指すのは、労力的にも時間的にも割に合いません。手を抜いていいところでは手を抜く――及第点で仕事をさくさくこなしていくほうが効率的な場面も多々あるのです。

仕事していなさそうなのに成果を出している人の特徴03

【3】躊躇せず休憩している

がむしゃらに働く人ほど、「休む」ということに対して罪悪感を覚えるかもしれませんね。でもじつは、休むことには重要な役割があるのです。

東京大学教授で脳科学者の池谷裕二氏は、中学生を対象に、休憩を「挟んだ場合」と「挟まなかった場合」とで学習成果にどんな違いが表れるかを調べました。実験では、被験者を「休憩を挟みながら15分×3回で英単語を学習していくグループ」と「休憩なしで60分続けて学習するグループ」に分け、事前に行なったテストからスコアがどれくらい上昇するかを調査。その結果、前者の「休憩あり」のグループのほうが、翌日の上昇スコアが高かったそうです。

上記は「休憩を挟んだほうが長期記憶形成に有効」であることを表していますが、集中力の観点からも興味深い示唆が得られています。両グループの中学生のガンマ波(※集中力に関与する脳波)の波形を計測したところ、休憩ありの場合は休憩のタイミングで回復していたのに対し、休憩なしの場合は下がっていく一方でした。特に、学習開始から40分後に急激な下降が見られたとのこと。これらの結果を受けて、池谷氏は次のように総括しています。

休憩を挟むことは集中力の維持に寄与し、より少ない学習時間にも関わらず長期的に見て高い学習効果を発揮する可能性が示唆されます

(引用元:朝日新聞デジタル|勉強時間は短い方が好成績?

これは仕事でも同様でしょう。休まず働き続けることは、集中力が欠けた脳にムチを打っているのと同じ。自分では一生懸命働いているつもりでも脳は十分に機能していないため、重要なことを忘れたりミスをしたりといった事態につながりかねません。むしろ、躊躇することなく休憩を入れている「仕事してなさそうな人」ほど、脳の整え方を知っていると言えます。

昼休憩など休めるときに休むのはもちろん、作業の合間などに適度な休憩を挟んで、 脳を回復させてあげるべきです

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頑張っているはずなのに成果が出ない……そう悩む人は、ぜひ自分の “頑張りすぎな” 仕事スタイルを改めてみてください。

(参考)
プレジデント・オンライン|仕事がデキる人ほど適当に手を抜いている
プレジデント・オンライン|なぜ「完璧主義者」は組織を破壊するのか
日経ビジネス|華僑と沖縄の人に学ぶ、実は要領がいい70点主義
朝日新聞デジタル|勉強時間は短い方が好成績?

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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