仕事の非効率化を招く3つのNG習慣。それをやっても脳が余計に疲れるだけ

仕事のNG習慣01

みなさんは、ご自身の仕事スタイルについて考えてみたことがありますか?

あなたが当たり前にやっているその習慣が、仕事の非効率化を招いている可能性があります。3つのNG習慣を指摘しますので、当てはまるものがあったら注意してください。

【NG1】タスクを “全部” ToDoリストに書いている

「ToDoリスト」といえば、多くの人が仕事で取り入れているのではないでしょうか。今日すべきことを、優先順位をつけてすべて書き出してみる――かなりお手軽なタスク管理法ですよね。

しかし、ToDoリストには重大が欠点があります。それは「すべきことが際限なく積み上がっていくのを阻止できない」ということ。差し込み案件を含め、タスクが山のように降ってくるのが仕事というもの。それらをすべてToDoにしていては、時間が足りなくなるのも当たり前です。1日が終わってみれば未消化のタスクばかり残ってしまった……というケースも多々あるのではないでしょうか。

もちろん、ToDoリストの作成自体は、タスクの抜け漏れを防ぐうえで大切です。改善すべきは「ToDoリストに “とりあえず全部載せてしまう” 」という習慣。仕事がどんどん肥大化するからです。仕事をもっとスリムにするために、ここでは「Not ToDoリスト」の作成をおすすめしましょう。

これは、ビジネスコンサルタントの大塚寿氏も推奨する方法。「やらなくていいこと」をリストアップすることで業務の無駄に気づき、「本当にすべきこと」に集中できるようになります

あなたの業務時間を圧迫している “無駄な仕事” はありませんか。社内向け文書のデザインに必要以上にこだわったり、誰も読まない資料の作成に勤しんだり――無駄を省いて省エネ化したり、場合によっては声を上げて廃止したりできれば、「本当にすべきこと」だけ残せます。それでこそToDoリストも生きてくるのではないでしょうか。

仕事のNG習慣02

【NG2】仕事をマルチタスクで進めている

パソコンで資料を作成している最中にメールが来たからすぐ返信する、ある業務をしている最中に別の業務がふと気になったから同時並行で進める――このように、同時に複数の仕事をこなす「マルチタスク」をしている人も多いはず。しかし、これも好ましい状態とは言えません

脳神経科学者のDaniel.J.Levitin氏は、マルチタスクを行なうとコルチゾールやアドレナリンといったストレスと関連する脳内物質が放出されやすくなり、思考に霧がかかったような状態に陥ると指摘します。また、同じ脳神経科学者のEarl Miller氏によれば、マルチタスクは意識の対象を高頻度で別のタスクに切り替えることになるため、脳の認知資源が無駄に消費されてしまうとのこと。そしてロンドン大学の研究では、マルチタスクによりIQが10ポイント近く下がることも指摘されています。

私たちが思う以上に、マルチタスクは脳にダメージを与えているわけです。とはいえ、別のことがつい気になってしまうのが人間の性質というもの。そこで、『SINGLE TASK 一点集中術』著者のデボラ・ザック氏がすすめる「パーキングロット」という手法をご紹介しましょう。

パーキングロットとは「駐車場」という意味。ある作業に取り組んでいるときにほかのことが頭に浮かんだら、あとで考えるためにそれを紙などに書き留めておくのです。ザック氏は、メモをとらず頭のなかだけで覚えておこうとすると本来の作業に集中できなくなると指摘します。一方で、書き留めておけば頭のなかがすっきりして気が散らなくなり、目の前のタスクに一点集中できるのだとか。

メモに残しておきさえすれば、それを忘れることはまずありません。心置きなく目の前の作業に集中し、それが一段落したら次の作業に取りかかるという “シングルタスク方式” で仕事を進めていきましょう。

仕事のNG習慣03

【NG3】休憩時間にまで仕事をしている

忙しいと、休憩時間にまでつい仕事をしてしまいがちですよね。一見すると空いた時間を有効活用しているように思えますが、疲れた脳にムチを打っているだけかもしれませんよ。

精神科医の樺沢紫苑氏は、朝から仕事をし続けていると、精神の安定や思考力に関わる脳内物質「セロトニン」の活性が低下してくると指摘します。これにより、イライラしたり怒りっぽくなったりするどころか、意欲も低下してしまうのだそう。

樺沢氏いわく、セロトニンは外出して日光を浴びたり歩いたりすることで再活性化するとのこと。そのため、散歩したりランチを食べに行ったりするのが、脳科学的に正しい休憩時間の過ごし方なのだそうです。ところが、休憩中もデスクに張りついたままだとセロトニン回復の機会が得られないため、セロトニンが不足した状態で午後を迎えることに。結果、高いパフォーマンスを発揮できなくなるというわけです。

自分では頑張っているつもりでも、「休憩時間の仕事」は脳に逆効果。リフレッシュを優先し、午後に備えるべきだと言えるでしょう。

先に挙げた散歩や外食のほか、20~30分程度の昼寝もおすすめです。上級睡眠健康指導士として活動する越野博文氏によれば、昼時に短めの睡眠をとることで集中力向上や作業効率アップが期待できるとのこと。睡眠には深さによってさまざまな段階がありますが、脳内の疲労がクリアされるのが、入眠からちょうど20分程度経過したタイミングなのだそうです。

仕事が忙しいときこそ、休憩をしっかり確保することを心がけましょう。

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当たり前にやっていた3つのNG習慣を、今日からぜひ改善していきましょう!

(参考)
THE21オンライン|「TODOリスト」は諸悪の根源だった? 本当に生産性が上がるタスク管理のコツ
The Guardian|Why the modern world is bad for your brain
Inc.com|Multitasking Is Killing Your Brain
ダイヤモンド・オンライン|いつも「集中できない」人は脳が縮んでいる!?
東洋経済オンライン|「デスクでお昼を食べる人」の仕事が遅いワケ
大正製薬|『パワーナップ』は効果的な疲労回復法。上手に利用して疲労回復につなげよう

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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