あなたの “自責グセ” はどのぐらい? 12項目で測るテストを紹介。低い人は要注意

富田拓郎先生インタビュー「セルフ・コンパッションの程度を測るテスト」01

近年、アメリカを中心に研究が進んでいる、「自分を思いやり、慈しむ」ためのメソッド「セルフ・コンパッション」。国内におけるセルフ・コンパッション研究の第一人者である中央大学文学部教授の富田拓郎(とみた・たくろう)先生は、セルフ・コンパッションの程度が高ければ仕事にも多くの好影響がある反面、その程度が低ければ悪影響が生じかねないと言います。

自分のセルフ・コンパッションはどの程度なのか? その疑問を解消するためのセルフ・コンパッションの程度を測るテストとあわせて、セルフ・コンパッションを高めるための方法を富田先生が紹介してくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹

すぐにできる「セルフ・コンパッション」テスト

「セルフ・コンパッション」は、心の平静を保てるようになることで、さまざまな側面から仕事に好影響を与えてくれるものです(『困難に弱い人には“この態度”が欠けている。自分を追い詰めないことが「強さ」を生む』参照)。どの程度自分を思いやることができているのか、自分のセルフ・コンパッションの程度を知りたいという人もいるでしょう。そういう人のために、セルフ・コンパッションの程度を測るテストを紹介します。

以下の文は、困難に直面しているとき、自分に対してどう感じたり考えたりするかを聞いています。各文をよく読み、自分がどのくらいの頻度でそうなっているかについて、各文の左側の空欄に1〜5までの数値で記入してください。(項目は有光ら(2016)より使用)

◆1セット目

富田拓郎先生インタビュー「セルフ・コンパッションの程度を測るテスト」02

   自分のパーソナリティーの好きでないところについては理解し、優しい目で見るようにしている
   なにか苦痛を感じることが起こったとき、その状況についてバランスのとれた見方をするようにする
   自分の失敗は、人間のありようのひとつであると考えるようにしている
   苦労を経験しているとき、必要とする程度に自分自身をいたわり、優しくする
   なにかで苦しい思いをしたときには、感情を適度なバランスで保つようにする
   自分自身にどこか不十分なところがあると感じると、多くの人も不十分であるという気持ちを共有していることを思い出すようにする

◆2セット目

得点の数値の意味が1セット目とは逆になっていることに注意してください。

富田拓郎先生インタビュー「セルフ・コンパッションの程度を測るテスト」03

   自分にとって重要なことを失敗したとき、無力感で頭がいっぱいになる
   気分が落ち込んだとき、多くの人がおそらく自分より幸せであるという気持ちになりがちである
   自分にとって大切ななにかに失敗したとき、自分の失敗のなかでひとりぼっちでいるように感じる傾向がある
   気分が落ち込んだときには、間違ったことすべてについて、くよくよと心配し、こだわる傾向にある
   自分自身の欠点や不十分なところについて、不満に思っているし、批判的である
   自分のパーソナリティーの好きでないところについては、優しくなれないし、いらだちを感じる

得点の算出方法
合計得点(12項目のすべての得点を足す)  
平均得点=合計得点÷12    

1〜5の5段階評定で、セルフ・コンパッションの平均値は3.0前後であり、これをもとに自分の得点を解釈してください。数値の大きさはセルフ・コンパッションの程度を表し、大まかな目安として、1〜2.5点なら低く、2.5〜3.5点なら平均で、3.5〜5.0点なら高いと言えます。

富田拓郎先生インタビュー「セルフ・コンパッションの程度を測るテスト」04

「セルフ・コンパッション」を高める「ひと休み」

結果はどうだったでしょう? もちろん、低い数値が出た人は注意が必要です。セルフ・コンパッションの程度が低い人は、なにかと自分を責めやすく追い詰めやすい人ですから、心の平静を保つことが難しくなる。そうすると、パフォーマンスも仕事に対するモチベーションも上がりにくくなりますし、なにかと他人とぶつかってトラブルを招くなど、ますます自分を責めるような状況に陥りかねません。

そして、心と体は有機的につながっているものですから、心の平静を保てなくなれば、体のどこかに異常をきたすということにもなります。はっきりした持病があるわけでもないのに体調を崩しやすいという人は、もしかしたらセルフ・コンパッションの程度が低いことがその原因かもしれません。

では、どうすればセルフ・コンパッションの程度を高めていけるでしょうか。そのためには、まず前回の記事で紹介した「瞑想」と「スージング・タッチ」をおすすめします(『困難に弱い人には“この態度”が欠けている。自分を追い詰めないことが「強さ」を生む』参照)。でも、どうしても合わないという人もいるかもしれませんから、ここでもうひとつセルフ・コンパッションのメソッドを紹介しましょう。

それは、セルフ・コンパッションにおいてひと休みと呼ばれるものです。最初に、「ちょっとしんどいこと」をイメージしましょう。本当にどうにも対処しようもないくらいしんどいことではなく、「最近、仕事がたまっていてきついなあ」といった「ちょっとしんどいこと」です。

そうしたら、その状況にある自分に対して、「しんどいね」「つらいよね」というふうに声をかける。そのようにいまの状況をきちんと認識したうえで、次の声がけをしましょう。こんな具合です。「この状況だったら誰でもしんどいよね」と。つまり、「こんな状況でしんどいと感じるのは自分だけではない」と感じるように意識して、自分を責めたり追い詰めたりしないようにするわけです。

わずか5分もあればできることですから、ぜひ試してみてください。もちろん、これも人によっては合わないこともありますから、無理にやる必要はありません。セルフ・コンパッションで最も大切なことは、「頑張ってやらないこと」、そして「自分が心地いいことだけをすること」ですから、その点をお忘れなく!

富田拓郎先生インタビュー「セルフ・コンパッションの程度を測るテスト」05

【富田拓郎先生 ほかのインタビュー記事はこちら】
困難に弱い人には“この態度”が欠けている。自分を追い詰めないことが「強さ」を生む
研究で判明「自分に優しい人ほど挑戦意欲が高い」。自らを慈しむための“30秒”のメソッド

【プロフィール】
富田拓郎(とみた・たくろう)
1968年8月15日、東京都生まれ。中央大学文学部心理学専攻 教授。博士(人間科学)、臨床心理士、公認心理師。1997年、早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程満期退学。国立精神・神経センター精神保健研究所社会精神保健部流動研究員および特別研究員、同司法精神医学研究部研究員、東京都スクールカウンセラー、関西大学准教授、同教授などを経て現職。専門は臨床心理学で、特に流死産によるグリーフ、トラウマ、マインドフルネスとコンパッションに関する研究を積極的に行っている。2019年1月に米国でマインドフル・セルフ・コンパッションの指導者養成トレーニングを修了。著書に『公認心理師試験 問題と解説』(学樹書院)などがある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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