「手で書きまくる人」がやっぱり強いワケ。記憶力・目標達成率で圧倒的に優位に立てる

「手で書きまくる人」がやっぱり強いワケ。記憶力・目標達成率で圧倒的に優位に立てる

パソコンやスマートフォンの普及により、手書きの機会は減少傾向にありますが……手書きにはさまざまなメリットがあることを忘れてはなりません。

「最後にペンで文字を書いたのはいつだろう……」という方に向けて、今回は手書きで期待できるメリットを4つご紹介します。手書きのよさを再発見し、勉強や仕事に取り入れていきましょう!

1. 手書きで「記憶力がアップする」

アメリカのプリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の共同研究により、講義のときに手書きでノートをとる生徒は、パソコンでノートをとる生徒よりも記憶が定着しやすく成績もよいことが判明しています。

これは、手書きだと内容を自分なりに咀嚼したり要約したりする作業が発生するから。パソコンは文字をすばやく入力していけるのが利点ですが、それゆえ見聞きした言葉を何も考えずにそのまま打ち込むだけになってしまいがち。この違いが差を生んだのではないかと、研究では考察されています。

また、脳神経内科医の長谷川嘉哉氏は、手書き特有の「ビジュアル」も記憶定着の助けになると説いています。

メモにしても、「あのことは、メモ帳の右上のほうにこんな色のペンでこんな感じの書き方でメモしていたな」というふうに覚えていることもあるでしょう。でも、決まったフォントのメモアプリだったとしたら、こうはいかないはずです。

(引用元:STUDY HACKER|医師「手書きが脳にいいのは当然」――脳を刺激する “最高のアナログ習慣” してますか?

学びの場では、やはり手書きが大切になってくるのですね。

手書きで記憶力がアップする

2. 手書きで「脳が活性化する」

前出の長谷川氏は、手書きにより脳の広い範囲が使われると述べています。

たとえば、何かを書こうと思ったら、書くべきことを記憶のなかから引っ張り出す必要があります。脳の海馬が刺激されるわけです。また、そのイメージを言語化して文章として構成しなければなりません。前頭葉が使われます

ここまではパソコンでも同じですが……手書きの場合はその後、漢字やひらがな、カタカナの使い分けを考えながら、あるいは各文字の大きさにも気を配ったりしながら1文字1文字を書き進める必要が出てきます。運動神経と連動しつつ、手指を使う細かい作業が続いていくのです。

長谷川氏は、パソコンやスマートフォンに文字を入力する場合は、「決まった法則に従って指先を動かせばいいだけなので、脳は働かない」と指摘しています。手書きは、いい具合に脳に負荷をかけて刺激を与えてくれる作業なのです。

手書きで脳が活性化する

3. 手書きで「目標達成率が高まる」

ハーバード大学が実施した興味深い研究があります。1979年に、学生たちを対象に「目標をもっているか」「目標を紙に書き出しているか」とたずねました。すると、目標をもっていると答えたのは16%で、かつ紙に書き出していたのは3%に過ぎなかったそうです。そして10年後、彼らの状況を追跡調査。その結果、目標を紙に書き出していた3%の人たちの平均年収は、その他の人たちのじつに10倍にも達していたことが判明しました。

心理カウンセラーの中島輝氏は、その理由は「プライミング効果」にあると分析しています。これは、潜在意識によって人の行動が変わるという理論。つまり、紙に書かれた目標を目にし続けることで刺激を受け、「私はこういう目標をもっている!」「そのために◯◯をしなければ!」という具合に行動が自然と促されるのです。

夢や目標を心のなかにしまっておくのは、じつはとてももったないこと。具体的な内容をぜひ紙に書き出し、目につきやすい場所に貼ってみるのもいいかもしれませんね。

手書きで目標達成率が高まる

4. 手書きで「不安感が軽減する」

テキサス大学教授で社会心理学者のジェームズ・ペネベイカー氏は、複数の失業者を対象に、毎日20分ずつ5日間にわたって自分の気持ちを書かせるという実験を行ないました。そして8か月後に、再就職できた人の割合を調査。すると、何もしなかった群と比較して、再就職率がはるかに高かったことが判明したのです。

また、ペネベイカー氏が実施した別の調査では、自分にとって最も意味のあった個人的体験について15分間書くということを数日間行なった学生は、体調がよくなり学業成績も上がったこともわかっています。

このように、自分自身について紙に書き出す行為を「ジャーナリング」と呼びます。自分の思考や感情を客観視することで、不安感を軽減したり前向きな気づきを得たりすることができるのです。

マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事の萩野淳也氏は、ジャーナリングのポイントのひとつとして、悩みや将来の夢など「自分の内面を掘り下げる」ものをテーマに据えることをすすめています。そして、誤字脱字は気にせず、頭に浮かんだことをあるがままに書くといいのだそう。なんだか不安でもやもやする……そんな人には、ジャーナリングという手書き習慣がよさそうですね。

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「手書き」のさまざまなメリットを紹介しました。ペンと遠ざかっていた人は、ぜひペンを手に取って何かを書いてみてください。

(参考)
ハーバード・ビジネス・レビュー|なぜ、手書きのメモはノートPCに勝るのか
STUDY HACKER|医師「手書きが脳にいいのは当然」――脳を刺激する “最高のアナログ習慣” してますか?
プレジデント・ウーマン|なぜ目標を紙に書く人は年収が10倍になるのか
東洋経済オンライン|脳機能の低下を防ぐには「手書き」が有効だ
チャディー・メン・タン, ダニエル・ゴールマン 著, 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート 監修, 柴田裕之 翻訳(2016),『サーチ・インサイド・ユアセルフ』, 英治出版.
NIKKEI STYLE|書く瞑想、ジャーナリング 集中力高め仕事効率を改善

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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