部下の心をつかむ! 若手社員とうまく働ける上司の3つの行動

若手社員に距離を感じている上司

「若手社員との心の距離を感じる……」
「自分と価値観が異なるZ世代の部下を、どう扱えばいいかわからない……」

世代が違う他人とは、見てきたもの、体験してきたことが異なります。若手社員の理解が難しいと悩む人は多いかもしれません。

今回はそんな方々に向け、どんな若手社員ともうまく働ける上司がやっていることを、3つ紹介します。これらの方法は、世代間のギャップを埋め、職場の活性化につながる実践的なアプローチです。

ベテラン社員の経験と若手の新しい視点を融合させ、より強い組織づくりを目指す上司の皆さまに、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

1. こまめに声をかけている

若手社員が心を開いてくれないと感じるなら、まず自分からこまめに声をかけることから始めてみましょう。気にかけていることを言動で示すのです。これは単なる親切さだけでなく、企業にとっても重要な取り組みです。

株式会社PHP研究所 経営共創事業本部 本部長の的場正晃氏によると、若手社員とのコミュニケーション不足は業績低下や離職につながる可能性があります。*1

実際、厚生労働省の資料でも、2020年に大学を卒業した就職者の、就職後3年以内の離職率が前年比0.8ポイント上昇していることが報告されています。*2

この問題に対処するため、的場氏は若手社員の承認欲求を満たすことを提案しています。具体的には:

  • 名前を呼んで挨拶する
  • 相手の変化に気づく
  • 感謝の言葉をかける

こうした行動は、若手社員の自己肯定感と意欲を高め、徐々に心を開いてもらうきっかけになります。*1

実践例:

  • 「○○さん、おはよう」と自分から声をかける
  • 「議事録ありがとう」など、小さなタスクにも感謝を伝える
  • オンラインでも積極的にコメントや感謝を示す

若手社員に安心感を与えることで、職場への定着や組織力アップにつながります。ぜひ試してみてください。

部下に安心感を与え、笑顔にしている上司

2. 個々の考えや特徴を把握している

「Z世代はプライベート重視だと聞くので、懇親会に誘うか悩む。価値観が違う若手には何かと気を使うな……」

こんなふうに、若手社員の考えを勝手に決めつけてしまうと、いつまで経っても部下の本音を理解できないかもしれません。それどころか、適切に組織を束ねることも難しくなってしまうのではないでしょうか。

若手社員、主にZ世代の研修を手がける北宏志氏によると、部下の考えがわからない人は、単にわかろうとしていない可能性もあるとのこと。そこで、部下とのジェネレーションギャップを埋める手段として北氏がすすめているのが、部下それぞれの考えを積極的に知ろうとすることなのだそうです。

たとえば、次のような “部下に関する情報” を埋めてみるといいのだとか。

  1. 氏名(フルネーム)
  2. 入社(転職)の動機
  3. 将来の夢や目標(公私を問わず)
  4. 現在の関心事(公私を問わず)
  5. 休みの日の過ごし方
  6. 現在の悩み(公私を問わず)
  7. 仕事のモチベーション

この情報収集を実際に行ってみると、部下について意外と知らないことが多いことに気づくかもしれません。

この取り組みを通じて、部下一人ひとりの考え方や特徴を理解することで、若手社員の中にも多様性があることが見えてくるはずです。そして、その理解に基づいて個々の特性に合わせた指導ができれば、より良好な関係構築につながるでしょう。

北宏志氏は興味深い指摘をしています。上司が理解しようと努力していることを部下が感じ取るだけでも、心理的な距離が縮まるのだそうです。世代や立場、背景が異なるから共感できないのは当然だと諦めてしまうのは早計かもしれません。部下を理解しようとする姿勢を持ち続けることが、良好な関係づくりの第一歩となるのです。

(参考および引用元:STUDY HACKER|「Z世代の部下が何を考えているのかわからない……」と悩む上司が知るといい7つのこと

よく話し合い、お互いの理解を深めている先輩と後輩

3. 若手社員から学ぼうとしている

先輩は教える立場、後輩は教わる立場という考えに固執するのはもう古いかもしれません。関係性をよくしていきながら若手社員に活躍してほしいなら、ときには若手社員から学ぶことも大切です。

リバースメンタリングをご存知でしょうか。これは、スリーエム ジャパン、P&G、資生堂など、大手企業も組織の活性化のために導入している取り組みで、「若手社員がメンターとして、メンティーである先輩社員に助言を行う教育支援制度」のことです。

つまり、上司と部下、先輩と後輩が立場を逆転させ、助言や指導を行なうわけです。

こうすることで、ベテラン社員は、苦手なデジタルスキルを学ぶことができ、若い世代の価値観なども知ることができるので、若手社員の離職防止にもつながると考えられています。*3

制度の導入には企業単位の対応が必要ですが、それがなければ、若手社員に教えてもらおうという姿勢で接するだけでも、いい方向に進めるかもしれません。可能であれば、デジタル分野の知見や新たな発想が求められるプロジェクトリーダーを、若手社員にしてもいいでしょう。

こうした試みは、若手社員に「先輩・上司から頼りにされている」「自分の能力を発揮できている」と感じさせ、意欲増進にもつながるはず。エンゲージメント向上も期待できるはずです。

組織を活性化させたいなら、ぜひ頭を柔らかくして、若手社員から学ぶことを取り入れてみてください。

***
どんな若手社員ともうまく働ける上司がやっていることを3つ紹介しました。できそうなことから、少しずつ実践してみてはいかがでしょう。

【ライタープロフィール】
こばやしまほ

大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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