絶対に「やってはいけない」新年の目標の立て方3選。意外にも “○○な想像” は NGだった

やってはいけない目標の立て方01n

年の初めに「今年の目標」を立てる人は、多いのではないでしょうか。自分の望むような人生を送りたい、そのために一歩ずつ目標達成していきたいというのは、誰もが願うことだと思います。

しかし一方で、年始には意気込んでいるものの、年末になると「今年も目標を達成できなかったな」と嘆く人も少なくないはず……。なぜそのような結果を招いてしまうのでしょう。じつは、やってはいけない目標の立て方があるのです。

今回は「1年の目標を立てて実りある年にしたい!」と願っている人に向けて、やってはいけない新年の目標の立て方をご紹介します。

【やってはいけない目標の立て方1】書き出さない&誰にも共有しない

目標を頭のなかだけで立てている人はいないでしょうか。ハーバード大学の研究によると、目標は考えているだけよりも書き出したほうが、5倍も実現する可能性が高くなるそう。

ほかにも、カリフォルニアのドミニカ大学心理学教授のゲイル・マシュー博士は、目標を書き出している人は、そうでない人に比べて成功しやすいと提言しています。成功というと、収入アップや仕事での出世を思い浮かべるかもしれません。ですがここで言う目標には、心配事を減らす・新しいスキルを身につける・プライベートを充実させるなど、幅広いものが含まれるのだとか。

目標は決めるだけに留まらず、今年の手帳に書き出したり、紙に書いてデスクの見える位置に貼り付けておいたりするのがよさそうですね。

さらにマシュー博士は、目標を書き出すのに加え、その目標を友人と共有することをすすめています。同氏の研究によると、定期的に友人に目標の進捗を報告する人たちは、そうでない人たちに比べて目標達成の確率が上がることが判明したそう。

たしかに自分だけが目標を認知している状態よりも、友人に共有したほうがコミット感が生まれますし、頑張るモチベーションになりますよね。

やってはいけない目標の立て方02

【やってはいけない目標の立て方2】「行動計画」を立てない

目標を達成するためにとる具体的な行動を決めていますか? 目標を書き出すのと同時に、「行動計画」を立てることも重要です。

教育関連のITシステム構築やコンサルティングを行なっている株式会社ネットマンの社長で、『科学的にラクして達成する技術』などを著書にもつ永谷研一氏によると、行動を実践できるかどうかは、行動計画を立てた時点で9割も決まるのだとか。永谷氏いわく、行動計画は「誰がやっても、同じ行動をとることになる」くらい明確な言葉で表現する必要があるそう。

また、「曖昧な言葉を使わないこと」「行動を具体化すること」も大切だそう。たとえば「心がける」「意識する」などはNGワードです。両方とも大事なことですが、具体的にどう動くのかを示せていませんよね。「心がける」「意識する」は実際の行動ではないので、実践に結びつかないのです。

今年の目標が「TOEICで750点以上とること」であれば、「空き時間に単語を勉強するよう心がける」「なるべく頻繁に英語に触れるよう意識する」という行動計画ではなく、「単語帳を持ち歩いて通勤時間に勉強する」「毎日、出社前に10個単語を覚える」など、具体的で目に見える行動を決めてください。

たとえ立派な目標を立てたとしても、そこに到達するまでの道のりを計画しなければ、目的地に向かうことは難しいでしょう。目標とセットで「行動計画」を立ててくださいね。

やってはいけない目標の立て方03

【やってはいけない目標の立て方3】不測の事態に備えない

最後のポイントとして挙げたいのは、意外と着目する人が少ないであろう不測の事態に備えることです。

ニューヨーク大学およびハンブルク大学の心理学教授であるガブリエル・エッティンゲン博士は、目標に向かっている途中で起こりうるネガティブなことを想像したほうが、目標を実現するのに有効であると述べています。いざ計画を実行してみてうまくいかないことがあったりつまずいたりしたときのために、立ち上がる方法を前もって考えておくのです。

加えてエッティンゲン博士は、「ポジティブな想像をしていると目標達成の妨げになる」と言います。成功した自分を思い浮かべ、それだけで満足してしまうからだとか。新年の目標といえば前向きな想像をする人は多いはず。気をつけたほうがよさそうですね。

不測の事態に備えるためには、行動計画とともに以下の2ステップを書き出しておくのがおすすめです。

  1. 目標達成までの一番の障害を見つける
    ポイントは、自分の内面的な障害を思い浮かべること。疲労や不安かもしれませんし、行動、感情、強迫観念、衝動、悪習慣なども考えられます。
  2. その障害を乗り越えるために自分ができる最も効果的なことを決めておく
    どのような場面でその障害が起きるか具体的に想像し、「障害Xが起きたら、行動Yで乗り越える」といった具合に、心づもりをしておきましょう。

たとえば、行動計画に「毎朝30分早く起きて単語を10個覚えてから出社する」と決めている場合。考えられる障害としては、「朝起きることができない」「やる気がなくなってしまう」などがあるでしょう。それを乗り越えるために、「コーヒーマシーンを買って、朝一番でおいしいコーヒーを飲むのをモチベーションにする」「オンラインの英会話レッスンを入れて、覚えた単語を使う機会をつくる」など、諦めそうになる局面でできそうなことを決めておくのです。

決してネガティブになる必要はありませんが、うまくいかなかったときの対策をもっておくことは、安心感や自信にもつながるはずです。上記のポイントを守って、計画倒れを防ぎましょう。

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今回は新年の目標を立てるときにやってはいけないことと、代わりにとるべき具体策をご紹介しました。「年始はやる気に満ちていたのに、時間が経つにつれて目標設定したことすら忘れてしまった」なんてことに、今年こそはならないようにしてくださいね。

(参考)
sidsavara.com|Why 3% of Harvard MBAs Make Ten Times as Much as the Other 97% Combined
Dominican University of California|Study focuses on strategies for achieving goals, resolutions
東洋経済オンライン|目標達成できない人が使う5つの「残念ワード」
高田晋一の成功データ研究所|科学的な目標達成メソッド「WOOP」とは?
ガブリエル・エッティンゲン 著, 大田直子 訳(2015),『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則』, 講談社.

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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