ここ一番でうまくいかないのは事前に○○していないから。タフな精神は “この3つ” でつくれる!

タフな精神の作り方01

社運のかかったプレゼンテーション、億単位の商談、年に一度のPRイベント……。「絶対成功させるぞ」と意気込むとき、ありますよね。でも、そのようなときに限って、気負いすぎて空回りしがちです。

そんなときこそ、アスリートのメンタル・トレーニングの方法を参考にしましょう。彼ら彼女らの強靭なハートは、先天的というよりは後天的に身につけたものなのです。

ここ一番の場面に遭遇したら、今回ご紹介する3つのアスリートのメンタル・コントロール術をぜひお試しください。

1. 事前に宣言することで意図的に自分を追い込む

人間は、窮地に追い込まれたとき、普段考えられないほどのパワーを発揮します。このことをうまく表現した言葉が、火事場の馬鹿力。じつは、意図的に「火事場の馬鹿力状態」を作り出している有名アスリートがいます。

その人物は、日本サッカー界のスーパースターの本田圭佑氏。W杯で3大会連続得点を決めた実績の持ち主ですが、その輝かしい実績の裏には次のような逸話があります。

話は、中学時代にさかのぼります。当時の本田氏は、所属していたJリーグチームのジュニアユースからユースへの昇格が叶いませんでした。しかし、ライバルの同級生は、ユースに昇格し、一足先に日本代表デビューしていたそうです。

ただ、そんなことでめげるほど、本田氏はヤワではありませんでした。当時、先を行くそのライバルとは大きな差がついていたにもかかわらず、本田氏はライバルを追い抜いて日本代表に入ることを人前で宣言。そして見事、それを実現させました。本田氏が日本代表の中心選手となり、同期のライバルは代表から外れたのです。

もし実現できなければ、周囲から「口だけのビッグマウス」と言われかねなかったでしょう。それでも、本田氏は宣言し、あえて己に大きなプレッシャーをかけました。

メンタリストDaiGo氏によると、このような「パブリック・コミットメント」は、とても有効だそうです。たとえば「自分はこれからこういうことをします!」「こんな人間になります!」と書いて、LINEで送ったり、ブログやFacebookで公表したりすると、約束を守る確率が飛躍的に上がります。人間は、書いたり公表したことに対して責任を取ろうとするのです。

仕事も同様、何も宣言していなかったら、ぬるま湯に浸かってしまうことにもなりかねません。宣言をして、逃げ道を断ち切ることで、自らを追い込むことができるのです。たとえば、営業で「新人部門No.1の売り上げを達成する」と宣言することも有効でしょう。すると、自然に「トーク術をみがく」「積極的に売り込みをかける」など、宣言達成に向けた努力をせざるを得ない状況に自分を持っていくことができますよ。

タフな精神の作り方02

2. ネガティブな感情はあえて口に出す

大きな挑戦をするとき、ネガティブな感情はつきものです。

たとえば、会社を辞めて独立する場合、大きなプレッシャーがかかります。会社という組織に属していれば、周りのフォローがあるもの。しかし、独立するとなると、自分で全て決めていかなければなりません。その重圧に負けて、体調を崩してしまう人もいます。そのようなネガティブ感情は、どうやって処理していけばいいのでしょうか。

ここで参考になるのが、2018年に開催された平昌オリンピック男子フィギュアスケートで二連覇をはたした羽生結弦氏。これまでの羽生氏は、競技人生の中で、怪我や病気など、さまざまなトラブルに見舞われてきました。

羽生氏が不利な状況に打ち勝てる要因は、ネガティブな感情を素直に受け入れることにあります。テレビのインタビューにおいて、羽生氏は「つらいときは、それを認める」「怖いけど、それを払拭しようとは思わない」と答えています。試合時の羽生氏は、自身が緊張していることを認めて、その理由を口に出すことで本番に挑むそうです。要するに、「もっと自分の気持ちに正直になれ」ということでしょう。

たとえば、大切な商談の場に向かうときは、部下の前で「めっちゃ緊張する」と口に出してしまえばいいのです。変に肩ひじを張らないこと。弱気になっている自分の姿を部下に見せていけないなんて決まりはありません(もちろん、むやみに見せるのも考えものですが……)。そう考えると、ホッとしませんか。 

気持ちを吐露することは、心理学の世界でもいいとされており、カタルシス効果(精神の浄化作用)があります。これは「心の中に溜まっていた澱(おり)のような感情が解放され、気持ちが浄化されること」を意味し、精神療法でも使われています。

ネガティブな感情は、まず受け入れましょう。無理にして心の奥に閉じ込めないことです。すると、落ち着いてきて、冷静さを取り戻せますよ。

タフな精神の作り方03

3. 心理的スキルを使って「ゾーン(超集中状態)」に入る

スポーツの世界では、集中力が極限まで高まっている超集中状態を「ゾーン」と呼びます。前述の本田氏は、W杯のときゾーンに入って「ボールが止まって見える」状態になっていたとのこと。オリンピックで金メダルを取るようなトップ選手たちを対象にした調査では、驚くべきことに79%もの人が、自ら意識的にゾーンに入ることができると答えているそうです。

東海大学体育学部教授の高妻容一氏は、心理的スキルで意図的に「ゾーン」に入る方法をいくつか紹介しています。ここでは、リラクセーション(心を落ち着かせる)とサイキングアップ(気持ちを高ぶらせる)に着目した方法をご紹介しましょう。

この方法は、「リラクセーションで心を落ち着けて集中し、無心の状態を一度つくってから、サイキングアップでやる気を高め、気持ちをのせる」というもの。高妻氏は、「リラクセーションとサイキングアップはセットで行なわなければ本来の意味を成さない」と言います。

リラクセーションとは、音楽を聴いたり、互いに褒め合ったり、笑顔を作ってみたり、自分の体を自分でマッサージしてみたりすることです。もうひとつのサイキングアップとは、軽快な音楽を使って気持ちをのせて音楽に合わせて体を動かしたり、手を叩いたり、ジャンプしたりすること。

高妻氏によると、リラクセーションによってプレッシャーのかかる場面で平常心を保つことができ、サイキングアップによって実力を発揮する気持ちのノリをつくれます。緊張しすぎても体は動かないし、リラックスしすぎても力が出せません。適度に緊張し、適度にリラックスした状態のときに、ゾーンに入ることができるのです。

ちなみに、リラクセーションとサイキングアップの本質をつかみ、いつでもどこでもできるようになるには、最低3年はかかるそうです。しかし、この方法を導入することで、効果は比較的すぐ実感できると言います。

ゾーンに入ることは、多くの人にとって、難しいかもしれません。しかし、大事なプレゼンの前など、一度心を静めたうえで、気持ちをのせ、心を整えることは、私たちにもまねできます。そして、それは意図的にできるのです。

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一流アスリートたちは、もともと心が強いというよりは、心を強くする方法を使って鍛えています。今回紹介した方法を実行すれば、大事なプレゼンテーションや商談も、きっとうまくいくでしょう。

(参考)
DIAMOND online|本田圭佑のビッグマウスに隠された、チームメイトだけが知る真の姿
AII About|羽生結弦選手もやってる!感情コントロールの3ステップ
サカイク|吉田沙保里に学ぶ!超集中状態"ゾーン"に入る方法
WEB MAGAZINE|気持ちはトレーニングで コントロール可能になる。 ~『理想的な心理状態(ゾーン)』をつくりだす~
Mentalist DaiGo Official Blog|夢がかなう、紙とペンの使い方とは?
WORD-WISE WEB|第36回 カタルシス

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEB上で活用することを目標としている。

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