「勉強できる大人」と「勉強できない大人」の違いは “この3つ” で生まれる。

「大人になっても勉強できる人」がしている3つのこと01

キャリアアップを目指して勉強したいが、毎日忙しすぎて、勉強に費やせる時間がない。同僚との関係や仕事で疲れて、勉強へのモチベーションがまったく湧かない。そんな状況に悩む「勉強できない大人」

どれだけ忙しくても、疲れていても、変わらず学習意欲をもち続けられる「勉強できる大人」

両者の差はいったいなんでしょう? 今回は、「大人になっても勉強できる人」がしていることを3つご紹介します。じつは彼らは、「大人になったら勉強できなくなった人」がしていない “あること” を実践しているのです。

【1】自分の “性格を理解” したうえで勉強を習慣化する

勉強できる大人になりたいなら、「自分の性格を理解したうえで」勉強の習慣化に取り組みましょう。グロービス経営大学院経営研究科研究科長の田久保善彦氏によれば、勉強でも運動でも、習慣化はまず「自分の性格」を把握するところから始めるべきなのだそう。

自分の性格を理解しないまま習慣化に挑むと、たとえばこのような問題が起きます。

毎日問題集へ手をつけるぞと意気込んでいたのに、仕事で疲れることが多く、実際にできたのは最初の3日間だけ。考えてみれば自分は、何事も「面倒くさがり」な性格だったっけ……。

このように、自分に期待しすぎて、習慣化に失敗してしまうのです。これでは、いつまでたっても勉強できる大人になれなくて当然ですよね。

田久保氏は、自分の性格を理解したうえで勉強を習慣化するための手順を次のように示しています。

  1. 「なぜ習慣化するのか?」「自分はどんな性格か?」を考える
    勉強に取り組むべき理由を言語化する。次に、過去の経験から自分の性格を分析する。
    例「昇進には〇〇の資格が必要なので、これから地道に勉強していきたい。ただ自分は非常に面倒くさがり。受験勉強でも、少しうまくいかないだけで嫌になりやる気をなくしがちだった」など

  2. 自分に合った目標を立てる
    大きすぎる目標は挫折のもと。学習環境や自分の性格を考慮して、確実に無理なく続けられる目標を立てる。
    例「普段は仕事で忙しく疲れやすい。1カ月後までに資格試験のテキストを1周読めたら上出来」など

  3. 自分の性格に合った勉強法を編み出す
    自分なりに勉強を続けるためのやり方を考える。
    例「資格試験のテキストを1日3ページ読む。面倒くさがりだし忙しいので、読めない日があったとしても、1週間トータルで15ページ読めればOKとする。読んでいきなりすべてを理解しようともしない」など

学生の頃は、わざわざ自分の性格を気にしなくても、勉強が本業なので問題なかったかもしれません。ですが、仕事のある大人は違います。性格や環境をふまえて、勉強し続けられる仕組みをつくり出しましょう。

「大人になっても勉強できる人」がしている3つのこと02

【2】願望を “過去形” で書き出す

大人になっても勉強できる人になるために、自分の「願望」を書き出してみてください。願望を書くだけで勉強が続けられるはずがないと思うかもしれません。たしかに、それ “だけ” ではできるようになりませんが、勉強が自分の願望を叶えるための手段であることを再確認できます

このように伝えているのは、漫画家・イラストレーターのただっち氏。毎日ノートに願望を書き出しつつ勉強を進めたところ、主婦業や仕事と両立しながら東京大学大学院にたった3ヶ月で合格できたのだとか。

ただっち氏は、義務でも誰に頼まれたわけでもない勉強を、大人になってから自発的に行なうのはハードルが高いと指摘します。だからこそ役に立つのが、願望を書き出す習慣。「勉強をしてどうなりたいのか」という熱い気持ちを意図的に思い出すことが、モチベーション維持に有効なのだそうです。

ただっち氏によると、願望を書き出す際のポイントは次の3つ。

  • 箇条書きで書く
  • 何も考えず、思いついたままに書く
  • 過去形で書く

最も重要なのが「過去形で書く」点。実現可能性は無視して、すでに願望が叶ったかのように書くのがコツなのだそう。「半年後の資格試験に合格した」「早起きして読書できた」といった感じで書けば、願望が叶って当然だと脳に思い込ませることができ、やる気が湧いてくるのだと言います。さらに、ワクワクするようなプラスの気持ちをより高めるために、勉強と直接的には関係がない願望も一緒に書き出してよいとのこと。

加えてただっち氏は、前述の田久保氏が示すように、自身の性格に目を向けて勉強を習慣化していたと言います。自身を「飽きっぽく、やる気がすぐにしぼみやすい性格」だと分析。簡単に達成できるレベルのノルマを設けることで、ポジティブな気持ちを維持しつつ勉強に取り組んでいたそうですよ。

「大人になっても勉強できる人」がしている3つのこと03

【3】“5つの要素” に着目して集中力をコントロールする

「大人になったら、勉強になかなか没頭できなくなったなぁ……」と感じていませんか? 大人になっても勉強を続けられる人になるには、周囲の環境を自分なりに調整しながら集中力を維持することが大切ですよ。

精神科医・医学博士として、ハーバード大学で20年以上にわたり講師を務めた経験をもつエドワード・M・ハロウェル氏は、デジタル社会に特有の絶え間ない要求や誘惑によって、「集中力低下」の状態に陥ってしまうケースがあると指摘しました。ハロウェル氏は、その状態を「ADT(注意欠陥特性)」と1994年に名づけています。

ADTの特徴は、周囲の環境次第で誰にでも起こりうる点。たとえば、

「学生の頃は長時間集中して勉強できたのに、最近はうまくいかない」
「罪悪感やイライラで気が休まらず、勉強をこなすのが以前よりも難しくなった」

といったことに思い当たる人は、一時的にADTの状態へ陥っている可能性があるかもしれません。

ハロウェル氏によれば、ADTに見られる「集中力低下」と戦ううえでは、次の5つの要素に着目すべきなのだそう。

  1. エネルギー
    どうでもよいタスクに脳の大きなエネルギーを浪費しない
    例:難しい問題を、わからないのにいつまでも考え続けない。

  2. 感情
    ハロウェル氏いわく、感情は学習や能力発揮における電源スイッチのようなもの。不安のような否定的な感情は集中力低下を招くので、避ける
    例:「自分は試験を乗り越えられるだろうか」ではなく「自分は試験を乗り越えられる!」と考える。

  3. エンゲージメント
    人は、好きなことや得意なことに集中できるものなので、集中したい事柄に対して興味とやる気を抱く(これを「エンゲージメント」と呼ぶ)ことが大切。
    例:嫌な勉強を無理に頑張ろうとしない。

  4. 仕組み
    たくさんの余計な物事に注意を削がれることなく集中するために、「どのように時間を費やすか」「いつ休憩をとるか」「どんな優先順位で取り組むか」「誰に手伝ってもらうか」などの行動パターンを仕組み化する。

  5. コントロール
    自分の時間の使い方をきちんとコントロールする。
    例:スマートフォンでSNSをチェックするのは、大量の時間と集中力の無駄づかいなのでやめる。

この5つの要素のバランスをとることができれば、集中力を高い状態にもっていけるとハロウェル氏は伝えています。「大人になったら勉強できなくなってしまった……」というあなたは、どれかの要素が欠けていたり足りなかったりしていないか、振り返ってみてください。「大人になっても勉強できる人」になるカギは、頑張りよりも集中力ですよ。

***
3つの方法を参考に、「大人になっても勉強できる」側のビジネスパーソンをぜひ目指してみてくださいね。

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

(参考)
GLOBIS CAREER NOTE|習慣化はメリットだらけ!3つのコツをおさえて理想の自分になろう
プレジデントオンライン|たった3カ月で東大院に合格した主婦の「勉強の4つのコツ」
プレジデントオンライン|「東大院に合格した」とノートに書いたら、たった3カ月で本当に合格した
東洋経済オンライン|集中力が続く人と続かない人の決定的な差
エドワード・M・ハロウェル著(2016), 『ハーバード集中力革命』, サンマーク出版.

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