脳科学者が提唱「やる気を出す脳」の育て方。“4つの習慣” で脳の重要部位を刺激せよ

モチベーションを維持する方法01

「勉強しようと一度は決めたのに、やる気が出なくて始められない」
「自分で目標を決めたはずなのに、いつも三日坊主になってしまう」
このように、勉強になかなか取りかかれず困っている方はいませんか?

モチベーションは、気持ちだけでは決して維持できないもの。今回は、モチベーションの仕組みについて科学的に解説し、やる気をいつでも発揮できる効果的な方法をご紹介します

科学的に見る「モチベーション」

「モチベーション」は「動機づけ」「刺激・やる気」のことを指します。では、科学的に見ると、いったいどのようなものなのでしょうか。

精神科医の樺沢紫苑氏よれば、モチベーションは、主に「ドーパミン」という脳内物質によってもたらされるとのこと。中脳辺縁系の「側坐核」と言われる脳の部位がドーパミンで刺激されると、モチベーションが上がるそうです。

同時に、モチベーションを高く保つには、不快を避ける役割を担うノルアドレナリン、そして心の安定や調整を行なうセロトニンといった脳内物質の働きも重要だと樺沢氏は指摘します。これらの脳内物質は、ドーパミンがモチベーションに機能するのを支える役割ももっているのだとか。

このように、モチベーションは脳内物質と深い関わりがあるため、モチベーション維持のためには脳科学的なアプローチをとることが大切になってきます。具体的にどうすればいいのでしょうか?

モチベーションを維持する方法02

【方法1】「目標」を設定する

脳科学者の澤口俊之氏は「目標設定」をすすめています。理由は、ドーパミンを脳から分泌させられるだけでなく、「やる気を出す脳」を長期的に育てることができるから。ただし、目標設定を行なううえで注意すべきポイントが2つあります。

ポイント1:レンジ法で目標に幅を持たせる

目標を設定するうえで澤口氏が推奨するのが「レンジ法」。レンジ法とは、自分の設定する目標値の上下に幅をもたせる方法のことです。厳密に設定せず幅をもたせることで目標をより達成しやすくなり、挫折の機会を減らせる効果があります。

たとえば、「この問題集を1ヶ月のうちに終わらせる」という目標だと、勉強を進めるにつれ達成のハードルが高いと感じてしまう可能性もあるでしょう。しかし、「この問題集を1ヶ月で少なくとも100ページ以上はやる」のようにある程度の幅をもたせておくと、気持ちに余裕ができモチベーションを維持しやすくなるのです。結果として、初めに設定した目標よりも高い到達点へたどり着くことができるはず。

ポイント2:新しく、より難しい目標を設定する

前述の精神科医・樺沢紫苑氏は、ドーパミンを効率よく分泌させる習慣として「新しい目標をすぐ設定すること」が重要だと伝えています。

樺沢氏によれば、目標を達成したことに満足したり、「現状維持でいい」と思ったりした途端に脳はドーパミンを出さなくなってしまうそう。反対に、現在の自分に満足せず高みを目指し、より困難な目標を設定すると、ドーパミンはさらに分泌され、モチベーションも高まると言います。

たとえば、資格の勉強をしていて、「この問題集を今週中に終わらせる」という目標を達成したとします。そこで「できた!」と満足して終わるのではなく、「今週は過去問を3年分解いてみる」といったように新しい目標をすぐに設定してみましょう。すると、ドーパミンは脳からまた分泌されるようになり、以降もモチベーションを維持し続けられるというわけです。やる気が長続きしない方は、少し高めの目標を次々と設定してみましょう。

モチベーションを維持する方法03

【方法2】努力の対価として「報酬」を設定する

前出の澤口氏は、人がやる気を出すのは「報酬への期待を感じたとき」だと言います。たとえば、ある資格を獲得したとき、「就職に有利になる」という報酬を得られることが想像できますよね。このように、目標設定だけでなく達成したあとの報酬を意識することでも脳はドーパミンを分泌し、やる気や決断力・思考力を向上させてモチベーション維持につながるのです。

また澤口氏によれば、目標を達成したあとの自分に「具体的なご褒美」を与えることが有効なのだそう。前出の樺沢氏も、脳がどうしてもやる気を出さないときには意図的に報酬を与えるシステムをつくるべきと述べています。

報酬から得られる快感を意識しやすいよう、たとえば、「このレポートを作成し終わったら、好きな本を1冊買ってもいい」「試験勉強を一生懸命頑張ったら、試験が終わったあとに旅行へ行こう」のように、具体的に設定してみてください。

モチベーションを維持する方法04

【方法3】脳の「淡蒼球」を刺激する

東京大学大学院薬学系研究科教授の池谷裕二氏は、飽きっぽいのは脳の働きによるものであるため、脳の働きを刺激してやる必要があると言います。

具体的には、やる気や気合いといったエネルギーを生み出すと言われる「淡蒼球(たんそうきゅう)」という脳の部位を刺激することが必要です。しかし、淡蒼球は自分の意志では左右できないため、淡蒼球が働くよう、以下の4つの習慣によって準備を整えなければなりません。

1つめの習慣は、身体を動かすことです。池谷氏によれば、身体は脳の働きの主導権を握っているそう。身体を動かすこと、もしくは動いているという意識によって脳は活性化するため、朝のランニングなど、日常生活に運動を取り入れるとよいでしょう。

2つめは、日常生活のあらゆる経験を「海馬」に蓄積させていくこと。海馬は、脳のなかで最も重要な指令を下す機能をもちます。勉強などで海馬に情報を届けると、脳は活性化するそうです。

そして3つめが、先ほどもお伝えした報酬を設定すること。報酬に対する喜びは「テグメンタ」という脳の部位を活性化させ、快楽物質のドーパミンが分泌されるようになります。そのドーパミンは、淡蒼球に直接働きかける作用があるのです。

4つめは「イデオモータ(Ideomotor)」という要素です。これは、成功イメージを具体的に強く念じることで、それに付随して自然とやる気が起こるというもの。「この勉強を1ヶ月間毎日続ければ、資格試験にきっと合格できるはず」と自分の成功した姿を思い浮かべれば、絶対に達成しようとモチベーションを維持できるはずです。

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モチベーションは行動力の源泉とも言えます。モチベーションの科学的な側面について理解し、脳科学的にモチベーションを維持していきましょう!

(参考)
BiZHiNT|モチベーションの意味とは?低下の要因や上げる方法、測定手法や企業施策までご紹介
THE21ONLINE|脳科学から見えてきた!やる気を高める4つの方法
PRESIDENT Online|池谷裕二が指南!やる気が出る「脳」のだまし方
樺沢紫苑(2010), 『脳内物質仕事術』, マガジンハウス.

【ライタープロフィール】
YOTA
現在、大学の法学部にて法律を専攻中。哲学や心理学にも興味があり、個人的にアドラー心理学を学習中。趣味は音楽を聴くことやお笑い鑑賞。

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