「思考停止状態」を引き起こす4つの仕事習慣。効率のことしか頭にない人は要注意

仕事で「思考停止してる」ことがバレバレな行動4つ01

「私は、ものをよく考えるほうだから」そう安心しているあなたは要注意。自分でも気づかないうちに、ビジネスパーソンとして「思考停止」状態になっている恐れが大いにあります。

  • 仕事の要領が悪いと自覚している、または人からそう言われる
  • 惰性的に仕事をしていることが多い
  • ここしばらく、社会人として成長できていない気がする

もしこんな心当たりがあるなら、以下にご紹介する思考停止したビジネスパーソンがやりがちな4つのNG行動に当てはまっていないかセルフチェックしてみましょう。

【NG行動1】「報連相」にとらわれすぎている

報告・連絡・相談――略して「報連相」。これはビジネスパーソンなら誰もが教わるであろう、仕事の基本原則。ですが、もしも「上司に『報連相』しなきゃ」と一目散に考える癖がついているなら、自分が思考停止状態になっているのではないかと疑ったほうがよさそうです。

人材戦略コンサルタントの松本利明氏は、「報連相」というルールに縛られすぎると、自分でものを判断できない “指示待ち人間” になる恐れがあると指摘しています。

社会に出たばかりの新人時代であれば、まず「報連相」を徹底し、上司からの指示を仰ぎながら仕事の基礎を覚えることが大切でしょう。しかしある程度キャリアを積み、一人前に仕事をこなすべきフェーズに入ったなら話は別。指示を待ってばかりいないで、自力で状況判断し、やるべきことを先回りして考えるスキルも身につけるべきだと、松本氏は言います。

仕事で「思考停止してる」ことがバレバレな行動4つ02

“指示待ち人間” にならないための対策として、松本氏は空・雨・傘という枠組みにしたがって物事を考えることをすすめています。「空・雨・傘」とは、「空が曇ってきた → 雨が降りそうだ → 傘を持っていこう」という具合に、目の前の課題への対処を考えるための思考法です。

たとえば、次のような問題が起きたとしましょう。

「工場でトラブルが起き、生産ラインが止まった(空)」

この事実からは、以下のような対策を立てられるはず。

「そのトラブルによって納品が遅れるのではないか(雨)」
「だから、先回りしてスケジュールを調整し直しておこう(傘)」

上司に報連相する前に、まずは自分の頭で「空・雨・傘」を一考することを習慣づければ、思考停止状態に陥るのを防ぐことができますよ。

仕事で「思考停止してる」ことがバレバレな行動4つ03

 

【NG行動2】リスクを恐れすぎる

リスクを予測・回避することは、社会人にとって不可欠なスキルのひとつです。しかし一方で、リスクを恐れすぎると、かえって思考停止状態になるケースもある――こう指摘するのは、業務プロセス&オフィスコミュニケーション改善士の沢渡あまね氏です。

リスクを避ける最も簡単な方法は「自力で新しいアイデアを考えず、過去の成功事例をコピーする」ことでしょう。しかしこれは、単に過去の事例を機械的になぞるだけに過ぎません。こういったリスク回避が行きすぎると「前例がないことはいっさいやらない」という思考停止状態に陥りかねないと、沢渡氏は言います。

よく言われるように、リスクをとらないこと自体もひとつのリスク。世のなかが日に日に変化・進歩していくなか、過去の成功を再生産し続けているだけでは、時代に取り残されるのも時間の問題です。この沢渡氏の指摘は、事業に限らず、個々人の仕事への取り組み方にも当てはめられるでしょう。

仕事で「思考停止してる」ことがバレバレな行動4つ04

では、リスクにどう向き合えば、思考停止せずに仕事を前進させられるのでしょう。その答えは、リスクを避けながらも、新しいことを成功させるにはどうすればいいか?と考えること。沢渡氏は、たとえ小さなことでも、いいと感じたことはどんどん声をあげていくべきだと伝えています。

たとえば、新規プロジェクトを立ち上げることになった場合。

「このやり方は、前例がないからやめておこう」と考えてしまうと……
→リスクを恐れすぎるせいで、前に進めない

「このやり方は前例がないが、○○の部分を少し工夫したらうまくいくかも?」と小さなことでも提案すれば……
→リスクを念頭に置きつつ、成功の方法を模索できる!

付加価値の高い仕事をし続けるには、思考停止は大敵。予期されるリスクは最大限回避しながらも、常に新たなことにチャレンジすることが大切だと言えます。

仕事で「思考停止してる」ことがバレバレな行動4つ05

【NG行動3】「効率信者」になる

効率よく仕事を進めようとするのはすばらしいことです。しかし、起業家の孫泰蔵氏は、効率を上げさえすればうまくいく」と信じきっていると、かえって不合理な結果を招きかねないと指摘しています。

たしかに、効率を上げることは、「顧客に満足してもらう」「利益を上げる」というゴールを達成するための手段ではあります。しかし、効率にとらわれすぎると、ただ忙しさや大変さが増すだけ。そんな働き方では、仕事がどんどんつまらなくなるし、思考が狭まったり、リスクを過度に回避したりすることにもなる――と孫氏は述べています。

そうなれば、仕事の質がおろそかになり、結局利益を出せなくなるなど、本末転倒な結果にもなりかねませんよね。ゆえに、効率という「量」的な観点だけに目を向けるべきでないと、孫氏は言うのです。

仕事で「思考停止してる」ことがバレバレな行動4つ06

ここで、象徴的な逸話として『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン(※)というゲーム開発の例をご紹介しましょう。

同ゲームのブランドディレクター・河野一聡氏は、完成しつつあるゲームの品質に納得できず、制作開始から5年目にして、なんとゼロからつくり直す決断をした。しかし結果的には、この決断が大当たり。『エースコンバット7』は発売初週で20.2万本を売り上げるという、同シリーズトップの大ヒットを記録した。

こうした一見「効率の悪い」判断が、ビジネスを成功に導くこともあるのです。

ほかにも、顧客との密なコミュニケーション、製品・サービスの品質追求など、効率よく終わらせることだけが正しいとは限らない仕事はいくつもあるでしょう。効率は大事ですが、効率だけにとらわれない姿勢ももちたいものですね。

(※エースコンバット7 スカイズ・アンノウン……株式会社バンダイナムコエンターテインメントより、2019年に発売されたゲームソフト。)

仕事で「思考停止してる」ことがバレバレな行動4つ07

【NG行動4】抽象的な定型語(思考停止語)を乱発する

「その企画、“もう少し” 改善できないかな?」
「もっと “お客様第一” で考えてみて」
「これからより “頑張って” いってほしい」

こんなセリフをよく言っている人は要注意。

経営コンサルタントの小宮一慶氏は、抽象的で意味が曖昧な言葉「思考停止語」と呼び、論理的な話につながらずビジネスの役に立たない言葉は使うべきでないと述べています。

小論文添削講座を手がけるVOCABOW小論術校長の吉岡友治氏も、言葉の定義を明確にせず、正確に伝える努力を怠る人は、思考停止状態に陥っている恐れがあると指摘。

たとえば「頑張る」と言っても、具体的に何をすれば「頑張る」ことになるのか、無数の解釈が可能ですよね。「コミュニケーション能力」という言葉も、論理的に伝える力を指すのか、雑談の上手さなのか、あるいは愛想のよさなのか、さまざまなとらえ方があるもの。意味をしっかり定義せずに言葉を伝えても、実際のところは何も伝えられないのだと、吉岡氏は述べます。

ほかにも、ぜひ避けるべき思考停止語の例を挙げてみました。『思考停止ワード44』(アスキー新書)などを参考にしています。

◆「思考停止語」の例

  • 常識
  • 成功
  • 成長
  • ニーズ
  • リーダーシップ
  • 使える人/使えない人

など

小宮氏によると、思考停止語による伝達不足を防ぐには、

  • 具体的な情報を言う
  • 根拠を示す

の2点に気をつけるとよいとのこと。たとえば部下にアドバイスをする場合、以下のように伝えるのが理想的です。

「Aくんはコミュニケーション能力を鍛えたほうがいいね。もっと順序立てて、物事を伝えるようにしてみて(具体的な情報)。そうすれば、話が論理的に伝わりやすくなるはずだから(根拠)」

曖昧な言葉を使ってしまったとしても、そのあとで具体的な情報と根拠を補えば大丈夫。このような伝え方なら、メッセージの意味が一意的に伝わり、言われた相手もアドバイスを実行しやすくなるでしょう。

***
以上、4つのうちいずれかに当てはまった方は、ご紹介した対処法を参考に「思考停止」の状態を脱却しましょう。

(参考)
経済産業省|社会人基礎力
GLOBIS CAREER NOTE|これからの時代に必須な「考える力」を身につける5つの方法
HR総研|第6回:報連相のレガシーをぶっ壊す!
リクナビNEXTジャーナル|コンプライアンスのやりすぎが会社を滅ぼす!?──モチベーションを低下させない組織作りとは
ITmediaビジネスONLiNE|ビジネスを止めず、加速させる――沢渡あまね氏に聞く、これから求められる「ビジネスレジリエンス」のカギとは?
日経ビジネス|「生産性と効率性を上げても、幸せにはなれません」
日経ビジネス|「失敗が怖いって、貧乏性じゃない?」
エンジニアtype|制作5年目でゼロから作り直し、2年の発売延期…『エースコンバット7』河野一聡が貫くスピード重視時代の“正しいこだわり”
ダイヤモンド・オンライン|「思考停止語」を活性化させる、シンプルな方法とは?
東洋経済オンライン|その上司の言葉、「思考停止ワード」です
博報堂|ビジネスを蝕む「思考停止ワード44」

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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