みなさんは、勉強する際にボールペンを使うことはありますか。普段ノートを書くのに使うのは黒のシャープペンシルが基本で、色を使うときにだけボールペンを使う。「勉強においてボールペンは脇役だ」と考えている方は多いのではないでしょうか?

実は、筆記具の選び方ひとつで、勉強の効率は劇的に変わります。定期試験や資格試験など、何としてでも勉強を捗らせたい時には、ぜひボールペンを使ってみませんか? 今回は、みなさんのボールペンに対する意識が一変する、勉強が捗るボールペンの活用術3選をご紹介します。

ボールペン勉強術1:三色ボールペン情報活用術

1つ目は、明治大学文学部教授の齋藤孝氏が提唱する三色ボールペン情報活用術です。

これはもともと、読書の際に、客観的に見て最も重要な箇所は赤、客観的に見てそれなりに大切な箇所は青、そして主観的に見て面白いと感じた箇所には緑というように、本に書かれていることを三色に色分けしながら読み進めていく方法です。

この三色ボールペン情報活用術の目的は「情報を整理し、そのまま活用へとつなげること」。齋藤氏は次のように述べています。

私は、収集したものを、目的も定まらないまま整理分類しようとすることは無意味だと言いたいのである。
(中略)
肝心なのは、集めた情報をどういう切り口で分析していくか、すなわち「テーマ性」である。収集した情報というのは、ただ溜め込むだけでは、本当の意味での情報とは言えない。あるテーマ性を持つことで初めて、単なる資料から有意義な情報に変わり、その情報の価値がクリアに見えてくるのだ。

(引用元:齋藤孝著(2003),『三色ボールペン情報活用術』,角川書店.)

本を読み、ただ知識を集めているだけの行為には意味がありません。本を読みながらボールペンを使って情報を三色に分類すれば、情報に意味を持たせることができます。ボールペンで情報を「整理」することがそのまま、考えを深めたり実践に移したりといった「活用」につながるということなのです。

この方法は、読書のみならず勉強にも活かすことが可能です。例えば、参考書を用いて勉強をする際、重要な箇所は赤、分かりにくいので先生への質問や復習が必要な箇所は青、自分が興味を持った箇所には黒で線を引いてみてください。そうすれば、自分の理解の程度を「見える化」することができ、本を見返した際に何を重点的に勉強すべきかが分かりやすくなるでしょう。記憶の定着もしやすくなり、試験時にも十分役立つに違いありません。

実際に三色ボールペンを読書や勉強に活用し、効果を実感した体験談もまとめられています。ぜひご覧ください。
読書にも勉強にも効果あり! 齋藤孝氏おすすめ「三色ボールペン活用術」を京大生が試してみた。

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ボールペン勉強術2:青ペン書き殴り勉強法

2つ目に紹介するのは、青ペン書き殴り勉強法。これは、日本アクティブラーニング協会理事長である相川秀希氏が考案した、青ペンでノートにひたすら書き殴るというものです。至極単純な方法ですが、「青色」と「ペンで書き殴り」両方のメリットを得ることができます。

「青色」のメリット

青色を見ると、人の脳はセロトニンを分泌します。これは、興奮した気持ちをリラックスさせる鎮静効果がある神経伝達物質。そのため、青ペンを使って勉強すると、落ち着いて集中した状態を保ちながら勉強ができるのです。

「ペンで書き殴り」のメリット

ボールペンで書き間違いをすると、簡単には修正することができません。そうすると、勉強で覚えようとしていた情報に「書き間違えて、消すことができなかった」という「体験」が加わります。この体験が加えられた情報は「エピソード記憶」として脳に保存され、単なる情報の記憶としての「意味記憶」よりも強固な記憶として覚えておくことができるのです。

相川氏によると、司法試験の際にこの勉強法を用いて合格に至った方や、簿記・証券アナリストなど複数の資格を得ることができた方がいらっしゃったそう。青ペン書き殴り勉強法はたくさん暗記をしたい時に向いていると言えるでしょう。

青インクの万年筆を使用して実際にこの勉強法を試した経験談がこちらにまとめられていますので、ぜひ参考にしてみてください。
現役京大生が実践! 「青ペン書き殴り勉強法」×「万年筆」のすごい効果。

ボールペン勉強術3:なぞり書き勉強法

ボールペンを活用した勉強法の3つ目はなぞり書き勉強法です。なぞり書きと言われてみれば、みなさんも幼い頃に鉛筆で文字をなぞって覚えた経験があるのではないでしょうか。

杏林大学医学部名誉教授で日本ブレインヘルス協会理事長の古賀良彦氏によると、例えば漢字や文学作品の文字をなぞり書きした際、脳は次のように活性化するのだそう。

特に漢字を黙読するときには、側頭葉の下部にある読字中枢が、文字を書くときには、頭頂葉と後頭葉の間にある、書字中枢が活発になる。テキストのます目にバランスよく文字を書こうとすれば、頭頂葉の働きもこれに加わる。
また、なぞり書きによって刺激されるのは、「読み書き」に関連する領域に留まらない。作品に描かれた世界を視覚的にイメージしたり、作品の内容に感情を強く揺さぶられるといった、作品を「鑑賞する」脳の領域も、なぞり書きによって活性化される。

(引用元:日本ブレインヘルス協会|No.15 1日30分、楽しみながら続けるのがコツ

このように脳の働きが活発になるなぞり書きを、ボールペンを使って、勉強の中で実践してみてください。例えば資格試験の勉強であれば、参考書のページをコピーして、その上からなぞる形で文字を書いてみてください。用意することができるなら、トレーシングペーパーを上においてもいいかもしれませんね。ただ、全ページについてなぞり書きをしようとするとかなり時間がかかってしまいます。なかなか覚えられない内容を繰り返しなぞり書きする、といったように工夫すると良いでしょう。

このなぞり書きの道具としてボールペンを使うメリットは、ずっと書いていても手が疲れにくいことと、線がはっきりしているため見て分かりやすいこと。奈良教育大学の研究によれば、筆記具を用いて実際に書いて覚えることは目視や指で空中に描いて覚えることよりも、書いた結果が確認できるという点で効果があるのだそう。ボールペンを使えば、シャープペンシルを使った場合にくらべて書いた結果を確認しやすいので、さらに効果が高まるでしょう。

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ボールペンを勉強の脇役にしてしまうのはもったいないこと。みなさんも、お伝えした方法を実践すればきっと勉強に精が出るに違いありません。どうしても覚えたいことがある場合には、ぜひボールペンを活用してみてください。

(参考)
齋藤孝著(2003),『三色ボールペン情報活用術』,角川書店.
東洋経済ONLINE|頭がいい人は、なぜ「青ペン」を使うのか?
日本ブレインヘルス協会|No.15 1日30分、楽しみながら続けるのがコツ
稲垣紀夫,藤田正(2005),「漢字学習における書字行為に関する研究」,教育実践総合センター研究紀要(14), pp.47-54.
STUDY HACKER|読書にも勉強にも効果あり! 齋藤孝氏おすすめ「三色ボールペン活用術」を京大生が試してみた。
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