ちょっと前は自分と同じぐらいの仕事ぶりだった同僚が、今ではとても仕事がデキる人になっていて、自分は置いてけぼりをくらっている……。そんな感覚がある方はいないでしょうか。同僚が評価されているシーンを見て、「えっ、あの人いつの間にそんなに成長したの!?」と思うこと、ありますよね。
実を言うと、成長スピードの速い人には、普段の行動にその秘密があったのです。そこで、周囲の人に比べ成長スピードが遅く劣等感を感じている方へ、「超速で成長する人」がこっそりやっている簡単な3つのコツについてお伝えします。
ハイスピードで成長することの重要性
「成長しろとはよく言うけれど、今のままでもじゅうぶん通常業務はきちんとこなせているのだから、そんなに成長に貪欲になる必要なんてないのでは……?」そうお考えの方もいるかもしれません。
しかし、キャリアアップを図りたい人にとって、仕事での成長は必要不可欠なもの。オウンドメディア運用支援やライティングサービスを行うティネクト株式会社代表取締役の安達裕哉氏は、「成長」の定義について次のように述べています。
成長とは、「今までより大きな責任を引き受けられるようになること」に他ならない。 (中略) 「成長」とは、真摯さや責任感を身につけ、人から信頼を得て、仕事を任され、世の中に対して貢献するということだ。
(引用元:ハフポスト|4月に入社する大学生へ、「成長する」ということのほんとうの意味について)
人から信頼され、大きな責任を伴う仕事を引き受けられる人になることこそが、成長の証。現状維持で満足しているうちは、大きな仕事も信頼も得ることはできません。キャリアを切り開いていきたいと思うのならば、成長を追求するべきなのです。
また、あなた自身は仕事において成長しているつもりでも、同僚のほうが成長スピードが速く、あなたより高い成果を出すケースもあるでしょう。そのような場合、相対的にあなたのほうが「成長していない」あるいは「仕事がデキない」人だとみなされてしまう可能性もあります。そうなってしまわないために、成長の努力をすることは大切だと言えます。
ではここからは、成長のスピードを高めるコツをいくつか挙げてみることにしましょう。
ハイスピードで成長するコツ1:来たメールには速く返信する
『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』などの著書をもつ木部智之氏によると、仕事の速さを常に意識している人とそうでない人との成長スピードの差は、「累乗で」開いていってしまうとのこと。成長したいなら数秒でも仕事を速くこなすべきなのだそうです。
仕事を少しでも速くする工夫を積み重ねることが大切です。 わたしは秒単位で仕事を速くすることにこだわっています。 ひとつひとつは数秒レベルの短縮ですが、その積み重ねの効果は累乗で現れます。
(引用元:頭2つ抜き出る成果の出る仕事術|『XXさん、お疲れ様です。』 メールのその3秒がムダ。 @最速仕事術)
例えば、メールの返信速度はその一例です。大きな責任を伴う仕事を引き受けるとなると、重要な仕事のメールを放置したり、1つ1つの返信に長い時間をかけたりしてはいられません。元グーグルCEOのエリック・シュミット氏も、自身の周りにいる優秀で忙しい人はたいていメール返信が速い、と語っています。
また、カリフォルニア大学アーバイン校のJudy Olson教授によれば、テキストのみのコミュニケーションにおいては返信速度が相手への信頼度を表しているのだそう。みなさんのメールの返信速度はいかがでしょう? 返信が遅い人は、仕事ができない上に、メールの相手に不誠実な印象を与えているかもしれませんよ。時間がないのなら「すみません。現在忙しいため、○日までには連絡します」と短く返すだけでも誠実さは伝えられます。受け取ったメールには速く返信できるように注意してみてください。
ハイスピードで成長するコツ2:常に学びのアンテナを張っておく
成長スピードの速い人は、仕事をしている時のみならず、普段の生活においても学ぶ意識を持っている時間が長いようです。
例えば、コンサルティングの世界大手、BCGのシニア・パートナーである木村亮示氏は、飲食店を訪れた際、料理人の方に対して質問をするのだとか。プロの料理では、包丁の入れ方など、1つ1つの手順に説明可能な根拠があるため、質問をするとすぐに答えが返ってくるのだそう。木村氏は、この経験が自分の仕事においても、それぞれの行動についてどのような意味があるのかを考える動機付けになっていると述べています。
木村氏が同じくBCGシニア・パートナーの木山聡氏と共に出した著書『BCGの特訓 ―成長し続ける人材を生む徒弟制』では、このことについて、
成長のスピードを速めるには、「学びのスイッチが入っている時間を増やすことだ」
(引用元:NIKKEI STYLE|外資系コンサル流 「超高速」人材育成のノウハウ)
と述べられています。このように、自分の仕事には関係がないように思われる分野であっても、積極的に学ぼうとすれば自分の仕事に活きるポイントを見出すことができるのです。視野を広げ、責任の範囲を広げるためには、本や実務だけでは得られないさまざまな「体験」をすることも大切なのでしょう。
ハイスピードで成長するコツ3:日記をつける
人財教育コンサルタントで、キャリア・ポートレート・コンサルティング代表の村山昇氏によれば、成長するには「技術的な成長」に加えて「精神的な成長」も大切なのだそう。「○○が上手にこなせる」といった技術的な成長だけでなく、「仕事の意味や喜びを見出す」といった精神的な成長を遂げれば、さらなる技術的な成長が見込めるのです。
精神的な成長をめざすなら、日記をつけるのが手っ取り早くオススメです。ハーバード・ビジネス・スクール教授のテレサ・アマビール氏と心理学者・リサーチャーのスティーブン・クレイマー氏らが行った実験でも、複雑なプロジェクトに関わる労働者たちが毎日10分ほどの業務日誌を規則正しくつけたことにより、仕事に対する新たな視点を持ち改善すべき点を把握することができたことが分かりました。日誌をつけた労働者たちの中には、日誌に書いた悲観的なコメントが不適切だったと気づき楽観的に仕事に臨むようになった人や、日誌をつけ内省することはモチベーションを引き出すために効果的だと気付いた人がいたのだそう。日誌が、個人的な成長に貢献したのです。
みなさんも、少しでも成長したいと願うならば、仕事で大変だと感じたことや愚痴、自分ができるようになったことや今後の目標と達成プランなど、何でも書き留めるようにしてみてください。たった数分間を使って日々継続的に記録をつけるだけで、自身の成長スピードは圧倒的に増すでしょう。
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みなさんも、お伝えした方法をぜひ試してみてください。周囲への劣等感を打ち消し、むしろ差をつけるような成長を実感できるようになるはずです。
(※記事中の人物の肩書は記事公開当時のものです)
(参考)
ハフポスト|4月に入社する大学生へ、「成長する」ということのほんとうの意味について
LEADING&COMPANY|元グーグルCEO「メール返信の速さが本当に強い企業文化を作る。」
NIKKEI STYLE|外資系コンサル流 「超高速」人材育成のノウハウ
東洋経済ONLINE|伸びていく若手には「5つの共通項」がある!
GLOBIS 知見録|「成長とは何か」を自分の言葉で定義せよ
ハーバード・ビジネス・レビュー|毎日10分の日記をつければ、人は成長する
頭2つ抜き出る成果の出る仕事術|『XXさん、お疲れ様です。』 メールのその3秒がムダ。 @最速仕事術