ロジカル思考と多角的視点を手に入れる! 注目の知的活動「競技ディベート」

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あなたには趣味がありますか?

読書、映画鑑賞、それともジョギングやサイクリング? ちょっと人と違うことをやってみたいなら、「競技ディベート」がおすすめ。

競技ディベートと聞いて、「相手を論破したら勝ち」をイメージしたかもしれませんが、それは違います。現代社会に必要な「論理的思考能力」や「多角的視点」を身につけられる、アカデミックな活動なのです。

競技ディベート経験者の筆者が、「論理的に考える」ことについてお話しします。

競技ディベートとは

そもそも「ディベート」とはなんなのでしょうか? 小学館の「デジタル大辞泉」では、こう説明されています。

一定のテーマについて、賛否二つのグループに分かれて行われる討論。

(引用元:コトバンク|ディベート

「賛否二つのグループに分かれて」というのがポイント。

つまり、討論のテーマが「原発をどうやって活用すべきか」だとしたら、ディベートではありません。「原発を活用すべき」「廃止すべき」というふたつのグループに分かれて討論するのが、ディベートです。

NPO法人・全日本ディベート連盟によると、ディベートには大きく分けてふたつの種類があります。

  1. 実社会ディベート:米国の大統領選や大学のゼミで行なわれる
  2. 競技ディベート:実社会ディベートの訓練として行なわれる

そして、競技ディベートには次の特徴があるそうです。

競技ディベートでは競技としてディベートを成立させるため、ルールを定め、勝敗を決定します。
具体的には話すべき「内容」や「時間」などが定められており、一定の制約の元で議論します。

(引用元:NPO法人全日本ディベート連盟|競技ディベートとは?

競技ディベートは競技であるため、明確な勝ち・負けが存在するのです。

勝敗は、審判の投票によって決定します。審判による判断の根拠となるのは、審判の個人的な信条や価値観ではもちろんなく、議論の内容です。

つまり、競技ディベートでは「相手を論破しよう」ではなく「審判が納得できるような、説得力のある主張をしよう」という姿勢が必要なのですね。

個人的な信条を持ち込むべきでないのは、審判だけでなく、討論する側も同じです。競技ディベートでは「賛成」と「反対」に分かれて討論するわけですが、どちらの立場につくかは、基本的に自分では選べません。

つまり、「死刑制度は廃止すべきか否か」というテーマの競技ディベートをすることになって、あなたが死刑制度の廃止を強く望んでいるとしても、死刑に賛成の立場で討論しなくてはならない可能性もあるのです。

このように、競技ディベートでは、個人的な価値観と議論の内容を切り離す必要があります。客観性を育てる、よいトレーニングになりそうですね。

特殊な訓練のように聞こえるかもしれませんが、授業や部活動でディベートを行なう学校もありますし、毎年夏には「全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)」が開催されるほど、メジャーな存在です。社会人によるディベートサークルもありますよ。

競技ディベートは、ビジネスパーソンであるあなたにもおすすめの活動です。競技ディベートでは、現代社会に必要な "3つの力" が身につきます。

競技ディベートで身につく能力1:論理的思考能力

ただの口げんかなら、相手を言い負かすだけですから、「脅迫」や「詭弁」が決め手かもしれません。しかし、競技ディベートは違います。

第三者である審判に説得力を感じてもらうのですから、重視されるのは論理性です。

  • テーマを十分に分析しているか
  • 引用した資料は適切か
  • 論理展開に飛躍はないか

……などの点をクリアして、ロジカルシンキングの訓練を積んだジャッジを説得するのは簡単ではありません。

論理的に思考・主張できることは、社会で必要な能力です。プロジェクトでのディスカッションやプレゼンテーションで、たとえ発想がよかったとしても、説明が理路整然としていなければ、聞き手を納得させることは難しいでしょう。

経営コンサルタントの小宮一慶氏も、論理的思考力の重要性を次のように語っています。

ビジネスパーソンにとって、論理的思考力はとても大事です。なぜかというと、世の中は基本的に「複雑系」だからです。複雑なことをまずそのままにある程度理解するには思考力が必要です。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|一流のビジネスパーソンが実践している、「論理的思考力」の育て方

経営やマーケティングの環境は複雑ですよね。あえて「シンプル」に理解しようとすることが重要な場面もあるでしょうが、シンプル化の過程で多くの情報が削ぎ落とされてしまいます。

複雑な情報を複雑なままに理解するには、論理的思考力が必要です。ディベートは非常に頭を使う競技ですが、そのぶん思考力が鍛えられるのではないでしょうか。

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競技ディベートで身につく能力2:多角的な視点

ディベートでは、個人的な信条を排除して考える必要があります。そのため、自分の信念とは異なる意見の側で討論することになったら、普段と違う視点で考えることになり、異なる価値観を受け入れることに近づくでしょう。

ある立場を支持するにせよ反対するにせよ。それぞれのメリットとデメリットを把握しておく必要があります。ひとつやふたつでは不十分ですから、チームメイトと意見を交換したり、資料を収集したりしなければなりません。

そうすると、いままでの自分が気づきもしなかった視点が得られるはず。視野が広がり、固定観念が覆ることすらあるかもしれません。

グロービス経営大学院でリーダーシップ開発などを教える村尾佳子氏は、「視野を広げることのメリット」を3つ挙げています(グロービスキャリアノート|視野を広げるには?視野を日常的に広げていく方法)。

  1. 的確な状況判断ができる
  2. 問題解決能力が高まる
  3. 新しいアイデアを思いつきやすくなる

どれもビジネスパーソンには必須のスキルですね。ビジネスパーソンとしてさらに活躍するため、競技ディベートを通じて視野を広げるのはよさそうです。

競技ディベートで身につく能力3:情報リテラシー

競技ディベートで勝利を収めるには、ジャッジを説得できるような主張が必要です。

そのためには、主張を裏づけるデータ、しかも正確で信頼できるデータを大量にあつめなければなりません。情報が必要です。図書館で資料を探したり、論文を読み込んだりする必要があります。

その過程で、自分が不正確な情報に踊らされていたと気づくこともあるでしょう。たとえば、インターネットで目にした断片的な情報や、SNSでの評判をうのみにしていたり。

同時に、信頼できる情報にたどり着く方法を体得できるでしょう。つまり、競技ディベートへの参加を通して、情報リテラシーを育めるのです。

真偽不明な情報があふれるネット社会の現代において、情報は生きる糧そのもの。ディベートを通じて情報リテラシーも身につけられるのです。

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ディベート、やってみたくなりませんか? 社会人でも参加できるディベートサークルをご紹介しますので、興味のある方はご覧ください。

日本社会人ディベート連盟 ディベートクラブ「たま。」 STARクラブ|ディベート道場

(参考)
コトバンク|ディベート
NPO法人全日本ディベート連盟|競技ディベートとは?
ダイヤモンド・オンライン|一流のビジネスパーソンが実践している、「論理的思考力」の育て方
グロービスキャリアノート|視野を広げるには?視野を日常的に広げていく方法

【ライタープロフィール】
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