おしゃべりや車内アナウンス、ガタンガタンと揺れる音など、自分の部屋に比べてずっとうるさいはずなのに「なぜか電車内での勉強がはかどる」という経験はありませんか?これは気のせいではありません。実際に、一人で勉強しているよりもずっと集中できている可能性が高いのです。これはいくつかの、人間の心理によるものなのです。
周囲の目線を味方につけよう
人間は直接的に見られていなくても、実は周囲の人の目をとても気にします。誰かが見ている、近くで自分の存在を感じていると思うと、無意識に頑張ってしまうものなのです。このように「他者から見られることで、やる気や仕事の量、スピード、質が変化する現象」のことを心理学では「見物効果(観客効果)」と呼びます。サッカーなどの試合でも、観客がゼロの時と超満員の時では気合いに差が出るのではないでしょうか。会社でも、社内にたくさん人がいる時と広いオフィスに一人っきりでは、自然と進み具合に差が出る可能性は大きいです。
私たちは図書館や電車など、周囲に人がいるだけで自然に頑張ってしまうことが分かりました。次は、この心理を応用するコツを紹介します。
ブックカバーは外せ
電車内ではブックカバーを外しましょう。受験の参考書だったり難解なビジネス本だったりすると、(誰も見ていないかもしれませんが)周りに対して「勉強しているアピール」になります。自ら行っているアピールなので、ついつい人の目が気になってきて中断し辛くなるのです。
参考書アピールだけでは足りない人は、「○○大英単語」といった難関大の参考書を使うのもアリです。「あんな難関を目指すすごい人なんだ」と周りが思っている(と、自分が感じる)ことで自己顕示欲が満たされ、人前でもっと勉強したいとさえ感じてきます。これが図書館などリアルな知り合いがいる可能性のある場所であれば、アピールしていたのに目標が達成できなかったときの恥ずかしさを考えると、勉強せざるを得なくなってくるでしょう。
ちょっとうるさい方が脳は集中できる
さらに、脳には「無音だと集中できない」という性質がある、ということを知っていましたか?アメリカで環境音に関する調査を行うために、ほとんど音がしない50デジベルとカフェ程度のざわつきがある70デジベルで人間の集中力を調べたところ、70デジベルの方が創造性が高まることが分かりました。ただし、80デジベル以上になると、今度は集中力がなくなってしまいます。社内やカフェなどの、ちょっとざわついている位の空間が、音環境としては一番集中できることが分かります。
以上をまとめると、「観客効果があって70デジベル前後」の場所が集中するには最適で、通勤や通学の電車はまさにぴったりの環境であることが分かりました。
最近は、せっかく一番集中出来る貴重な通勤・通学時間をスマホに食い入るだけで終わっている人が大多数です。ライバルたちは「一番頭が良くなる場所だ!」と気がついていないのですね。このすきに、どんどん抜け駆けをして差をつけていきましょう。
参考; 「他人の目」があるほうが、仕事も婚活も頑張れる!? 簡単にできる集中力UPの方法 環境音にこだわって仕事をクリエイティブに!環境音の意外な役割とは 集中できない時は、カフェで仕事をしたほうがいい5つの理由