正しく考える力というものはなかなか身につきません。現在の学校生活では覚えることに比重が置かれているため、考えることは二の次となっています。
そんな現在だからこそ、考える力、すなわち思考力を身につけることが求められます。今日は、部屋の断捨離を使って思考力を養うことを紹介します。
断捨離とは
断捨離(だんしゃり)とは、不要なモノなどの数を減らし、生活や人生に調和をもたらそうとする生活術や処世術のこと。基本的にはヨーガの行法、「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」という考え方を応用して、人生や日常生活に不要なモノを断つ、また捨てることで、モノへの執着から解放され、身軽で快適な人生を手に入れようという考え方、生き方、処世術である。
(引用元: Wikipedia|断捨離)
その漢字の通り、新しく入ってくる要らないものを「断つ」、今ある要らないものを「捨てる」、物に対する執着から「離れる」ということを意味します。
これは造語ですが、2010年には流行語にも選ばれました。
部屋=脳内だと考える
小学生のころに「机の上は頭の中と一緒だから、整理整頓しておいてすぐに必要なものが出せるようにしておきなさい」と言われた経験はあるでしょうか。
私は父をはじめ、担任の先生に何度か言われた記憶がありますが、実は部屋も同じなのです。
小学生にとっては机が脳内かもしれませんが、大人になった今はもう少し広範囲の部屋全体が脳内とみなされます。部屋も脳内も綺麗に整頓されているからこそ必要な物がすぐに見つかるということは言うまでもありません。
では、断捨離を部屋で実行することで脳内でどのような変化が起こるのでしょうか。
部屋の中の断捨離で思考力を養う
部屋の中の物を必要なものと不必要なものに分けるこの断捨離が、実は思考力をつける上でとても大切です。
情報が氾濫する現代社会においては、自らの思考に基づいて情報の取捨選択をする必要があります。部屋の中の物も同様に、どれくらいの頻度で使うのか、どのような用途で使うのかなど、物と自分の関係を考え取捨選択を行うことが求められるのです。
こうした部屋という実生活に基づいた断捨離が思考力を養い、何かを考える際も、不必要な情報や考えをそぎ落とし、純粋な結論にたどり着くという考え方をすることができます。
部屋の整理から脳内の整理へ
そして、使用頻度や見た目などの何らかの規範に従い部屋を整理整頓するということを身につけると、脳内での情報処理も同様に、基準に従って整理整頓する癖がつきます。
必要なものはとっておき、それ以外は確実に断ち、捨て、離れ、そして整理するということを身体を使って実践することで、脳内でも自ずと断捨離できる力が備わっていくのです。
思考力を身につけた上で必要な情報は整然と蓄積されている、このような状況を生み出せばアウトプットが迅速になります。
*** 正しく思考するには、何が必要で何が不必要かを真っ先に考えなくてはなりません。 近年流行りの断捨離の概念はまさに、思考力を養うために欠かせない存在です。 部屋の掃除をしつつ断捨離を実行することで、正しい思考力を身につけてはいかがでしょうか。
<参考> Wikipedia|断捨離 川畑のぶこ (2011), “「断捨離」に学ぶモノとのかかわり方,” 児童心理, Vol. 65, No. 14, pp. 1184-1190. 直木詩帆 (2015), “習慣 捨てるスキルと思考法 情報断捨離からアイデアが生まれる,” AERA=アエラ, Vol. 28, No. 44, pp. 10-15.