みなさんは、参加しているプロジェクトなどでアイデアを出したいときに行き詰まってしまい、途方に暮れた経験があるでしょうか。
アイデアを出すための方法としては、集団でアイデアを出し合うブレインストーミングが有名ですが、それ以外にも方法をいくつか知っていると心強いものです。またひとりでも実践できる方法があればなおいいですよね。
そこで今回は、発想力を鍛えるための「ディズニー・ストラテジー」についてお伝えします。
アイデアを出す作業が行き詰まる理由
私たちがなかなかアイデアを出せないと感じるのは、いったいどうしてでしょうか。
せっかく思いついたアイデアがあったとしても「実現するのは厳しそう……」と勝手に思い込み、頭から無意識に排除してしまってはいませんか? たしかに、いくつかのアイデアは現実的でないかもしれません。また人間はひとつの頭で考えていると一度にいろいろなことを考えてしまい、なかなか良いアイデアがまとまらないことがあります。
しかしそのようなときにこそ、「ディズニー・ストラテジー」という方法はとても有用なのです。
「ディズニー・ストラテジー」とは、ウォルト・ディズニー氏が実践していた方法。彼は、自身の仕事場に3つの部屋を持ち、それぞれの部屋で「夢想家」、「実務家」、「批評家」の三者になりきってアイデアを練っていたようです。
「ディズニー・ストラテジー」の実践方法
私たちが実際に部屋を3つも用意するのは少し無理があるため、紙面上でディズニー・ストラテジーをやってみることにしましょう。では、どうすればそれぞれの部屋を再現することができるのでしょうか。
「新しい店をオープンする際、どのような商品を売る店を出すか」というテーマで考えてみるとしましょう。
1. 「夢想家」の部屋 夢想家とは夢を見ている人のこと。「夢想家」の部屋では、どんな制限にも縛られず自由な発想でアイデアを出すことに注力しましょう。
まずは紙に縦線を2本引き、3つのブロックに分けます。そのうち左側のブロックに思いついたアイデアを記入します。「チョコレート専門のスイーツを売る店」や「旅行に関する本を売っている店」など、何でも自分の好きなように書き出してみてください。「高さ1mのソフトクリームを売りたい」のように、一見あり得ないと思うようなものでも構いません。
2. 「批評家」の部屋 批評家は建設的な視点で物事を批評する人のこと。「批評家」の部屋では、アイデアをシビアに分析する必要があります。
先ほどの例を続けます。紙面の右側のブロックに、「夢想家」の部屋で出したアイデアを批判してみてください。アイデアの弱点となる部分を徹底的に見つけ出すのです。「現実味がない」など抽象的なものよりは、「設備費がかかりすぎる」や「販売方法について詳しい人材が身近にいない」、「高さ1mのソフトクリームを食べたいというニーズがどこにあるか分からない」など、できるだけ具体的に意見を出すようにしましょう。
3. 「実務家」の部屋 そして実務家は、夢や目標を達成するために行動する人のこと。「実務家」の部屋では、夢想家と批評家両方の意見についてちょうど良い折り合いを付けられるよう検討してみてください。
残っている真ん中のブロックには、アイデアを実現可能なものにするためにどうすれば良いかを書き出します。「高さ1mのソフトクリームは厳しいけれど50cmならなんとかできるかもしれない。インスタ映えを狙えば、もしかすると若者の間で人気を得られるのではないか」といった妥協点を探ったりするのです。
*** 「夢想家」、「批評家」、「実務家」それぞれのバランスを取りながら、みなさんもぜひお伝えした方法を試してみてください。これら3者の部屋を順番にかかわらず何度も行ったり来たりすることで、発想の枠にとらわれずアイデアを出しやすくなると同時にその実行にも移しやすくなりますよ。
(参考) ダ・ヴィンチニュース|ディズニーが実践していた、アイデアを現実化させる「3つの部屋」とは? ITmediaエンタープライズ|自分との対話でアイデアを生み出す アチーブメントHRソリューションズ|モチベーションエンパワーメントコラム|Vol.28 ディズニー・ストラテジー