“3つの質問” でEQ(感情的知性)の高低がまるわかり。「自分の弱点」言えますか?

AI 時代を迎えた今、ますます感情的知性(EI)の必要性が高まっています。しかし、たとえば採用面接時などに、その能力の高低を判断するのは難しいのだとか。

そんななか、専門家が感情的知性を評価するための“3つの質問”を考案したそう。採用担当者のみならず、あらゆる職業に就いている方、就こうとしている方、特に営業職の方は必見です。

高い感情的知性はビジネスを勝利に導く

EQとは「Emotional Intelligence Quotient:感情的知能指数」のこと。海外では比較的 EI (感情的知性)と表現されます。

セールス関連のデジタル雑誌『Quotable』で、SALESLEADERSHIP INC.の社長兼最高販売責任者のコリーン・スタンリー(COLLEEN STANLEY)氏は、こう述べました。

High-EQ sales cultures win more business for a variety of reasons.

(引用元:Quotable|Emotional Intelligence in Sales: High EQ Cultures Win More

――「高 EQ(感情的知能指数) セールスは、さまざまな理由で、より多くのビジネスに勝利します」――

この言葉を『MIT Sloan Management Review』で引用した、Cerebral Selling の創設者であり、カナダ・オンタリオ州のクイーンズ大学スミス・スクール・オブ・ビジネスでセールスリーダーシップの講師を務めているデビッド・プリマー(David Priemer)氏は、採用面接で感情的知性の高さを判断するため、3つの質問を開発したそうです。

しかし、その質問を機能させるには、まず感情的知能(EQまたはEI)の要素を理解する必要があるのだとか。

感情的知性(EQまたはEI)について

あらゆる表現で取り上げられてきた感情的知性ですが、「シックスセカンズジャパン(感情知能の開発を専門とする組織)」によると、1997年にピーター・サロベイ博士とジョン・メイヤー博士が以下のとおり再定義したそうです。

・情動を正確に知覚する能力 ・思考を促進するために情動を利用する能力 ・情動とその意味を理解する能力 ・自己の情動を管理したり他者の情動に対応する能力

(引用元: 【公式】感情知能EQのグローバルネットワーク シックスセカンズジャパン|EQ(Emotional Intelligence; 感情知能)とは

また、感情的知性を世間に広めた心理学者のダニエル・ゴールマン(Daniel Goleman)氏は、この概念を

・「自己認識」 ・「自己管理」 ・「社会的認識」 ・「人間関係管理」

という、4つの“感情的能力”に分類しています。したがって、感情的知性とは、自分と他者についての認識を深め、感情と思考のバランスをうまくとることができる能力です。この能力を活用することで、意欲・持久力・向上心・創造性などを得ることができ、目標の実現に役立てられるそう。

感情的知性を評価する方法

デビッド・プリマー氏は、感情的知性(EQまたはEI)を評価するための質問は、ダニエル・ゴールマン氏が分類した4つの“感情的能力”を、すべて見抜けるものであることが必要だといいます。その3つの質問は次のとおり。

● 感情的知性を評価する質問1:信頼の確立

「How do you establish trust?(あなたは、どのように信頼を確立しますか?)」

信頼を築くには――

・相手が何を表現しているのかを理解し、 ・相手が感じていることを感知し、 ・自己の行動を意識し、 ・状況に応じて行動を変えること、

――が必要です。プリマー氏はこの質問が、どの程度の配慮をこれらの要因に払っているか調べる機会をもたらす、といいます。

● 感情的知性を評価する質問2:自分の弱点

「If you worked for your top competitor, how would you beat yourself?(あなたが、あなたにとって最高のライバルのために働くとしたら、あなたは、あなた自身を、どうやって打ち負かしますか?)」

つまり、自分を負かすなら、どんなウィークポイントを攻めるか? ということ。

高い感情的知性を持つ人々は、自分の弱点が何であるかを知っているといいます。自己認識の一部でもあるのだとか。また、別の視点から、世界や状況を想像するという能動的な認知プロセスは、感情的知性において重要とのこと。

ビジネスパーソンは、そうした弱点があらゆる場面において、どう影響を与えるか考える必要があります。個人単位のみではなく、組織単位でも重要なことだといえるでしょう。

もちろん自分の長所や誇りを理解していることも大切です。しかし、自分の弱点を理解しているということは、組織の弱点も見極めることができ、内部なら補い、外部なら攻められるということ。つまり、「会社に利益をもたらす能力がある」ともいえるわけです。

● 感情的知性を評価する質問3:信念という概念

「Can you use a belief statement to explain the value of what we offer?(あなたは、私達が提供するものの価値を、信念ステートメントを用いて説明することができますか?」

昨今は、利益を得ることだけではなく、世の中のために何か役立つことをしたいという願望が大きいため、社会的な目的を持つ企業に人々が群がるといいます。

しかし、感情的知性を評価する場合は、目的ではなく、個人や企業の信念(それが正しいと堅く信じる心)という概念を、どのように捉えて咀嚼し、発信できるかが重要とのこと。なぜならば、それこそがビジネスほか、あらゆる物事の中心になっているからです。

感情的知性を評価する質問を、自己活用するコツ

前項で紹介したデビッド・プリマー氏の「感情的知性(EQまたはEI)を評価するための質問」は、あくまでも採用担当者が面接のうえで活用するようにつくられた質問です。しかし、一般のビジネスパーソンも、この質問を自分自身に活用することができます。

たとえば、面接の際に前出のような質問があれば、あなたの感情的知性を探っているのかもしれません。それを察知したり、前もって考えをまとめ、答えを準備したりすることもできるでしょう。

また、自分の感情的知性がどの程度あるのか知りたい場合、3つの質問で「どう答えていいのかわからない」と感じる部分が、自分自身に欠けている、あるいは確立していない部分だと気づけます。

そして、3つの質問を通じ、それらが感情的知性において重要だと把握することができるでしょう。それらを鍛錬したり、追及したり、考えを深めたりすることは、感情的知性の向上につながるはずです。

*** シックスセカンズジャパン株式会社・代表取締役社長の田辺康広氏によると、意欲の低下、離職率の高さ、生産効率の低さという問題の解決に着手する企業は、積極的にEQ(またはEI)のプログラムを導入しているそうです。

また、ハーバード大学・エクステンションスクールの、管理プログラム責任者ローラ・ウィルコックス(Laura Wilcox)氏は、「感傷的なソフトスキルとして軽視する人もいるが、実際には、高い感情的知性はハードスキル(知識や技能)を強化する」と伝えています。

ぜひ、今回ご紹介した3つの質問内容をうまくご活用し、感情的知性を高めてくださいね。

(参考) MIT Sloan Management Review|Three Questions to Gauge Emotional Intelligence Quotable|Emotional Intelligence in Sales: High EQ Cultures Win More Harvard|Emotional Intelligence & Leadership Qualities 【公式】感情知能EQのグローバルネットワーク シックスセカンズジャパン|EQ(Emotional Intelligence; 感情知能)とは 田辺康広著(2013),『できるリーダーは部下の「感情」を動かす チームを強くするエモーショナル・インテリジェンス』,PHP研究所.

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