「本音で話せない会議」なんて時間のムダ。優秀な人は “このフレーズ” で議論を前進させている。

時間が進むにつれ話題がずれていくディスカッションや、発言者が少なく話が止まってしまう会議に、もううんざり……! そんなお悩みを抱えるビジネスパーソンのみなさんに、「行き詰まった議論を一歩前進させられる言葉」を3つご紹介します。あなたが会議中にこの言葉を発すれば、これまで経験してきたような「先の見えない会議」はきっとなくなるはずですよ。

会議やディスカッションで起こりやすい問題点とは

みなさんが参加する会議では、いつも同じ上司が話し続けていたり、上司からの評価が気になって自由に発言できないと感じたりすることはありませんか? どちらも、会議にありがちな問題点ですよね。

ファシリテーションに関する調査・研究・普及活動などを行なう日本ファシリテーション協会が、日本の会議の現状について調査した内容を『ファシリテーション白書2014』にまとめました。そのなかで、話し合い・会議がうまくいかなかった要因を尋ねた項目があります。これに関する、民間企業に勤める人の回答結果のトップは「発言が一部の人のみに偏っている」というもの。40%近くもの人が、発言者の少なさに問題意識があることが分かりました。また、2位・3位には「脱線が多い」「本音で話すことができない雰囲気がある」が続き、いずれも25%近く。4人に1人は、脱線が多く、本音で話せない会議に辟易しているようなのです。

発言がごく数人に限られ、彼らが思うままに語る一方で、それ以外の人は本音で語ることができない……。そんな会議の光景が目に浮かびますね。同協会フェローの堀公俊氏は、日本の会議の問題点について次のように述べています。

議題の内容はあらかじめ根回し済み。シナリオ通りに話し合いが進み、意見を言っても結論が変わることはありません。筋書きにないことを言ったり、若者や部外者が思うままに発言したりすると、「空気を読め」「場をわきまえろ」という無言の圧力がかかってきます。 議論が巻き起こったとしても、多くの人にとっての関心はみんなと同じ意見であること。自分の意見は心の中に封じて、大勢になびこうとします。その結果、合理的でない提案が、その場の勢いで全会一致で決まったりします。

(引用元:日経ビジネススクール|日本の会議の問題点、1位と2位はどこも一緒のあれ?(堀 公俊)

事前に根回しをして想定通りに進む議論も悪くないのかもしれませんが、参加者全員がより自由に意見を言うことができれば、会議の質も満足度もぐんと上がるはずですよね。ぜひ以下のセリフを使って、会議をより良いものに変えていきましょう。

議論を一歩前進させる言葉1:「その仕事、誰かできる人いませんか?」

世界的コンサルティング会社のアクセンチュアでマネジング・ディレクターを務め、海外のビジネスパーソンとの会議経験が豊富な中野豊明氏は、日本人は「この仕事は自分がやらねばならない」という考えを強く抱きがちだと言います。一方海外の人は「自分がやらねば」という考えは持っておらず、例えばインド人なら「誰かができるならそいつにやらせる。誰もできないなら、ほっておく」と考えるものなのだそう。

そしてまさにこれが、日本人同士の会議からは画期的なアイデアが期待できない原因。確かに、「仕事は自分がやらねばならない」という考えを持っていたら、自分にできるか分からないアイデアを安易に言うことなどできませんよね。

また中野氏は、日本のビジネスパーソンは会議の前に根回しをして、ある程度の「落としどころ」を予測してから議論に参加しているケースが多いのだとも言います。「この会議では○○を決定し、その担当者は××さんになるだろう」というある程度の筋道を立ててしまうから、会議でアイデアが広がることもなければ、画期的な発言自体が歓迎されることもないのです。

そこで、「この仕事は自分がやらねばならない」という考えを避け「その仕事、誰かできる人はいませんか?」と発言するようにしてみましょう。「自分がやらねばならない」をいったん捨て去ってしまえば、自分がその仕事をできるか否かに関係なく自由な提案をすることができるはずです。

中野氏は、海外のビジネスパーソンの「誰かできる人に仕事をやらせる」という考え方のメリットについて、次のように述べています。

日本以外の多くの国のビジネスマンたちの会議は、もっと単純で大らかなものだ。とにかく、よりよい成果を求めて自分が出せる「最良の見解」を述べようとする。ひたすらアウトプットを重視して、自らのアウトプットも思いつく限りのものを出す。その結果、議論が飛躍するようなアイデアが出ると、それを軸にして全体の議論が一足飛びに進化するのである。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|日本企業の会議がダメなのは「落としどころ」を想定して臨むからだ)太字は編集部にて施した

例えば、新しいお菓子の商品パッケージについて話し合う会議をしているとしましょう。できれば斬新なパッケージで消費者の関心を集めたいもの。「商品パッケージをスマートフォンで撮影するとキャラクターが浮かび上がる」なんてアイデアを思い浮かんだとしても、本当に自分がそれを形にできるかと考えると自信がなく、発言するのもはばかられてしまいますよね。そんな時は、こんなアイデアを思い付いたのですが、誰かこれを実現できる人はいないでしょうか?と言えばいいのです。そうすれば、「それならアプリの開発が必要だから、○○さんに話をしてみようか」などと、話を展開できるはずです。

根回しばかりで発言者が限られ、自由に発言できない雰囲気を打破するために、ぜひ斬新なアイデアを思い付いた際には「これを誰かできる人はいませんか?」と言ってみてください。

議論を一歩前進させる言葉2:「次の発言は、他の参加者の発言が終わってからにしましょう」

会議では、地位が高い人や自己主張が強い人のような「声の大きい人」の意見がよく通る。そう感じたことがある人は多いと思います。何か意見を述べようと思っても、すぐにそのような人の発言に遮られ、発言機会を失ってしまうケースはありますよね。

そんな声の大きい人の意見ばかりが通らないようにし、会議の参加者全員が発言できるよう、「各々、次の発言は、他の参加者全員の発言が終わってからにしましょう」と提案してみてください。一旦発言したら、会議に参加している全員が発言を終えるまで、次の発言をすることができないというルールを設定するのです。

このやり方を提案するのは、ミツバチ研究の第一人者であるトーマス・D. シーリー氏。ミツバチの群れが新しい巣を作る場所を決める際、どのハチも1回だけダンスを踊って「ここに巣をつくりたい」という意思を表し、すべてのハチの意思を反映させながら巣の場所を決めていくというやり方にならって、シーリー氏はこの方法を「ミツバチの会議」と呼んでいます。実際にシーリー氏は、大学の教授会にこの方法を取り入れ、全員の意見を吸い上げることに成功しているのだそう。

シーリー氏の「ミツバチの会議」を紹介している京都大学農学博士の篠原信氏は、この会議法のメリットを次のようにまとめています。

この方法だと、普段は発言しないような人からも意見が聞ける。こうした場合、意外な視点を提供してくれることがある。会議の空気がさっと変わって、次の発言者も「今のご意見は大変興味深い」と、掘り下げにかかるようになったりする。こうなると、声の大きな人も、全体の形勢が不利だと感じることになる。 (中略) 何周か意見を述べ合うと、会議の参加者全員が「落としどころはこの辺だな」ということを感じだす。異論が減り、そこで決をとると、全員一致で決まることが多い。

(引用元:Japan Business Press|納得!会議で「声の大きい人」に押し切られない方法)太字は編集部にて施した

もしも、組織全体の業務改善案を話し合っているのに、自分の業務に関する個人的な不満ばかりを並べ立てて吠えているような人がいたら、ぜひ「ミツバチの会議」にならって、全員平等に発言できるよう、1人ずつ順番に意見を述べるようにしませんか?」と提案してみてください。参加者それぞれが改善案を述べ合えば、ある特定の1人の不満にばかりに付き合う必要はなくなります。より建設的な業務改善策が導き出せるはずです。

議論を一歩前進させる言葉3:「非常に素晴らしいご意見ですね。要約しますと……」

参加者の1人が長々と話してしまい、会議の舵取りが難しくなることがありますよね。冒頭で紹介した調査結果の上位に「話が脱線する」という問題点が挙がったように、話し好きな誰かが興に乗っていつまでも発言を続けてしまい、話が脱線するというのはよくあること。

そういう場面では、〇〇さんの意見は非常に素晴らしいと思います。要約させていただくと……」というように、発言者に敬意を払いつつ、その人の発言内容をサッとまとめたうえで、話を本題に戻しましょう。ストレートに「話を本筋に戻してもよろしいでしょうか?」と尋ねるよりも、角が立たずに済みますよ。

ビジネス作家・エッセイスト・講演家の臼井由妃氏は、脱線した話を元に戻し、その場の空気を換える「キーフレーズ」の使い方について、次のように述べています。

要領を得ない発言をダラダラ続ける人がいる場合には、自分が進行役ならば「ご発言中ですが、要約させていただくと……」という言葉で発言者にやんわりと長話に気づかせるといいでしょう。キーフレーズの使い方は、この例のように、話の流れに割って入り、方向を変えるのが効果的です。進行役でない場合には「ご発言中、恐れ入りますが、●●という意味でよろしいのですよね」と、趣旨はくみ取っているという姿勢を見せながら長話に気づかせる手もあります。

(引用元:NIKKEI STYLE|話の脱線防ぐ「仕切りフレーズ」 議論をかじ取り)太字は編集部にて施した

先ほどの「業務改善案を話し合う会議」の例を続けます。自分の業務に関する個人的な不満をダラダラ述べ、その話が業務改善以外の福利厚生にまで及んでしまった場合には、ご発言中すみません、○○さんは会社の福利厚生にも問題があるとお考えなのですね。では肝心の業務改善という観点ではどうでしょう?などと、やんわりと話を元に戻してあげるといいですね。

会議では、参加する全ての人が自由に話せる雰囲気が大事。話を脱線させてしまった人がいたとしても、その人の気分を害することなく次の話題へシフトすることを心がけましょう。

*** 議論を進めるために必要な言葉の基本は、参加者全員が自分の意思を表明し、正しい選択が取れるように、会議の雰囲気をよくすること。

1. 正しい人材に正しい仕事を振るために、「その仕事、誰かできる人いませんか?」と尋ねる。 2. 会議をコントロールし、全員の意見を抽出するために、「全員の意見が終わってから、次の発言をしてください」と伝える。 3. 脱線した話を元に戻すために、「非常に素晴らしいご意見ですね。要約させていただくと……」とまとめる。

この3点を心得れば、行き詰まりがちな会議はきっと大きく前進するはずです。

(参考) 特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会|ファシリテーション白書2014 日経ビジネススクール|日本の会議の問題点、1位と2位はどこも一緒のあれ?(堀 公俊) ダイヤモンド・オンライン|日本企業の会議がダメなのは「落としどころ」を想定して臨むからだ Japan Business Press|納得!会議で「声の大きい人」に押し切られない方法 NIKKEI STYLE|話の脱線防ぐ「仕切りフレーズ」 議論をかじ取り エッサム神田ホール貸会議室|デキる会議のファシリテーターが使っているアジェンダと便利なフレーズ9選

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