「言語能力が高い人」がやっている4つの習慣。“10歳児にもわかるように” 説明できますか?

みなさんは「話したいことや伝えたいことがまとまらない」と悩むことはありませんか? 話題が豊富で話し上手な友人や、理路整然とした説明ができる仕事仲間を見ては、「どうして彼らのように自在に言葉を操ることができないんだろう」と落ち込むことはありませんか?

今回は、もっと語彙力や表現力を高めて会話や文章作成に活かしたいと願う人に向けて、思考をうまく言葉にするために日常で心がけるべきことをお伝えします。

1. 手書きのメモが要約力を鍛える

自分の考えを整理する訓練として有効なのは「書き出すこと」です。しかし現代社会ではスマートフォンの普及によって、どんなに重要な物事も撮影してしまえば簡単に画像データとして残すことが可能となりました。それは非常に便利な反面、「手書き」という行動を通して記憶を定着させることから遠ざかってしまうのです。

教育学者の齋藤孝氏は「今言ったこと、あとでメールしてください」「この資料、スマホで撮影していいですか?」と、メモする手間を面倒がるようになった弊害として『話を要約する力が劣化してしまった』ことを指摘しています

(中略)メモすることを習慣づけていると、話のポイントを要約しやすくなります。そもそもメモ自体が自分なりの要約力ですから、メモを取る行為には要約力を鍛える効果があります。

(引用元:齋藤孝(2018),『思考を鍛えるメモ力』, ちくま新書.)

人の話を聞きながら重要なポイントをメモすることは、頭の中で内容を整理して情報を取捨選択する能力を高めるトレーニングになります。齋藤氏は、「相手の言葉の量が10なら、そのうち3くらいを目途にメモをする」「キーワードやキーセンテンスだけをメモする」ように意識するだけで、充分に話の要約力が身につくと述べています。

要約力は、より多くの人に自分の思考や気持ちをきちんと伝えるのに欠かせません。あちこちに話が飛んだり、内容をうまくまとめきれなかったりする自覚がある人は、メモを取って要点をまとめるトレーニングをしてみましょう。

言語能力が高い人の習慣01

2. 手書きでもブログでもOK。日記がもたらすメリット

メモと同様に、手書きで日記を書くことも脳を活性化させます。日記を書くとき、記憶を呼び起こして文字へと変換し、指先の筋肉を使って文字を書き、目で見て確認するまで脳はフル回転しています。その日の出来事を思い出しながら書くということは、記憶を頻繁に出し入れしている状態なので、記憶の定着にもつながるのです

とはいえ、手書きの日記が続かない、読んでくれる人がいないとモチベーションが上がらない、という人も多いでしょう。今は手書きよりもブログやSNSで日記を公開する方が主流かもしれませんね。もちろんブログで公開する日記や、SNSで日常の出来事を記すことにもメリットはあります。

まず、SNSは人に見せることを前提としているので、正しい日本語や的確な語彙を意識することを心がけるようになります。また、アウトプットを習慣づけるようにすると、人に読ませる文章を生み出すことへの苦手意識が克服されるでしょう

とくにTwitterは、140字という字数制限が語彙力を鍛えるのに最適なツールとなります。手書きよりも気軽で続けやすいので、投稿する前に「もう少しコンパクトにまとめられないかな?」「ほかの表現に言い換えることはできないかな」「この表現は誰かを不快にさせないかな」と立ち止まって自問自答すると、語彙力と表現力が鍛えられますよ。

言語能力が高い人の習慣02

3. 完成した文章を読み直す習慣が仕上がりに差をつける

もっと文章力を上げたい、相手に伝わる文章が書けるようになりたい、と望むのなら、まずは客観性を身につけなければなりません。しかしジャーナリストの池上彰氏は、「自分の書いた文章を客観的に読み直すというのは、なかなか難しいことですよね。自分で書いた文章を読み直してみても、どこがまずいのかまったく見えてこない」と述べます。そこで大事なのが“時間を置く”ということ

例えば、メールの文章も、もしそれが重要なメールであれば、書いてからすぐには送らないほうがいいと思います。ちょっとだけ間を置いて読み直す。ビジネスのためのメールで、たとえ、急がなければいけない場合でも、書き終わったところで、一度トイレに行くとか、コーヒーを飲むとか、一服するとか、一拍置く。そしてもう一度読み直してみる。それだけでも、ずいぶんと表現が洗練されるはずです。

(引用元:池上彰, 竹内政明(2017),『書く力』, 朝日新書.)

一度書き上げてしまうと、それが完璧な文章であると思い込んで見直さなかったり、「もっといい表現があるかも……」と思いつつも修正するのが億劫になったりしがちです。しかし、読み直しをするかしないかで文章のクオリティは格段に違ってきます

書き上げてから時間を置いて読み直してみると、「書いた直後は完璧だと思ったけど、結構無駄な部分が多いな」と冷静に分析できるはずです。また読み直す際には、ぜひ声に出してみましょう。文章が持つリズムを感じることが文章上達の秘訣です

言語能力が高い人の習慣03

4. 会話の内容は“より具体的に”を意識する

最近ではメールやLINE、SNSなどのコミュニケーションが主流になり、カジュアルでくだけた言葉遣いが増えてきました。友だち同士で会話するときのように略語や流行語ばかりを使っていると、いつのまにか語彙力が失われていくので注意が必要です。

語彙力が乏しいと抽象的な表現になったり相手に誤解を与えてしまったりするため、ひとつの事象に対して数種類の表現をストックできるようになるといいでしょう。

日常の会話の中でも、できるだけ具体的な言葉に言い換えるように心がけます。たとえば「今話題のあの映画、ヤバかったよ!」では、「どう」「ヤバい」のか、そもそも「ヤバい」とはどのような状況を意味するのか、さっぱり伝わりません。

「話題の『○○』という映画を観たんだけど、冒頭からスピード感あふれる目まぐるしい展開で息をのむほどだったよ」と、できるだけ具体的な表現を意識して会話をすることで、頭の中の情報が整理されて、より相手に伝わりやすくなると思いませんか?

逆に、あえて難しい言葉ばかりを選んで相手を混乱させるタイプの「話し下手」もいます。法政大学ビジネススクールの高田朝子教授は、「成功するビジネスパーソンは自分の知識前提で話すのではなく、相手がわかるように工夫して話している」と述べます。

専門用語などの難しい言葉を使いたがる人は、「こんなことを知っている自分」に酔っています。そこで高田教授は、ここはあえて難しい言葉を封印して、「10歳児にもわかるように説明しなさい」と注意しているそうです。10歳くらいの年齢の子どもは、大人顔負けの知識がある子から普通の子まで知識量や理解力が幅広く、彼ら全員に理解してもらうにはそれなりのテクニックが必要だからです。

具体的には次のようなことを意識するといいでしょう。

相手と前提を一緒にする

「○○の件ですが」と、何の話をするのかを最初に伝えて話の方向性を一致させる気づかいを忘れずに。突然主語もなしに堰を切ったように話し始めても、相手はその勢いについていけません。

相手のことを観察して理解するよう努める

自分が伝えたいことばかりに気を取られて、相手の状況に気がまわらなければ伝わるものも伝わりません。忙しくて時間に追われている人には簡潔に、もっと情報が欲しいと考えている人に対しては丁寧に、それぞれの立場を思いやることで伝える能力は格段に上がります。

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池上彰氏は、語彙を増やす手段として『類語辞典』をすすめています。類語辞典をめくってみると、同じようなことを表現するにしてもいろいろな「言い回し方」があり、表現の可能性は無数にあると気づくことができるからです。たくさんの言葉を覚えることも大切ですが、言い回し方の幅を広げることで「伝える力」は磨かれるでしょう。

(参考)
Study Hacker|日記の効果を最大限得る! 夢の実現、仕事の成功に直結する、日記の効果的なつけ方
齋藤孝(2018),『思考を鍛えるメモ力』, ちくま新書.
池上彰, 竹内政明(2017),『書く力』, 朝日新書.
東洋経済ONLINE|「大人の語彙力」はなぜ急速に失われたのか
Study Hacker|「言葉にできない」では仕事ができない。もやもや思考を “結晶化” する、3つの言語化トレーニング
ITmediaエグゼクティブ|言語化能力が人脈を広げる

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