みなさん、プレゼンテーションのスライド作成に自信はありますか?
確かに、プレゼンテーションでは、あくまで話す内容が大切なのであって、スライドは話の補助でしょう。だからこそ、スライドのデザインに関して、あまり意識していない方は多いかもしれませんね。
しかし、人は聴覚だけでなく視覚からより多くの情報を得ているもの。したがってプレゼンにおいても、聴衆はただ話を聞くだけより、整理された分かりやすいスライドを見ながら話を聞いたほうが理解を深めることができますし、プレゼンに対して良い印象を抱くようにもなるのです。
となれば、せっかくプレゼンするのなら、美しく分かりやすいスライドを作る方がよいでしょう。そのためには何に気をつければよいのでしょうか?
今回は、綺麗なスライドのつくり方について紹介します。
魅力的なスライドでプレゼンをより良く見せよう
「口コミが多い飲食店の料理はおいしい」
みなさんはこのような考えを持ったことはありませんか? しかし、実際には、口コミが多いからといって、必ずしもおいしい料理を提供してくれる店だとは限りませんよね?
このように、私たちは物事の良い一面だけで、直接関係のない他の一面も良く見てしまいがちです。この現象はハロー効果と呼ばれます。
私たちが物事を判断するときに気をつけなければならないハロー効果ですが、プレゼンテーションをする側に立った時には、その効果をうまく利用することで、提案をより魅力的に見せることができます。その方法の一つが、綺麗なスライドを作ることなのです。
4つの大原則
では、具体的にどのような点に気をつけてスライドを制作すればよいのでしょうか?
インターネットで「スライド 作り方」と検索すると、大量のテクニックが紹介されていますが、情報が多すぎて正直よくわからないという人もいるでしょう。ここでは、そんな多数のテクニックのなかでも簡単にできる4つのポイントについて紹介します。
1. 1つのスライドに内容を詰め込まない これはよく聞くアドバイスかもしれませんね。「1スライドに1つの言いたいこと」を入れるのが、ちょうどよいといわれています。 このようにするのは、2つ以上のことを1スライド中で言おうとすると、スライドがごちゃごちゃしてしまって、読みにくくなるからです。このスライドで伝えたいことは何かを常に考えてスライドを作るとよいでしょう。
2. 配置は揃える 並列の文章が、目的もなく適当に並んでいたら非常に見づらいもの。そのため、文章や図表の配置は揃えてください。また、1枚のスライド内だけでなく、複数のスライド間においても、タイトルなどの位置を揃えると統一感がうまれ、綺麗に見えますよ。
3. 色は3色に絞る 結構やってしまいがちなのが、色を大量に使ってしまうというミス。何色も色ボールペンを使用したノートでは大事なところが分からなくなってしまうように、スライドでも色を使いすぎてしまうと、伝えたいことが伝わりにくくなります。 具体的には、背景の色+強調したい部分に1色+1色という3色を使用するとよいでしょう。
4. フォント フォントの種類は、多くの人にとって悩みの種ではないでしょうか。種類が非常に多くてどれを使うか迷ってしまいますよね。 スライドでは、ヒラギノ角ゴシックや游ゴシックなどといった、ゴシック体のフォントを使うとよいでしょう。というのも、細い部分の多い明朝体よりも、太さが一定であるゴシック体のほうが見やすいからです。フォントひとつでスライドの印象や読みやすさはがらりと変わりますよ。
センスあるスライドは知識から生まれる
上記のポイントをおさえたうえで、さらに良いスライドを作るには、どうしても配色や図表の配置などのセンスが問われます。「センス」と言われると、努力ではどうしようもないもののように聞こえますが、実はそのようなことはありません。
「くまモン」など、数々のヒットを生み出したクリエイティブディレクターの水野学さんは、センスを磨くには知識をつけることが大切だと述べています。
センスを磨くための方法とは、知識を身につけて「普通を知ること」と水野氏は述べています。
(引用元:Career Supli|知識を蓄えろ!自分のセンスのなさに気づいたとき、まずやるべきこと)
数多くのスライドを見ると、どのようなスライドが魅力的で、どのようなスライドがいまいちかという基準を明確に持つことができるようになります。良いスライドやあまり良くないスライドのイメージを具体的に抱けるようになるのです。そのイメージをきちんと持てていると、魅力的なスライドをアウトプットできるようになりますよ。
したがって、スライド作りのセンスを磨くには多くの作品を見ることが近道だと言えます。Web上には魅力的なプレゼン資料を閲覧できるサイトがいくつか存在します。「SlideShare」というサイトはそのひとつ。国内外から膨大な数のスライドが集められています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
*** 綺麗なスライドを作ってプレゼンテーションを行えば、「この人はプレゼン上手だ」というイメージを周囲の人々に与えることができます。 もちろん、プレゼンで最も大切なのは「話」であり「内容」です。しかし、綺麗なスライドのイメージが私たちの印象を良くしてくれることもあるでしょう。 いままでスライドに気を使ったことのなかった方は、ぜひスライドについても考えてみてはいかがでしょうか。
(参考) the power of powerpoint|基礎編総集 – 見やすく美しいパワーポイントを作るための基礎、そのすべてを一つにまとめました SlideShare INTERNET ACADEMY|デザイン性の高いプレゼン資料を作るための参考サイト3選 Career Supli|知識を蓄えろ!自分のセンスのなさに気づいたとき、まずやるべきこと Biz Hint HR|ハロー効果