みなさんには、嫌いな人がいますか? 自分の知る人の中から、何人か思い浮かべてみてください。
……。
できましたか? では次に、その人たちの特徴や共通点をあげてみてください。 一体、あなたが嫌いなのはどんな人でしょうか。
いろいろな特徴があがるとは思いますが、その中に必ず含まれるのが「人の話を聞かない人」です。 他人の注意を無視する人。部下の意見を集めようとせず、すぐに自分で判断してしまう人。話しかけても、上の空で反応してくれない人。いろいろな「人の話を聞かない人」がいますね。
しかし、あなた自身はどうですか? 疲れている時、イライラしている時、忙しい時。無意識のうちに「人の話を聞かない人」になってはいませんか?
嫌な話ですね。みんなが嫌いな「人の話を聞かない人」にならないためには、何ができるでしょうか。
大切なのは「自分を俯瞰する視点」です。
なぜ人の話を聞く必要があるのか
人の話を聞かない、もしくは無意識のうちに人の話を聞かない人に、「俺の話を聞け!」と説いても効果がありません。なぜなら、人の話を聞く重要性を理解していないからです。
朝食を必要ないと思っている人に朝食の習慣をつけることはできませんし、勉強なんて……と感じている人に勉強させることはできません。強制させても、それは一時的なもので、継続は望めません。ですから、まずは人の話を聞くことの重要性をお教えしましょう。
それはズバリ「自分の話を聞いてもらうため」です。
人間は、社会性を高度に発達させることで生き延びてきた、という話はみなさんもご存知でしょう。鋭い牙も、尖った鉤爪も持たない人間が生き延びるためには、大勢で集まり、コミュニケーションをとりながら、支えあうしかなかったのです。
そんな時、コミュニケーションを取れない個体がいたらどうでしょうか。群れ全体の危険に発展しかねませんよね。Study Hackerでは以前、相手に目を逸らされてしまうのは、始めに自分が目を逸らしたからだ、ということをお話しました。(Study Hacker|「私は嫌われている」という思い込みの多くは勘違いである、という科学的根拠)
人間は、自分と目を合わせてくれる人としか、目を合わせようとしません。同じように、自分の話を聞いてくれない人の話なんて、絶対に聞いてくれません。自分の話を聞いてもらうためにも、人の話を聞くようにしましょう。
メタ認知の必要性
冒頭で、人の話を聞くために必要なのは、「自分を俯瞰する視点」だとお話しました。 俯瞰する、とは一体どういうことでしょうか。
メタ認知という言葉をご存知ですか? これは、自分の思考を思考する、と言われる考え方の一つ。誤解を恐れず簡単にいえば、「自分の考え方を客観的に見つめてみること」を指します。俺はいつもこんな風に考える傾向があるけれど、それは正しいんだろうか……。そんな風に、自分を上から見つめる。それがメタ認知です。
メタ認知を可能にすることによって、冷静な状況判断やトラブル対処ができるようになります。ですが、なかなか簡単なことではありません。自分のことを客観的に見る、と聞いて、すぐに実践できそうだと思いますか?
難しそうですよね。でも、簡単にできる方法があるんです。それが「人の話を聞くこと」です。自分を自分で客観的に見つめる。これが難しくても、自分のことを客観的に見つめている他人の話を聞くことは簡単にできますよね。
自分を俯瞰する視点を身につけるためにも、人の話を聞くことは有効なのです。
話を「聞きに行く」ようにする
人の話を聞くことの大切さ、分かりましたか? しかし、人の話を聞くようにする、というのは非常に難しいことです。先述した通り、人の話を聞かない人は、無意識のうちにそうなっているからです。
そんな人に、人の話を聞けるようになるオススメの方法をご紹介しましょう。 それは「自分から、人の意見を聞きにいく」ということです。
例えば、仕事の報告をする時。「~というプロジェクトを発足させることになったんだけど、君はどう思うかな?」と、単なる報告で済まさず、必ず人の意見を仰ぐようにしましょう。
例えば、人に注意された時。「またやってしまいました、すみません。どんなところを直したらいいと思いますか?」と、自分から意見を求めに行きましょう。
そうすれば、「この人は私の意見や主張を聞く意志があるんだな」とわかってもらえます。これを続けていれば、最終的には意識せずに「人の話を聞く」習慣がつくことでしょう。
ぜひお試しあれ。
参考 日経ビジネスオンライン|どうして“相談待ち上司”はダメなのか? Study Hacker|「私は嫌われている」という思い込みの多くは勘違いである、という科学的根拠