あなたはほめ上手? 人を動かす「良いほめ方」 人がしらける「悪いほめ方」

部下をほめるのって意外と難しい……。そう感じている人も多いのではないでしょうか? 特に初めての部下を持ってまだ間もないときはなおのこと。なれなれしくすると敬遠されそうだし、かと言って他人行儀だと遠慮させてしまうかもしれないし……。そう思ってとりあえずほめてみたは良いものの、喜ばれるどころかむしろ怪訝な顔をされた……、なんて経験がある人も中にはいるかもしれません。

部下と良い関係を築く上で、ほめるのは確かに重要なことのひとつです。しかしほめ方を間違ってしまっては逆効果。たいして関心がないのではと誤解されたり、逆にあまりにも過剰な自信をつけさせてしまったりします。

そこで今回は、ほめるのが下手な人でも簡単に実践できる「ほめ方のコツ」についてお伝えします。

「ほめること」の重要性

株式会社BeeHive代表でありコーチングのセミナー講師としても活動を行なっている谷口祥子氏は、「ほめること」は「あなたを認めています」と伝えるコミュニケーション全般であると定義した上で、ほめ言葉は会話を弾ませる最高の潤滑油になると言っています。

またヤマト運輸では、社内に「ほめる」風土を作るために「満足BANK」という制度を取り入れているのだそう。満足BANKとは、企業内ネットワークにおいて誰がどのような理由で誰をほめたのかが全て見られるシステムのこと。これまでは「鍛えてこそ社員は育つ」という文化だったにもかかわらず、このシステムが導入されてから社員のモチベーションが上がったと、ヤマトホールディングス代表取締役社長執行役員の木川眞氏は述べています。

確かに私たちも、誰かにほめてもらえると“認めてもらえた!”と嬉しく感じると同時にその相手に対して好意的な印象を抱きますよね。そしてそれが結果として職場における円滑な人間関係につながったり、仕事に対するさらなる意欲を喚起させてくれたりします。

効果抜群の「ほめる」という行為。 でも大切なのは、ほめ方を誤ってはいけないということです。

ほめるのが下手な人の特徴

ほめて人を育てる「ほめ育」を日本だけでなく世界にも伝える活動を行っている一般財団法人ほめ育財団代表理事である原邦雄氏によると、ほめるのが下手な人が持つ特徴として次のふたつが挙げられるそう。

1. ほめるポイントが分かっていない いったい何をほめればいいんだろう……。そんな“ほめるポイントが分からない”という人は、そもそも周囲の人にあまり関心を持てていない可能性があります。

髪型や服装など外見のちょっとした変化でさえ、ほめる要素としては格好の材料となります。しかし普段から相手に心を向けていなかったとしたら、それらに気づくことは難しいものです。結果としてほめる絶好の機会を逃してしまうことになります。

2. ほめたくないという感情がある 「ほめたくない」と考えている人は、「ほめても何も変わらない」「甘やかす結果になるから逆効果だ」と心のどこかで思ってしまっているのではないでしょうか。もしかしたら自分自身がほめられた経験をあまり持っていないため、ほめられることの本当の良さに気づけていないのかもしれません。

でもだからこそ部下をほめてあげる必要があるのです。つまり、ほめられることの良さをあなたが部下に気づかせてあげるのです。そうすればその部下がいつか上司という立場になったとき、過去に自分がほめられたのと同じように、部下をほめてくれるようになるでしょう。

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いいほめ方のコツ

では相手を上手にほめるにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。 もしほめるのが下手でも難しいことを考える必要はありません。次の方法を実践してみてください。

1. 事実を言う 今まで他人をほめる経験があまりなかった人でも、これなら簡単に実践することができます。 例えば、普段は月に3件しか契約を取ってこない部下が、今月は10件の契約を取ってきたとき。「今月は先月より多い10件だね」と言えば、決して「すごい」などのほめ言葉を使っていないにもかかわらず、ほめているかのように聞こえます。

注意したいのは、選ぶ事実を間違えないようにすることです。普段は月に10件の契約を取ってくる部下が今月は3件だったとき、「今月は先月よりも少ない3件だね」と言うと、もしかして叱られているのではないか、と相手は疑ってしまいます。

2. 本人がいないところでほめる 本人を前にして直接ほめることを気恥ずかしく感じる人は、本人のいないところで第三者にその人の良さを伝えてみましょう。第三者から間接的に聞く方が、相手はより信憑性が高い情報としてあなたのほめ言葉を受け取ります。

この方法は効果が第三者に委ねられるので、ほめているということが伝わらない場合もあります。ですからできるだけ相手に直接伝えられるように、日頃から観察力を磨いておくことも必要です。

3. 将来の期待感を伝える 例えば部下が企画を成功させたとき、「企画が成功したのは君の能力が高かったからだ」とほめるとどうなるでしょうか。数回程度なら構わないでしょうが、いつもそのようなほめ方をしているとだんだんと自信過剰になり、企画が失敗したときには他の人のせいにしてしまうかもしれません。

こういう場合は「次の企画も楽しみにしているよ」と、ほめの内容を“将来の期待感”に置き換えてみてはいかがでしょうか。そうすれば相手は認めてもらったと感じると同時に、次の企画でも頑張りを見せてくれるはずです。

*** みなさんも部下との良い関係を築くことができるよう、ぜひ「ほめること」を取り入れてみてください。

(参考) 近藤洋子著(2015),『面白いほど伝わる技術:1日で売上1億3千万円の通販ナビゲーターが明かす営業トーク術』,インプレス nikkei BPnet|【13】部下をうまく褒めるコツは? PHPオンライン 衆知|【会話が途切れない雑談術】 “褒め言葉”を効果的に使う 東洋経済ONLINE|「ほめ方が下手な人」に共通する残念な考え方 DIAMOND online|19万人企業に「褒める文化」を根付かせたヤマトの「満足BANK」に学ぶ風土変革の極意

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