手紙やメールを書いたのに、相手に言いたいことがうまく伝わらなかった、そんな経験ありませんか? 普通の人は美文や名文を目指す必要はありません。わかりやすく、読みやすい文章が書ければ十分です。でも、それが結構難しい……。 そこで今回は誰にとっても読みやすく、言いたいことが伝わる文章を書くコツのお話です。
文章は短く
長い文章は読みづらいし、わかりにくいもの。文章は短く区切って書きましょう。例えば下記のAとB、どちらがわかりやすいですか?
A.私が大学に行くと友人が私のために席を取ってくれていたが、私はその授業で寝るつもりだったので、友人がいる位置は前の方すぎたので、友人にごめんと心の中で謝りながら後ろの席に座った。
B.私が大学に行くと友人が私のために席を取ってくれていた。しかし、私はその授業で寝るつもりだった。友人がいる位置は前の方すぎたので、友人にはごめんと心の中で謝った。そして私は後ろの席に座った。
圧倒的にBの方が読みやすいし、わかりやすいですよね。文章を書くときは、一文一文を「なるべく短く」を心がけましょう。
句読点は正しく
また句読点の付け方でも伝わりやすさが変わってきます。句読点が多すぎる文章は流れが途切れがちで、読む人を疲れさせてしまいます。また、読点の多い文章は修飾関係もわかりにくく、スムーズな読解を妨げます。 例文を見てみましょう
A.近年の、脳科学研究の、トレンドのひとつが、ブレインコンピュータインタフェース(BCI)です。 BCIは、脳波などによって、人の思考を読み取り、コンピュータ出力する、インタフェースのことです。B.近年の脳科学研究のトレンドのひとつがブレインコンピュータインタフェース(BCI)です。 BCIは、脳波などによって人の思考を読み取りコンピュータ出力するインタフェースのことです。
(抜粋:脳科学の世界|脳科学研究のトレンド )
比べてみると一目瞭然、原文であるBの方がはるかに読みやすいですよね。読点を打つ位置の目安はおおよそ下記3つです。
・主語のあと ・文と文を分けるところ ・接続詞のあと
たまに見かけるのが並列している語句の最後にもつけてしまうもの。最後の語句は読点は不要です。
誤)大統領はパリ、ローマ、ミラノ、を訪れた。 正)大統領はパリ、ローマ、ミラノを訪れた。
句点は基本的に文章の最後につけますが、気をつけたいルールは3つ。
1.()をつける場合、()の後ろにつける。 誤)おやつは300円までです。(ただし、バナナは含みません) 正)おやつは300円までです(ただし、バナナは含みません)。
2.著者名やクレジットなどを表示する場合は文章のあとにつける。 誤)昨年の事故数は760件でした(●●新聞)。 正)昨年の事故数は760件でした。(●●新聞)
3.!、?の後ろにはつけない 誤)明日でいいですか?。 正)明日でいいですか?
正しいルールを身に着けて、読みやすい文章を書いていきましょう。
結論は最初に
文章には2パターンあります。序論→本論→結論、と進む叙述型。そして結論→説明→補足説明、と進む逆三角形型です。前者では論理の展開が重視されるため、論文などではこちらを使います。一方、後者では論証以上に事実内容が重視されるため、ビジネスメールや報告書でこちらが好まれます。
仕事や日常の伝達では逆三角型を意識するようにしましょう。読んだ時の印象が驚くほど変わります。
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どうでしたか? いきなり上手な文章を書くのは難しいかもしれませんが、こういった文法上のルールを守るだけで急に文章が見違え、伝わりやすくなります。文章を書いた後に読み直してみて、わかりにくいな、と思ったら今回紹介した項目に合わせて手直ししてみてくださいね。
(参考) ビジネス思考への転換|一文が短い文章ほど意味を理解しやすい オルタナティブ・ブログ|エディテック 人と仕事研究所|わかりやすい文章を書く12のコツ 三省堂Web Dictionary|ことば百科

