あなたはある人気企業に勤める若手社員です。今日の会議で全員が「次回までに○○の改良案を3つほど考えてくるように」という課題を課されました。他の同僚から一歩抜きん出る大きなチャンスですが、時間はあまりありません。天才でもない限り、即興でアイデアをポンポン出すのはかなり難しいですよね。 しかも、根拠になる数字や説得するだけの資料も探さなくてはいけないので、早くアイデアを固める必要があります。でも大丈夫。今回はこんな時に役立つ「SCAMPER」発想法を紹介します。
「SCAMPER」発想法とは強制的にアイデアを生み出す方法
SCAMPERとはアイデアを生み出すためのチェックリストで、ボブ・イバールがアレックス・F・オズボーン(ブレインストーミングの生みの親)の考案したチェックリストを覚えやすいように改良したものです。 「SCAMPER」は英語の頭文字をとってつくられた単語で、以下のチェックリストに当てはめて強制的にアイデアを発想させていきます。 ・S=Substitute 置き換える 別なものに置き換えるとどうか?
・C=Combine 組み合わせる 2つ以上のものを組み合わせるとどうか?
・A=Adapt 当てはめる 応用したらどうなるか?
・M=Modify 修正する 修正するとどうなるか?
・P=Put other purpose 別の使い道を考える 別の用途に使うとどうなるか?
・E=Eliminate 余計なモノを削る 何かを取り除くとどうなるか?
・R=Rearrange/Reverse 並び替える/逆にする 並び替えるとどうなるか?逆にするとどうなるか?
(引用元:ダイヤモンド社のビジネス情報サイト)
上記のチェックリストに順に当てはめていくことで、誰でもアイデアを生み出すことができます……と言ってもなかなか分からないと思うので、具体例で見てみましょう。
具体的にはどう使うの?
あなたはIT企業の開発チームのメンバーです。今は、ノートパソコンに代わる新製品のアイデアについて議論をしています。「SCAMPER」発想法に従い、以下のように発想します。
Substitute ・代わりになるものがあるか? ・他の素材を用いることは可能か?
Combine ・追加できる機能はないか?
Adapt ・他の機械が担っている機能をノートパソコンに担わせることは可能か? ・過去に似たような議論はなかったか?
Modify ・問題点は何か?そこを修正できるか?
Put other purpose ・従来とは異なった方面で利用できないか?
Eliminate ・余分な機能はないか?余分なパーツはないか?
Rearrange/Reverse ・並び替えたり、向きを変えたりすることで効率化できないか?
それぞれの考えるべき課題が見えてきましたね。そこで次は、今あるパソコンの情報に「SCAMPER」をそれぞれ当てはめてみましょう。 その結果、以下のような回答が考えられます。
Combine ・ディスプレイにタッチパネル技術を追加する Modify ・キーボードはテーブルなどの平らな面がないと使いづらいので手で持って使えるようにする Eliminate ・キーボードを除去する ・ネットコンテンツを消費するという目的に特化する Rearrange ・縦向きにも利用できるようにする
以上の条件を満たすものとして「タブレット端末」というアイデアに行き着くことができるでしょう。
✳︎✳︎✳︎ いかがでしたか。「SCAMPER」のイメージはわいたでしょうか。アイデアを生み出すのは苦手だという方は、方向性や手がかりが全く見えない中で考えだそうとしてるからかもしれません。何も浮かんでこなかったらぜひ一度、この「SCAMPER」発想法を使ってみてください。 またこれは、グループでディスカッションする時のリストとしても有効ですよ。
参考 ダイヤモンド社のビジネス情報サイト|ウサギをアヒルに変えるには?「SCAMPER」発想法で選択肢を増やす Idea Tool|SCAMPER法とは IT mediaエンタープライズ|SCAMPER法――「10分以内にアイデア3つ出さなきゃ」をかなえる方法