なぜアイデアマンは手帳を使うのか? 「なんでも書ける」が生み出す “創造力のビッグバン”

「いつも凡庸なアイデアしか出てこない……」と悩んでいるならば、アイデアを出しやすくする手帳術を取り入れてはいかがでしょう。「アイデアを出す=才能」ではありませんよ。誰でもすぐできるワザをご紹介します。

「アイデア」=才能ではない

世界的に有名なデザイン・コンサルティング会社IDEO(アイディオ)の、IDEO TOKYOマネージング・ディレクターのダビデ・アニェッリ氏は、アイデアを出す力となる「創造力」について、「創造力とは、想像を膨らませ、好奇心を持って常に学び、頭で考えたことを形にして、失敗を恐れずチャレンジすること。子どもの頃は皆これを存分に発揮していたから、大人になっても必ず持っている」と述べています。

そして、競争力を保ち、方向性を確認していくにはエンドユーザーの声に耳を傾ける必要があり、そのために創造力はマストだといいます。なぜならば、ダビデ・アニェッリ氏いわく「創造力とは“正解のない問題を解決する”こと」だから。

美崎栄一郎氏が著した『アイデアは才能では生まれない』に登場する有名企業のプロジェクトリーダーたちも、口をそろえてタイトルどおり「アイデアは才能では生まれない」というそう。

つまり、アイデアを出すということは、事実と情報を分析し、そこに見えてくる問題を、誰もが持つ想像力や好奇心、チャレンジ精神で解決し、新しい価値を見出す行動のこと。才能によるものではありません。

ただし、もちろんその際には、ちょっとした工夫が必要です。そのひとつが「手帳」の活用なのです。

アイデアを出せる人は手帳を活用している

「手帳」に、ただ「書く・描く」だけで、実は多くのメリットがもたらされます。

五感から入った情報は、そのままでは断片化してしまいますが、手帳にアウトプットすることで形にすることができます。そして、それを再度インプットすると脳に記憶として定着し、インプットとアプトプットを繰り返せば脳の活性化にもつながります。

気がついたらすぐにメモできるという便利さがあり、あとから見なおせば想起スイッチにもなるでしょう。そのほかにも気づき頭の整理整頓など、メリットは数えきれません。これが、アイデアを出せる人が手帳を活用する理由です。

では次に、具体的な手帳術を3つ、ご紹介します。

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アイデア力を育てる手帳術

1.ラクガキ

ラクガキコーチのタムラカイさんが、『アイデアがどんどん生まれる ラクガキノート術 実践編』で紹介しているのは、「ラクガキ」の活用法。

方法はとても簡単です。とにかく思いついたことや、書き留めておきたいことがあれば、文字・絵・図などを使ってラクガキしていくだけ。同氏は、「ラクガキの最大の利点は、言葉で表現できないイメージを相手に伝えられること」と述べ、知人の言葉を引用しながら「手を動かしてアイデアを見える形にしたほうが、問題点や解決策を思いつきやすい」と伝えています。

2.意見も記す

人材育成コンサルタントの松本幸夫は、著書『仕事が10倍速くなる! スピード手帳術』のなかで、自分の「体験」を手帳に記す際、そこに「自分の意見も書いておくこと」を提案しています。例えば電車に乗っていて興味深い光景を目撃したらすぐ手帳に書き込み、その際に「自分の意見」も記しておくのです。同氏は、「体験」と「意見」を記せば、メモは立派なネタ帳になるといいます。

そして、アイデアを出す際、体験は非常に重要とのこと。なぜならば自分の「体験」は他人がネットで調べても探せないもだから。それゆえに同氏は「ネタ帳のなかでも一番力を入れたいのは『あなた自身の体験』であり、そこから『あなたの気づき』が生まれるといいます。

3.三角メモ

三角メモ」は、数々の有名な広告を手がけたクリエイターの小西利行氏が著書『図解すごいメモ』で紹介している手帳術です。

慣れてくれば、1時間で100個以上のアイデアが出てくるというこの方法は、まず手帳のなかに三角形を2つ、中央で重なるように書きます。そして、一番上に「お題」や「ターゲット」などを書き、左の三角に「できること」を書き出し、右の三角には、「ターゲット(参加する人)が好きそうなこと」を想像して書き出します。そららが合体すると、アイデアが生まれるわけです。その合体部分が三角形の重なり合った場所です。例えば、

お題「冬のアイスクリームイベントを盛り上げる」 ターゲット「20~30代女性」

◆ できること(左の三角) ・カフェ貸切る ・ノベルティつくる ・モデルさん呼ぶ

◆ ターゲットが好きそうなこと(右の三角) ・暖かい部屋でアイスクリーム ・かわいいノベルティグッズ ・インスタ映えメニュー

◆ 合体すればアイデアに ・暖炉(あるいは暖炉型)があるカフェ ・アイスクリーム型キャンディのノベルティ ・カフェコラボメニュー

といった具合です。

オススメの手帳

前項で手帳術をご紹介しましたが、その際に使うオススメの手帳があります。それは、「ロルバーン」の手帳。小西利行氏や、作家の岩崎夏海氏もアイデアを生み出すメモとしてご愛用ですが、実は筆者も愛用しています。カラーバリエーションやサイズも豊富ですよ。

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筆者が実際に使っている「ロルバーンポケット付メモ M(横112×縦138×厚み15mm)」ペンは別購入。

恐ろしくボロボロですが、バッグに入れたり出したりするためこうなります。しかし、バンド付きなので、雑多なカバンのなかでも開きません。ちなみに、小西利行氏が愛用しているのはLサイズ(横143×縦182×厚み15mm)とのこと。

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ヘルスケア関連の記事を書くことも多いため、一番最初のページには「主なビタミン・ミネラル一覧表」のコピーを折りたたんで貼っています。もちろんポケットに入れてもOK!

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気づいたらメモするため、内容は支離滅裂。「果物は重力に従って下に行くほど甘くなるが、ブドウは逆である」なんてトリビアから、アインシュタインやニーチェの言葉まで。こんなメモからでも仕事のアイデアはたくさん生まれましたよ!

*** いつも持ち歩く手帳は、アイデアを一緒に生み出す最高の相棒になってくれるはず。お気に入りを見つけて、ぜひご活用くださいね。

(参考) NIKKEI STYLE|WOMAN SMART|アイデアがどんどん生まれる簡単メモ術、プロが指南 @DIME アットダイム|作家・岩崎夏海さんの“アイデアを生む”手帳 COMMONS PAGE|誰もが生まれながらに「クリエイティブ」 IDEOに学ぶ「創造力」を解き放つマインドセット Study Hacker|「創造力」に才能は関係ナシ! アイデアを生み出せるようになるための3つの訓練。 Study Hacker|「一流のメモ術」で思考を深めろ! ただ書くだけじゃない、成功者のメモ “3つのルール” 松本幸夫著(2008),『仕事が10倍速くなる! スピード手帳術 』,日本実業出版社. タムラカイ著(2016),『アイデアがどんどん生まれる ラクガキノート術 実践編』,エイ出版社. 小西利行著(2017),『図解すごいメモ。』,かんき出版. 美崎栄一郎著(2012),『 アイデアは才能では生まれない』,日本経済新聞出版社. 茂木健一郎著(2008),『脳を活かす仕事術』,PHP研究所.

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