「デキル人」に必須とされる客観的思考。 バイアスを捨てる、フリークに考える、ゼロベース思考……。
でも、「バイアスを捨て、ゼロベースで考えろ」と言われてもなかなかできることではありません。なぜなら、何かものを考えるとき、既に自分自身の中に存在するものこそがバイアスであり、そうである以上、バイアスがかかっていることに気づくことは容易ではないから。それを取り去るには、自分を冷静に、客観的に見るという能力が必要です。
実は、どの自己啓発書や成功者の本もそのアイディアの根幹は「客観的思考」にあると言って過言ではありません。
ではやはり、客観的思考とは一部の才能ある人だけが出来ることなのか。 今回はそんな疑念を否定するために、客観的に思考するコツを紹介します。
解説がないからバイアスがかかる
客観的に見えている、とは言わば自分の身の回りの出来事をTVを見るように捉えているということ。 TVの出演者に「こうすればいいのに」と考えるようなものの見方が客観的思考です。 では、何故現実ではそうはいかないのでしょうか。
その理由としては以下のことが考えられます。
・解説がないから TVであれば相手にもスポットライトを当てて、どんな人なのか何を考えているのかなどが紹介されます。それにより、状況を客観的に判断することができるわけですね。
しかし、現実では自分は第三者ではなく当事者です。相手の言葉や行動が自分に向けられていると、客観的でいつづけることはむずかしいでしょう。
・自分が利益関係にあるから 人間は損得勘定が係わると感情的になりがちです。TVの中の赤の他人や実在しない人物であれば冷静に見ることが出来ますが、自分が係わる状況で一歩引いてみるというのは困難です。
自ら解説する
客観的思考はTV画面の前で好き勝手語る視聴者の考え方だといいました。 では、TVと現実、その差を埋めれば客観的思考が出来るのではないでしょうか。その為に必要なのは、先ほども出てきた「解説」です。
もちろん、自分の見ていないところで相手が何をやっているか、何を考えているかなんて知りようがありません。しかし、推測することはできますよね。これまでのつき合いを通して、相手が乱暴なもの言いをしがちであるとか、人の話を聞かずに動きがちだとか、そういうことをあらかじめ理解しておくと、イラッと感じることでも「あいつはそういうやつだから仕方ない」と受け入れやすくなります。
初対面の人でも感情的になる前に「Bさんはつい言いすぎて人を怒らせがちなのだ」などと勝手に解説してみれば客観的でいることができます。
人生をゲーム化する
先ほどはTVを見るように考える方法を紹介しましたが、現実世界にはどうしても許せない敵(嫌な上司、悪口をいう同期)や厄介な障害(受験、就活)がたくさんあります。
そんな時は人生をRPGのように考えてみてはいかがでしょうか。 ゲームの中では敵を倒し障害を乗り越えれば経験値が得られます。また、課題をクリアする為のレベルアップと考えれば日々の勉強なども楽しくなってきませんか? そして何より、ゲームであれば敵や障害がいないと面白くありません。 人生もゲームのように考えれば、難題にぶちあたってしまったときも
「○○があらわれた!」 あなたはどうする? ・たたかう→わざ(=どのように対処するか、自分の能力と相談する) ・どうぐ(=これまでの経験から良い解決方法はないか思い出す) ・なかま(=問題解決を助けてくれる仲間がいないか) ・にげる(=無理して無駄な労力、時間を割かないよう諦める)
などと置き換えることで、余裕をもって考えることが出来るはずです。
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一口に客観的思考と言っても実際に行うのは難しいもの。しかし、普段見ているTVのように解説を入れたり、ゲーム気分で捉えてみたりするだけで意外と簡単に対処できるのかもしれません。どんなに困難な状況でも余裕をもって対処できるように心がけてみてはいかがでしょうか。

