“完璧な準備” がモノを言う! 仕事の質を高めるための「準備」3つの手順。

皆さんは、準備不足のまま場当たり的な仕事をしてしまったことはありませんか。

その結果、あとから資料が足りないことに気づいたり、思ったより時間がかかってしまい次の作業に支障が出てしまったりしたのではないでしょうか。このように、時間がないからとりあえず進めてみようと何も考えずに仕事に取りかかるのは得策ではありません。

しっかり「準備」をすることで、仕事の効率化を図ることができますよ。今回はそんな「準備」のコツを紹介します。

仕事の効率を上げるには「準備」が大切

「準備ですべてが決まる」と言われるように、仕事においても準備はとても大切です。もし準備不足のまま仕事に取りかかった場合、どんな問題が起こるでしょうか。

1. 予期していなかったことが起こる 「思っていたよりも時間がかかってしまった」「用意していた部数では足りなかった」「機材は持っていったがACアダプターを忘れたので電源が入らない」などです。これはすべて準備不足によって起こってしまうトラブルです。きちんとした準備ができていれば避けられたでしょう。

2. 必要以上の労力やコストがかかってしまう 次に何を行うべきか手順を把握できていないために、本来ならもっと素早く行動できたところでつまずいてしまい、結果的に時間のロスになってしまいます。また、「手順を間違えたせいで最初からやり直しになってしまった」などは最悪なケースですね。

3. 仕事における本来の目的を見失ってしまう 準備ができていなければ心に余裕がありません。そのため、必死で目の前の作業をこなしていくことになります。考える余裕がないので、タイムリミットが迫っているのにも関わらず本来必要のない作業をしてしまったり、間違えたまま作業を続けてしまったりということも。

こういったことを避けるためにも準備は絶対に欠かせません。仕事は何より準備が大切であることを念頭に置きましょう。逆に言えば、準備さえできていれば本番は成功したも同然です。

なぜ準備がうまくいかないのか

自分ではしっかり準備ができたと思っていたのに、なぜか仕事がスムーズにこなせなかったという人は、「準備ができたつもり」になっていたのかもしれません。実際に完璧な準備ができていたかどうかは、仕事に取りかかってみて初めて気がつくことが多いものです。

もし、取り組みはじめた仕事に対して、「時間がなかったので」「初めてのことで」「スキルが追いつかなくて」といった言い訳が出てくる場合は、まだまだ準備不足が原因です。

プロ野球選手のイチロー氏は、「準備とは言い訳を排除することだ」と述べています。

「完璧な準備」をすることで本番への自信にもつながり、結果がついてきます。つまり、大きな成果は「完璧な準備」にあるのです。

(引用元:児玉光雄 著 (2016),『イチロー流 準備の極意』, 青春出版社.)

言い訳をすべて排除できるほど準備に取り組めているか。完璧に準備できたという心構えになっているか。それが準備ができているかどうかのポイントとなります。今までの準備の仕方だと不十分だったかも……という人でも大丈夫。準備でおさえるべき具体的なポイントを次の項でしっかりと確認し、準備ができたかどうかの指標としましょう。

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仕事の「準備」のコツ

完璧な準備をするためには、実際にどのようなポイントに気をつければいいのか、そのコツを3つ紹介していきます。

1. 全体の流れを考えながら必要な物を確認する 特に持ち物は、細かなものが抜けてしまうことが多々あります。頭の中で仕事全体の流れをイメージしながら、作業の最初から最後までに必要な物を、漏れのないように準備していきましょう。また、物ではありませんが「聞き手からの質問」に対する答えを入念に準備しておくことで、仕事に対する考えもまとまります。

2. 実際にやってみる 頭の中で作業するだけでは、本番の際にトラブルが起こっても対処できません。例えば、「プロジェクターとパソコンがうまく接続できない」「プロジェクターに映した文字が小さく、後ろの方の人には見えにくい」などは、本番と同じ状況でテストをしてみないとわからないことです。可能な限り実際に試してみることで、トラブルを事前に回避できるでしょう。

3. 想像力を働かせて不測の事態が起こらないようにする これが一番難しいことでもあります。本番通りにやってみることが難しい場面では、本番の状況を別の場所で再現したり、頭の中で「もし〇〇がなかったら」「〇〇できなかったら」などいくつもの不測の事態を想定し、対処法を考えたりしましょう。実際にトラブルが起こった場合でも対応できますし、対処法のストックがあることで気持ちの余裕にもつながります。

完璧な準備をするためには、本番の状況を、頭の中や行動で再現することが大切です。

準備の実践例

「明日、企画のプレゼンがある」ことを念頭に具体的な準備の方法を組み立ててみます。

  -  完璧な準備をするためには、何事も早めの行動を心がけることが大切です。まず、プレゼンの前日までに資料をすべてそろえます。上司の確認が必要な場合は、前もってチェックをお願いし、前日までに修正をしましょう。資料は聞き手の人数を確認してから多めに用意しておけば、急な参加者がいたとしても対応できます。

  -  プレゼンの基本的なストーリーは繰り返し練習して暗記しておきましょう。また、何度も声に出して練習することで、発表に慣れていない人でも説得力のある発表に仕上がっていくはずです。ストップウォッチを使って時間を計ったり、スマートフォンなどの録音機能で自分の話し方を確認したりするのもよいでしょう。

  -  同僚や友人を前にプレゼンのリハーサルをしてみます。聞き手からの客観的な意見も参考になりますし、質疑応答の練習をすることで、改めて本番への対策を練ることができますよね。

完璧な準備を目指すには本番以上の努力が必要であることがよくわかっていただけたかと思います。しかし、これだけしっかりと準備することができれば本番でもきっとすばらしいプレゼンができるでしょう。

準備だからと気を抜いてやるのではなく、準備だからこそ本気で取り組むのが仕事で成功するコツです。

(参考) 株式会社ヒューマントラスト|仕事でミスをしないための事前準備 ヒューマンタッチ キャリアエージェント|十分な事前準備がプレゼンテーションに自信を与え、緊張をなくす 児玉光雄 著 (2016),『イチロー流 準備の極意』, 青春出版社. 鈴木真理子 著(2017),『ミスが減る! 信頼される! 仕事の準備の本』, 大和書房. 河野栄太郎 著(2012),『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.

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