完璧主義は欠点である。完璧にこだわることの、2つの落とし穴。

2020年に開催されることが決定した東京オリンピック。その招致にいて大きな役割を果たした、東京五輪招致委員会コンサルタントニック・バーリー氏は完璧主義を欠点だと述べています。これは五輪に関することだけではありません。 もちろん、新幹線の整備など安全性が問われる場面での完璧主義は最大限に評価され、日本人の几帳面で完璧主義な性格から戦後の目覚ましい復興をなし得たと言っても過言ではありません。しかし、「巧遅は拙速に如かず」という孫子の言葉もあるように、完璧主義がいつも正しいとは限りません。 私たちは完璧主義の何に注意すべきなのでしょうか?

 

完璧主義では時間がかかりすぎる

 

完璧主義の最大の欠点、それは時間がかかってしまうことです。 細かい点一つ一つについてああでもない、こうでもないとやっているといつまでたっても物事が終わりません。計画の段階から完璧を求めてしまうと、始めることができないことすらあります。たとえ始められても、予定外のできごとのせいで計画の組み直しになるたびに、完璧なスケジュールを組み直していたのではもう大変です。

また、経験のある方も多いかと思いますが、時間をかけたからと言って、必ずしもよいものができるとは限りません。パッと思いついて実行したときのほうが、しっかりと準備した完璧な状態で行ったことよりも遥かによかった、なんて皮肉なことも往々にしてあります。

完璧主義はかけただけの時間に見合った結果を、あまり得られないことにまず気付きましょう。さらにこのデメリットが影響を及ぼすのは仕事だけではありません。人生にも悪影響を及ぼすことがあるのです。

 

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私たちの人生は思っているよりも短い

 

Dropbox創始者のドリュー・ヒューストン氏は、完璧主義的な生き方をやめた一人です。彼のMITにおける卒業スピーチには、「30000」というキーワードがでてきます。これが何の数字かわかりますか? 実は、私たちの平均寿命を日数換算したときの数字なのです。彼はインターネットで人生は30000日という言葉を発見し、人生の短さを痛感したといいます。

ある晩、なんだか眠れなくてパソコンをいじってたら、『人生は30000日しかない』って誰かが書いてるのをみつけて、ふーんと思って最初は気にも留めなかったんだ。でも、ふと思い直して電卓をたたいてみたら、僕はそのときすでにもう9,000日を消費してたんだ。その瞬間はさすがに焦ってこう思ったよ。僕って今までに何かを成し遂げたっけ?ってね。

(引用元:LIG INC.|DropBox創業者がアメリカのMITの卒業スピーチで語った「人生の3つのコツ」

計算してみると365×80からすぐにわかる数字なのですが、普段なかなか意識することはないですよね。ただ、わたしたちはこの30000日をすべて使えるわけではありません。快眠推進倶楽部によると、日本人の平均睡眠時間は7時間程度らしいので、約3分の1である10000日ほどの時間は確実に使えません。また、飲食などの時間を考えるとさらに時間は減っていきます。

人生は私たちが思っているより長くありません。だからこそ、完璧を目指すために時間を使うよりも楽しく生きることを優先させようと彼はいうのです。

僕は、自分の人生を完璧主義で生きようと思うことをやめた。そのかわりに、自分の人生を面白くすることに決めたんだ。僕は自分の『物語』は、大冒険にしたかった。そしてその決意が、すべての始まりだったんだ。

(引用元:同上)

完璧にこだわりすぎると思っている以上に時間を浪費してしまい、見つけられるはずだった楽しいことを見逃してしまうのかもしれませんね。

*** いかがでしょうか。 “寿命が30000日”のように、身近な時間をいつもと違う単位に換算してみると、自分の行動できる時間がどれだけの価値を持っているのかを再発見することができます。 例えば、24×60で一日は1440分、そのうち7時間は寝ているので1日の活動時間は約1000分です。長いでしょうか、それとも短いでしょうか? このように時間の価値を捉えなおせば、過度な完璧主義による時間の浪費を防ぐことができるかもしれませんね。

(参考) 快眠推進倶楽部|睡眠時間は8時間必要?睡眠は長さより質が大切 LIG INC.|DropBox創業者がアメリカのMITの卒業スピーチで語った「人生の3つのコツ」 北里大学教養図書館|閲覧ニュース 15号 日経ビジネス ONLINE|日本人はもう、間違った自己批判をやめよう 2020年東京五輪招致委員会コンサルタント ニック・バーリー氏に聞く

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