緊張を上手くコントロールするにはコツがある! 世界の学者が勧める緊張緩和術。 

みなさんは、人前で堂々としていることができますか、それとも緊張してしまうタイプでしょうか。けっして大勢の前でなくとも、初対面の人と会う時などは、緊張していつもの余裕がなくなってしまう方は少なくないでしょう。

緊張状態は、個人の体質や性格によって程度に差はあれど、たいていの人が経験するものです。とは言っても、緊張はできればしないほうがいいですよね。普段どおりのパフォーマンスが緊張によってうまく発揮できなくなってしまうのは問題です。そこで今回は、緊張を緩和する方法についてお伝えします。

緊張が原因で起きてしまうこと

緊張すると、体や心にさまざまな変化が起きます。例えば、心臓がドキドキしたり、呼吸が速くなったりすることが挙げられますね。精神面では焦りや不安を感じることもあると思います。

さらに緊張がひどい時には、声が震えてきたり、頭が真っ白になってしまったりすることもあるでしょう。悪寒を感じる方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。またどういうわけか、とんちんかんな態度や行動をとってしまったりすることもありますよね。大事な場面ほど緊張して、結局空回りしてしまうという状況は筆者も経験しがちです。

緊張のメカニズム

先ほど挙げたいくつかの例のように、緊張によってあまり嬉しくないことが起こるのはどうしてなのでしょう。

緊張のメカニズムにおいて重要な役割を担っているのが、神経伝達物質である「ノルアドレナリン」です。人が不安や恐怖を感じると、このノルアドレナリンが血液中に多量に分泌され、交感神経を活性化します。その結果、心拍数や体温、血圧が急上昇し、それによって動悸や発汗、震え、赤面などの症状が出ることがあるのです。

したがって、緊張すると心臓がドキドキするといったことはけっして不自然なことではありません。それに、緊張の程度が適度であれば、集中力や身体能力が高まるといったメリットが見られるのです。

しかしその一方で、過度な緊張は、上で述べたような困った症状をもたらしてしまいます。いつもどおりの能力を発揮することができない、他人とのコミュニケーションもうまくいかないなど、悪影響を及ぼす可能性があるのです。

ですから、過度な緊張状態を避けて納得できる成果をあげるためには、緊張を自身でコントロールできるようになる訓練が必要だと言えるでしょう。

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緊張しない3つの方法

では、私たちはどうすれば緊張を和らげることができるのでしょうか。具体的な方法を3つご紹介します。

1. 「自分軸」で相手を見る

緊張しやすい人は、ものごとを他人軸で考えがちです。自分自身への評価が低く他人からどう見られるかを気にしているため、相手が見せたひとつひとつの反応に振り回されてしまうのです。

しかし、こちらがおどおどしていると逆に相手から不審に思われてしまいかねません。例えば、面接の際に緊張して、不安げな表情やふるまいをしたとしましょう。相手(面接官)からは「この人は自信のない人だ」と印象付けられてしまうはずです。

もし、自分自身が緊張していることに気づいた場合は、けっして他人軸ではなく、自分が相手をどう見るかという「自分軸」で考えるようにしましょう。例えば面接で緊張してしまったら、「もしかすれば相手の方も緊張して困っているかも」と想像してみるのです。

「自分軸」で考えれば、他人からの評価ばかりを気にすることなく、状況を冷静に捉えることができます。たとえガチガチに緊張してしまっていても、落ち着きを取り戻せるようになるでしょう。

2. 自律訓練法

「自律訓練法」とは、ドイツの精神医学者であるJ.H.シュルツ氏が1932年に提唱した、筋肉や呼吸を調節することで精神の安定やバランスをはかる方法です。この方法は以下の6ステップから成っており、それぞれのステップを心の中で数回唱えながら、ただ身体の状態を感じることに集中します。かける時間は、1つのステップに対して約3~5分を目安にしてください。

【1】気持ちが落ち着いている 【2】手足が重たい 【3】手足が温かい 【4】心拍が落ち着き呼吸も楽だ 【5】お腹が温かい 【6】額が涼しくて心地良い

最初は夜などの時間に、自宅の静かな部屋でゆっくり行うと良いでしょう。感覚がつかめてきたら、電車に乗っている間などちょっとした時間でも簡単にできるようになるはずです。

この方法に取り組めば、簡単に自分の気持ちを安定させることができるようになります。緊張してしまうことが予想される場面の前などに、緊張の予防策として実践してみてください。

3. 漸進的筋弛緩法

「漸進的筋弛緩法」は、アメリカの神経生理学者であるE.ジェイコブソン氏が1920年代に開発した、筋肉の緊張と弛緩を繰り返し行うことにより身体のリラックスを導く方法です。

基本動作としては、各部位の筋肉に力を入れて10秒間程度緊張させ、その後15~20秒程度力を抜くのがワンセットとなります。両腕や背中、肩、首、腹部、両足といった主要な筋肉に対して順番に繰り返し行ってください。筋肉が緩んでいることを身体で感じ取るようにするのがコツです。

この方法は、普段から実践していることで、いざという時に効果を発揮します。緊張して体が力んでいると分かったら、両手を握ったり開いたりするだけでも、充分なリラックス効果を実感することができるに違いありません。例えば、自分が行うプレゼンの前にやるなどしてみてはいかがでしょうか。きっと緊張を和らげてくれることでしょう。

*** 緊張を上手に扱ってあげれば、私たちのパフォーマンスをきっと高めてくれるようになるはずです。みなさんの日常生活でも、ここでお伝えした方法をぜひ取り入れてみてくださいね。

(参考) 一般社団法人あがり症克服協会|あがり症(対人恐怖症)とは? 文部科学省|在外教育施設安全対策資料【心のケア編】第2章 心のケア 各論 2 ストレスへの対処 NIKKEI STYLE|脱緊張 家庭や職場でリラックス上手になる5カ条 日経ウーマンオンライン|初対面の緊張が一気にほぐれる「上から目線の法則」

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