みなさんは、普段から仕事仲間と良い関係を築くことができていますか。職業柄話す機会が少なかったり、静かな職場だったりする場合は、関係を築けているのかどうか不安になることがもしかするとあるかもしれませんね。
しかし、簡単にできるコミュニケーションのコツを習得すれば、その関係性に不安を感じることは、きっと少なくなるはずです。今回は、周囲の人からの評価が上がる「言葉がけ」のコツについてお伝えします。
「言葉がけ」を行う重要性
ほとんどのビジネスパーソンの方は普段から、「おはようございます」、「お疲れさまでした」と職場で挨拶をしていることでしょう。その中でさらに、「今日は寒いですね」や「調子はどうですか」などと追加的に声をかける方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
株式会社チェンジ・アーティスト代表取締役社長の萩阪哲雄氏によれば、「言葉がけ」は、社員同士の信頼づくりに大きな効果をもたらす特効薬なのだそう。確かに、自分が信頼できるのは、どちらかというと全く話したことがない人よりも話す機会が多い人の方ですよね。そう考えると、「言葉がけ」は私たちが想像するよりも重要な役割を担っているのかもしれません。
「言葉がけ」は、立場関係なく誰でもできる
職場は仕事だけしていれば良いという場所ではありません。そもそも自分一人だけで完結する仕事などほとんどないでしょうし、周囲の人との関係が悪い中で仕事をしたいと思う人もおそらくいないはず。共同作業を行う場として、お互いに気持ち良く過ごせるように気をつかいたいものです。
ビジネスの世界で「言葉がけ」と聞くと、上司から部下に行わなければならないものだと考えてはいませんか。もちろん上司から行う言葉がけも重要なコミュニケーションの1つです。しかし、部下から上司に声をかけてはいけないという決まりはありませんよね。立場に関係なく言葉をかけ合うことで、より職場の雰囲気を良くすることが可能なのです。
立場別「言葉がけ」のコツ
では、私たちはどのように「言葉がけ」を行っていけば良いのでしょうか。具体的なコツをいくつかご紹介します。
1. 【上司→部下】頻度を上げる 上司から言葉がけを行う際に重要なポイントは、その頻度です。年に何度か飲みに誘うより、毎日たった5分でも会話をする方が信頼関係は深まります。
例えば、「先週頼んでおいた資料作成の進捗はどう?」といった確認の言葉であったり、「顔色が少し悪そうだね、風邪が流行っているみたいだから無理しないようにね」のような相手の調子を気遣う言葉をかけたりすることもできるでしょう。
実際、同じ職場であるにもかかわらずほとんど会話を交わしたことのない部下もいるのではないでしょうか。そのような関係であっても、部下の状況を見ながら、言葉がけの回数を増やしてみてください。そうすれば、少しずつ信頼関係が生まれるに違いありません。
2. 【部下→上司】タイミングを合わせる 自分の上司に対して部下の立場から言葉をかけようにも、相手が忙しそうでどうすれば良いのか分からない、という方は意外と多くいらっしゃるかもしれません。そのような時は、まず上司の行動を観察してみましょう。
例えば、あくびをした上司が視界に入ったとします。その時、「良ければ窓を少し開けましょうか?」と声をかけてみるのはいかがでしょうか。部屋のよどんだ空気を換気するという気配りに加え、話をするきっかけを作ることができますよ。
また、上司が嬉しそうな表情をしていることに気づいた時は、「何か良いことでもありましたか」などと話しかけてみてください。不機嫌な表情の時に近づくと、ついでに自分まで叱られてしまう可能性も否めません。しかし、上機嫌である時に感情を共有すれば、上司と良い関係を築くことが簡単にできるでしょう。
3. 時間の余裕を尋ねる 「言葉がけ」が大切であるとはいえ、突然話しかけても相手が必ず対応してくれるとは限りません。雑談ではなく仕事の話を振りたい場合は「3分ほど今お時間よろしいでしょうか」、あるいは「5分で済むからちょっとこの話をしても良いかな」というように、相手の都合を気にかける必要があります。
短時間で通じる内容だと分かっていれば、たとえ尋ねられた時に都合が悪かったとしても、「今はちょっと忙しいのですが、1時間後なら大丈夫です」などと好意的な言葉を返すことができます。相手を思いやれる言動だとして、周囲からの評価は上がるでしょう。
*** お伝えしてきたコツは小さなものではありますが、ぜひ時間をかけて信頼関係の構築を目指してみてください。
(参考) 高野登著(2011),『リッツ・カールトン 一瞬で心が通う『言葉がけ』の習慣』,日本実業出版社. DIAMOND online|上司とのコミュニケーションこそが、部下を成長させる DIAMOND online|信頼のベースを築く、わずか3秒でできること 日経ウーマンオンライン|コミュニケーションが取りづらい人との距離感の縮め方 PRESIDENT Online|職場で歓迎されるユーモア、されないユーモア