みなさんは、自分のやりたいことをできていますか?
まとまった時間がないとなかなかやる気は起きないものです。毎日同じことの繰り返しで生活に張り合いがないと感じていても、そこから抜け出すために行動を起こせずにいる、という人もいるでしょう。こういったやる気や行動は、本当にまとまった時間がないせいでしょうか?
短時間でできるようなことも、それほど無駄にはならないものですよ。今回は、朝の30分を活用してみたら以前より生き生きと日々を過ごせるようになった話についてお伝えしたいと思います。
「朝」の時間に着目するべし!
みなさんは、朝の時間を普段どのように過ごしていらっしゃるでしょうか。休みの日ともなれば、ボーっとしてしまって気づいたら昼になっていたということもあるかもしれません。
しかし、作業療法士である菅原洋平氏によれば、私たちの脳は、起床2時間後に決断力が高まり、3時間後に記憶力が充実し、4時間後に最もクリエイティブに活動するのだそう。つまり朝の時間帯は私たちの脳にとってとても貴重であり、使わないともったいない時間だと言えるのです。
仕事や学業のある日なら、比較的早い時間に起きている方もたくさんいらっしゃるかと思います。そこで、ぜひ朝の時間を有効的に使ってみてはいかがでしょうか。
朝の30分を英語の聞き取り学習に使ってみた
筆者は、1週間ほど実際に朝の30分を、アプリ「TED」を用いた英語の聞き取り学習に使ってみることにしました。このアプリは、おそらく多くの方がすでにご存知であろうTEDカンファレンスでのトークを、いつでもどこでも見られるものです。動画や音声はダウンロード可能なため、オフラインでも視聴することができます。
動画には字幕をつけることができ、英語だけでなく、日本語を含む様々な言語にも対応しているため、英語でのプレゼンを聴きながら日本語字幕を見て意味を理解したり、聞き取れなかったスピーカーの発音を英語字幕によってチェックしたりすることも可能です。筆者の場合は、1度目の視聴時には日本語字幕で内容を確認しながら、2度目以降は字幕なしで英語を聞き取ることに専念していました。
ここで、数あるTEDトークの中から、筆者オススメの3本をご紹介したいと思います。
1.トム・ウージェック:塔を建て、チームを作る (参考:TED Talks|トム・ウージェック:塔を建て、チームを作る)
こちらは筆者が大学の授業にて視聴したものです。マシュマロ・チャレンジの例を用いて、共同作業の本質と動機付けについて話されています。聞きなれない演習課題ですが、何度も聞くことによって、英語であってもだんだんと分かるようになってくるでしょう。
2.注意をそらすテクニック (参考:TED Talks|注意をそらすテクニック)
個人的に1番好きなTEDトークがこちらです。映画『フォーカス』の監修も行ったアポロ・ロビンス氏が、ミスディレクションについて語っています。英語はそれほど難しくなく、一つ一つの動作についての説明が多いため、きっと理解しやすいはずです。
3.「与える人」と「奪う人」—あなたはどっち? (参考:TED Talks|「与える人」と「奪う人」—あなたはどっち?)
こちらは、アダム・グラント氏の「GIVE&TAKE 『与える人』こそ成功する時代」で述べられている内容が、本人によって10分強のプレゼンにまとめられたものです。筆者は活字の方も読みましたが、TEDトークではスライドも加わることで、視覚的により印象付けるものとなっていました。
朝活を始めて感じた様々なメリット
これまでは「朝活」と聞いても、それをするくらいなら睡眠時間に回したいと考えていた筆者でしたが、実際に始めてみて感じたメリットがあります。
まず、普段の生活においてきっと無駄にしているであろう時間を減らせるという点です。朝活が楽しくなると、朝の30分だけでは物足りなくなり、他でも無駄にしている時間がないか自然と探すようになります。そうすると、忙しくて時間がないとばかり思っていたのに、意外とそうでもないことが分かりました。
また、今回は英語の聞き取り学習を実践してみましたが、TEDは英語学習の手段としてだけではなく、自身でプレゼンを行う際の良いお手本にもなります。 筆者は大学で、英語でのプレゼンを学ぶ授業に参加しているのですが、内容構成や聴衆の心をこちらに向ける「つかみ」など参考にしたい部分がたくさんありました。そして実際に自分のプレゼンにも取り入れられそうなところを積極的に取り入れた結果、良い成績を取ることができました。
さらに、筆者は朝がかなり弱く、起床してしばらくは機嫌が悪いということも多々ありました。しかし、朝活を始めてからは「今日は何を見ようかな」と、朝起きるのが楽しみになり、寝覚めも良くなったのです。
朝時間を使う際のコツ
朝時間を使うにあたってコツをお伝えしたいと思います。
まず、朝の時間は細切れで利用しても構いません。 30分を一気に使うもよし、2回に分けて15分ずつにするもよし、時間の使い方はみなさんの自由です。無理なく続けられることが一番なので、もし起床時間を早める場合も、徐々に慣れていくようにするのがポイントとなります。 例えば、最終的に朝の1時間を使えるようになりたいなら、まずは15分早く起きられるようにすることから始めてみる、というように身体に時間感覚を少しずつ覚えさせることが必要です。
また、今回は学習をするためにTEDを紹介しましたが、ポッドキャストもオススメです。スマホで手軽に聴くことができるので、朝起きたところで何をやろうかと迷っている方はぜひ取り入れてみてください。さまざまなジャンルの音声や動画が配信されており、ニュースや自分が興味のあることについて知識や教養を仕入れることができます。少しの情報量の違いが、仕事や自身の目標に向けての学習において差を生み出すかもしれませんよ。
*** みなさんも、朝の30分をやりたいことに活用してみてください。小さなことからコツコツと続けていけば、きっと自分の目指すものに近づくことができるでしょう。
(参考) アダム・グラント著,楠木建監訳(2014),『GIVE&TAKE 「与える人」ほど成功する時代』,三笠書房 WOMAN Online|脳の黄金タイムを活用! 効果的★朝の勉強法 リクナビNEXTジャーナル|脳が最も活発に活動するのは起床4時間後! 仕事と睡眠の関係を探る TED Talks|トム・ウージェック:塔を建て、チームを作る TED Talks|注意をそらすテクニック TED Talks|「与える人」と「奪う人」—あなたはどっち?