“人付き合いが苦手” を克服するための、3つの気軽な「はじめの一歩」

ビジネスシーンに学校や塾など、人と関わる機会は数多くあります。たとえ円滑な人間関係は築いていくべきだという自覚があっても、人付き合いが苦手だと億劫ですよね。それならば、まずは気軽にできることを試してみませんか? 今回は、人間関係を円滑にするためにやっておきたいこと3つをご紹介します。

人間関係の重要性

「人間関係の重要性」について、とても興味深い話があります。

梅花女子大学で人間関係・コミュニケーション・心理学等を教える阿部晋吾教授いわく「人間関係はストレスマネジメントにおいても重要な役割を果たす」とのこと。例えば、仕事の見通しがつかずストレスを受けやすい状況でも、人間関係に満足しているとストレスを感じにくいのだとか。

また、人事制度の構築などを行う重本コンサルティングオフィス代表の重本由宇氏は、社員が働きやすい環境として、「オフィスの物理的な環境」「労働時間や休日などの制度的な環境」「仕事をスムーズに進められるかどうかの仕事環境」「人間関係」という4つの視点をあげています。そして、そのなかで特に高いウェイトが「人間関係」とのこと。どんなに他の3つが充実していても人間関係に不満があると、社員は働く気が失せてしまうからです。

そしてさらに、メタアナリシス(メタ解析)を元に一番寿命に影響を与えているものは何か調べたところ、「つながり」だとわかったそうです。つまり、喫煙、飲酒、肥満などよりも、人とのコミュニケーションが無いことのほうが健康に悪影響ということ。ある他のデータでは、見舞客が0人の患者さんの70%が亡くなったのに対し、2人以上の見舞客があった人の死亡率は26%にとどまったとのこと。

「人間関係」恐るべしですね。ストレスを緩和し、どんな条件よりも人材を確保できて、寿命にまで影響を及ぼすとは……。でも、人付き合いが苦手な人が、いきなり社交的になるのは難しいこと。そこで、これからご紹介するのは、とても気軽にできる1歩前進です。

1.セミナーに行ってみる

メンタルヘルスの分野を中心に執筆する心理カウンセラーの大美賀直子さんは、限られた少数の人とだけ交流を続けていると、葛藤や嫉妬が起こりやすくなるといいます。また、それにより、人間関係への免疫力がどんどん弱くなってしまうのだとか。

そんな状況にならないように、いろいろな人と広く浅く付き合い、ほどよい距離感と緊張感がある人間関係に親しむことが大切とのこと。もしも最近参加していない集まりがあれば久々に参加するか、長いあいだ会っていない友人に連絡してみてはいかがでしょう。

でも逆に、知り合いだからこそ連絡しにくいという場合もあるでしょう。そこで、おすすめなのが、興味を抱いた分野のセミナーに参加してみることです。学びたい人が集まるセミナーはとても生産的で、しかも普段なら会えないような人と知り合うチャンスがある場所。そして、気兼ねなくコミュニケーションをチャレンジできる場でもあるのです。うまくいけば、人間関係への免疫力やコミュニケーション力を高めつつ、いい友人ができるかもしれませんよ。

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2.「ありがとう」と言ってみる

「ありがとう」と言われて、嫌な気分になる人は少ないでしょう。礼節をわきまえるうえでも必要な言葉です。でも実は、「ありがとう」の底力は想像以上にすごいのです。

ある実験によると、毎日「感謝していること」をリストアップしたグループは、そうでないグループよりも幸福度が高まったとのこと。つまり、「ありがとう」と言われた人だけではなく、感謝の気持ちを意識した人でさえも幸せにしてしまうのです。

この「ありがとう」で得られる幸福感は、実のところ仕事の生産性にもかかわります。米ウォーリック大学のAndrew Oswald教授らが行った実験によると、幸福度を高めた被験者は、通常時より約12%も生産性をアップさせたそうです。幸福感が増して仕事の生産性が上がる。そんな職場なら人間関係も円滑になるはずですよね。

そして、何よりも「ありがとう」と言ってみるべき理由は、感謝された相手が脳内に「オキシトシン」を分泌させるからです。脳生理学者の有田秀穂氏によると、「オキシトシン」は人への親近感や信頼感を増してくれるのだそう。その相手が何かをとってくれた、よけてくれた、教えてくれた、指摘してくれた、何でもいいのです。人間関係を円滑にするための1歩として、とりあえず、その人に「ありがとう」と言ってみてください。

3.自分を変えない、付け加えるだけ

コミュニケーションが苦手な方は、自分に自信がないことが多いと言われています。それは、自分の意見や言葉が受け入れられるか不安になってしまうから。そういったことから、まずは自分を認めてあげることが必要なのだとか。例えば、自分と違う意見があったとしても、考えを指摘されたとしても、それは数多くある意見のAとBとCにしか過ぎません。実のところ、自分が卑下される対象だと決めつけているのは、他でもない自分。誰しも対等なので自信を失う必要はありませんよ。

そんななか、心理カウンセラーの山崎孝氏は「自分を変える必要はない。付け加えれば良い」といいます。「生まれ変わって社交的な人になる」よりも、「ちょっと社交的な自分を付け加える」ほうが断然気楽ですよね。まずは今の自分を認めてから、少しだけ社交的な自分を付け加えてみてください。先日話しかけようとして躊躇した人に、思いのほか簡単に声をかけられるかもしれません。

*** 人間関係を円滑にすることは、どんな人でも、どんな場所でも抱えているテーマです。どうか気楽に、今回ご紹介した3つのことをお試しくださいね。

(参考) 日本郵政グループ労働組合|働きがいのある職場――職場の人間関係とモティベーション―― ビズテリア経営企画 - リーダーのための経営情報アップデート|ビズテリア|職場の人間関係の重要性重本コンサルティングオフィス | 代表 重本由宇 講談社 | 現代ビジネス | 『友達の数で寿命は決まる』新刊超速レビュー All About | 人間関係に疲れやすい人の特徴と4つの解決策 Study Hacker | 成功者は「ありがとう」を多用する。感謝を伝えることが生産性をあげる "科学的" な理由。 ヒューマンアカデミー | 心理カウンセラー講座なら | 人付き合いが苦手な人 カウンセリング大阪 | 自分に自信がないの克服

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